いさ進一公式ブログ 衆議院議員 党国会対策副委員長 党青年委員会副委員長 党大阪府本部副代表 衆議院小選挙区大阪第6総支部長

シリーズ 平和安全法制② 「合憲か違憲か?」(専門レベル:中)

2015.06.17

 憲法審査会において、参考人として来て頂いた憲法学者3人が3人とも、「今回の法案は違憲だ!」との意見を表明されました。野党が呼んだ二人が「違憲」を表明するならまだしも、与党(といっても自民党ですが)が呼んだ先生まで「違憲」と判断したと、大きなニュースになりました。それ以来、憲法学者の何人が反対だとか、何人が賛成だとか、国会でも「賛成の人の名前をいっぱいあげよ」とか、こんな変な議論がなされています。はたして、この法案は「違憲」なんでしょうか?

 結論から申し上げると、自衛隊ができることを、「合憲」の範囲で区切ったのが、今回の法案だ、ということです。つまり、「合憲」です。

 現在の憲法9条を維持したうえで、どこまでできるかを議論した結果が、昨年7月1日の閣議決定でした。逆に、自衛隊が、閣議決定を超える動きをすれば、それは「違憲」です。そのギリギリのラインを示した閣議決定を、具体的な形にしたのが、今回の法案です。難しい言葉で言えば、閣議決定、あるいは今回の法案では、「自衛の限界」がどこまでかを議論しました。

 昨年5月、安倍総理の私的諮問機関である、安保法制懇から示された最初の案は、「合憲」の範囲を超え、われわれ公明党からみて容認できないものでした。そこで、その最初の案も参考にしつつ、どこまでが専守防衛の範囲なのか、「自衛の限界」なのかを、徹底的に議論しました。どこから「合憲」を超えてしまうかをみんなで確認しながら、その超えた部分を落としていったんです。その中で、結論として、典型的な「集団的自衛権」は「違憲」だから認められない、となりました。そして、「違憲」部分をそぎ落としていく中で、一部だけ、海外の人から見れば(国際法上は)、「集団的自衛権が根拠となる場合がある」(閣議決定 平成26年7月1日)部分が残りました。これが、今回認められた「集団的自衛権」です。つまり今回の法案では、国際法上の、典型的な「集団的自衛権」は認められず、認められたのは、きわめて限られた条件のもとでの、一部の「集団的自衛権」と言えるでしょう。

 しかし、こうした「限界」を探るギリギリを探る議論は、逆に言えば、ギリギリの議論であるがゆえに、しっかりと説明し、理解して頂かないと、「違憲」として誤解される宿命を背負っています。

 それでは、どこが誤解されやすいのか。そこは、今回の議論の根幹にかかわる事であり、専門的でもありますので、またあらためて、しっかり書きたいと思います。ただ、一つはっきりと申し上げたいのは、「違憲だ!」と言う憲法学者の方々から、なぜ「違憲」なのかという論理的説明が、全くなされていないということです。

 憲法学者の方が「違憲だ」とおっしゃった「憲法審査会」での議論、あるいはおとといの日本記者クラブでの彼らの記者会見も読みました。そこには、(政府は)「踏み越えてしまった」とか、「典型的な違憲行為」との言葉が出てはきます。しかし、なぜ「踏み越え」ているのか、なぜ「違憲か」という説明は、示されていません。あるとすれば、「集団的自衛権」を、公明党も「違憲」として容認しなかった、典型的な「集団的自衛権」にすり替えて、「違憲だ」と述べているにすぎません。あるいは、歯止めが十分でないから、「違憲」と述べているところもあります。しかしこれも、そもそも歯止めをかけて守るべきルールが、「合憲」か「違憲」かの議論なのに、そこを説明せずに「歯止めがあいまいだから」というのは、論点のすり替えだと思います。私自身、今回の法案を「違憲」とする方々の、明確な論拠は、どこにも見出すことはできませんでした

 よく言われることですが、憲法学者の方々には、自衛隊さえ「違憲」という方々が少なくありません。たしかに、憲法9条だけをみると、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と書いています。これだと、一見、自衛隊は「違憲」と判断されるところです。ところが、「砂川判決」でも見られるように、「自衛の措置」は憲法で認められるというのが、最高裁判所の判断です。政府も、最高裁も、われわれ国会(一部の党を除いて)も、自衛隊は「合憲」との前提のもとで、議論をしてきています。ところが、憲法学者は、そうでない場合が多いんです。

 山口公明党代表が、以前、こんな趣旨のことをおっしゃいました。

 「学生時代、憲法学者の先生の講義に、現実とのギャップを感じた。ところが、その先生が、最高裁の判事となることが決まった。大学での最後の授業で、その先生はこう言った。『われわれ憲法学者の理想と、現実は違うものだ。次の仕事では、柔軟な対応が必要だ』と。

 その後、その先生は最高裁判事として、これまでの自説を曲げて、より現実に即した仕事をされた。」

 このお話は、研究者として憲法に向き合うのと、憲法を実際に現実社会で活かしていくのと違いを、わかりやすく示していると思います。

 ただ、だからといって、「憲法学者」の意見は、無視してよいとは思いません。憲法の専門家である方々から、9条の部分に限らず、様々な意見を伺い、それを政策に役立たせていくのが我々の仕事です。

 さらに言えば、ある野党の議員がテレビの前で、「学者が200名も反対している!反対が増え続けている!」とおっしゃっておられました。しかし、私の見る限り、全員が憲法の専門家とは思えませんでした。その名簿をみると、体育大学の先生、医科大学の先生などもいらっしゃいます。それを、憲法学者がこぞって反対しているような見せ方をして、それをメディアが報道するのは、国民に大きな誤解を与えると思います。

 以上、合憲か、違憲か、私の考えを述べさせていただきました。今後も、発信を続けていきたいと思います。

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