いさ進一公式ブログ 衆議院議員 党国会対策副委員長 党青年委員会副委員長 党大阪府本部副代表 衆議院小選挙区大阪第6総支部長

精神障がい者雇用を取り巻く現状と課題<下>

2012.08.08

<上>からつづく
■障がい者雇用を支え、その効果を理解する「中小企業」
現在の法制度では、
「従業員55人以下の企業」では、障がい者雇用を義務付けてはいません。
ま た、従業員が「199人以下の企業」では、障がい者を雇用する義務があるものの、
違反しても罰金が科せられることはありません。
そんな障がい者雇用の現実はどうか。
障がい者が就職した企業の内訳では、
「従業員55人以下の企業」はおよそ全体の半数を占め、
「従業員199人以下の企業」をあわせると7割に達します。
つまり、義務や罰則のない中小企業こそが、障がい者を積極的に雇用しているのです。
それはなぜか。
企業からのアン ケートには、
こうありました。
・雇用した精神障がい者は、会社にとって「戦力」となった。
・メンタルヘルスについて考えることがオープンになり、職場の雰囲気も良くなっ た。
・従業員同士が助け合うようになった。
障がい者雇用に効果を感じているという前向きな回答が多数寄せられたのです。
先に<上>でも書きましたが、
精神障がい者を実際に雇用した企業 は、その「価値」を十分に見出しています。
つまり、精神障がい者雇用を阻む最大の壁は、
私たちがもつ「先入観」だったり、「思い込み」なのかもしれませ ん。

■行政は、もう少し長い眼で「雇用継続」を見極めるべき!
このNPO法人の方が話されていたのは、
障がい者の就労支援は「新たに就労させる」だけではなく、
雇用を「継続させる」ことが重要であり、そこに使命感を置くべきだということでした。
たとえばハローワークを通じて就職することができた障がい者は、
「1年以内に 6割が離職」しているというデータもあります。
この背景には、行政が考える「雇用が継続している期間」と
現実との間にギャップがあるのです。

現制度では雇用が安定し、「継続」している状態になるまでの期間は
就労支援施設から「ジョブコーチ」が職場に派遣され、
ジョブコーチは必要な助言・援助を行うことができます。
しかしこの「雇用が継続している」状態を判断する期間が6か月間と決められているため
この期間後はジョブコーチを派遣することができません。

身体的な障がいと異なり、知的障がいや精神障がいをもつ方々は
状態の善し悪しが波のように訪れます。
一律に6カ月が過ぎたといっても、時には調子を崩す時期もあるのです。
そんなタイミングでジョブコーチが適切な助言を行ったり、援助することができたなら
雇用は「継続」できたかのもしれない。
話をされたNPOの方も、こうしたケースをいくつも見てきたそうです。

こちらのNPO法人では、すでに行政が「雇用を継続している」と判断した元入所者についても、
要請の連絡を受ければ、ジョブコーチを派遣するそうです。
これはまった くの「手弁当」で、NPO法人の側が自腹を切って働き、
障がい者雇用を守っています。これが実態なのです。

「頑張れば頑張るほど損をする」。そんな矛盾を抱えた現状を、
私は何とかして改善していきたいと強く思いました。
「雇用継続」の6か月という期間自体を延長することが難しいのであれば、
せめて緊急対応的に、ジョブコーチの派遣時に国が支援する体制をつくれないものか。

障がい者雇用の現場では、働くスタッフのみなさまの努力と、
実習の受け入れなどで協力する企業の善意と真心によって、
辛うじて支えられています。
しかし、それだけでは限界があります。
障がい者の方々がイキイキとした生活を送るためには、
行政が関係するみなさまをサポートし、
現場が抱えている課題を、一つ一つ丁寧に取り除いていくべきだと考えます。

いさ進一は今後も、現場からの声をいただきながら、
障がい者雇用を取り巻く課題に、全力で取り組んでいきたいと決意しています。

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