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190-衆-本会議-18号 平成28年03月22日

議長(大島理森君)

伊佐進一君。

〔伊佐進一君登壇〕

伊佐進一君

公明党の伊佐進一です。

ただいま議題となりました児童扶養手当改正法案につきまして、公明党を代表して質問をいたします。(拍手)

一人親家庭の子供の相対的貧困率は五四・六%、二人に一人が貧困という状況に対して、我々は、党派を超えて、政策を総動員させていく必要があります。一人親家庭の皆様のお声に、真摯に、責任を持って向き合っていくべきであり、財源の確保も含め、地に足のついた質疑を行ってまいります。

一人親家庭への支援については、さまざまな角度からの多面的な取り組みが必要です。

政府は、昨年十二月、ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクトを取りまとめました。

今回の法改正は、こうした多面的な取り組みのうちの一つであり、長らく据え置かれてきた多子加算額について、その増額を求める全国の声を実現するものです。第二子については実に三十六年ぶり、第三子以降については二十二年ぶりの加算となり、一人親家庭の経済的負担を減らすことを目的としております。

まず冒頭、今回の法改正の趣旨と狙いについて伺います。

二〇一〇年、民主党政権下においても同法の改正がなされ、児童扶養手当は、母子家庭だけでなく、父子家庭もその給付対象に加えられました。

その法案審議の際、公明党より対案を提示しました。DVや児童虐待によって子供を連れて離婚係争中の家庭、あるいは、一人親も不在となり、公的年金を受給する祖父母のもとで育てられる家庭、こうした家庭へも児童扶養手当の給付を拡大すべきとの対案を提出いたしました。

ところが、民主党政権下での当時の法改正では、どれも採用されることはありませんでした。公明党のこうした提案の多くは附帯決議に盛り込まれ、引き続きの検討事項とされました。

厚生労働大臣に伺います。

受給対象の拡大に関するこれら公明党の提言は、その後、同法制度に反映されることとなったのかどうか、答弁を願います。

児童扶養手当の支給対象については、現在、十八歳に達する日以降の年度末までとなっております。大学に進学される子供たちへの支援として、一律に対象年齢を引き上げて対応することは、進学せずに就職する子供たちとの公平性の観点についても十分に考慮する必要があります。

一人親家庭の皆さんへの支援は、あらゆる政策を総動員していかなければなりません。大学進学への支援として、奨学金の充実は重要な取り組みの一つです。

あるお母さんからは、やっと我が子が就職したが、最初から奨学金という何百万円もの借金を背負わせるのは余りにかわいそうだとの声をいただきました。

厳しい経済状況にあっても若者が希望を持って未来に踏み出せるため、返済の必要のない給付型の奨学金制度の創設も含めて、奨学金のさらなる充実を図るべきだと思いますが、文科大臣の答弁を求めます。

あるお母さんからは、こうした声も伺いました。子供が就職し、無事ひとり立ちしました。今までがむしゃらに頑張ってきた分、どっと疲れが出た。そのときには自分を支える預金もないし、年金も掛けていない。頑張ってきたのに、結局は生活保護になる場合が多いんですと。

母子世帯の四七・四%はパート、アルバイトであり、平均年間収入は百二十五万円。一人親家庭の皆様に対する就労支援や教育訓練を通じて、非正規の正規化などに取り組んでいくことは非常に重要です。

政府はこれまでも、キャリアアップのための訓練期間中、生活費を支援する給付や、あるいは訓練費用への補助等を行ってきました。しかし、こうした就労支援の制度は、必ずしも広く活用されてきませんでした。

いま一度、制度の周知を図るとともに、使い勝手の改善を行うべきだと考えますが、厚生労働大臣の答弁を求めます。

一人親の皆さんは、子育てだけでなく、仕事も、また生活も、一人で担わねばならない場合が多く、さまざまな困難を抱えておられます。

例えば、仕事上の理由で帰宅時間が遅くなる際、保育所に子供を迎えに行ってほしい、あるいは短時間だけ見ていてほしいという声があります。あるいは、病気や冠婚葬祭などにより、少しだけ誰かに家事を手伝ってほしいという声もあります。

こうした状況に対応するため、政府は、一人親家庭の日常生活をサポートする取り組みをより充実させていく必要があると思います。見解を伺います。

一人親家庭の皆さんにとって、子供を預ける保育所が確保されるかどうかは、何よりも深刻な死活問題です。保育の受け皿の整備は、自公政権においても最優先課題であり、また党派を超えて取り組むべき課題の一つです。公明党においては、待機児童対策推進PTを立ち上げて、現在、精力的に検討を進めております。

しかし、我々が看過できないのは、軽減税率実施のために子育て支援が充実されないという野党の筋違いの議論です。そもそも、軽減税率は、消費税導入に伴う負担軽減のため、その選択肢の一つとして三党で合意したものです。批判があれば、なぜ民主党政権であった当時にそれを言わなかったのでしょうか。

一人親家庭の皆さんの多くは、限られた収入の中で精いっぱい頑張っておられます。その多くの家庭は、家計の中で食費の占める割合が多いでしょう。だからこそ、一人親家庭の皆さんにとっても、軽減税率は重要な施策の一つだとはっきりと申し上げたいと思います。

負担軽減に取り組んだからといって、子育て支援軽視だとの批判は、私は理解できません。政治は結果責任であるとすれば、他の施策の充実を批判するのは筋違いであり、子育て支援がどれほど進んでいくかという結果を、我々は責任を持って示してまいりたいと思っております。

最後に、改めて伺います。

政府は、財源の確保をしっかりと図りながら、五十万人分の保育の受け皿を必ず確保する、その結果を出すという決意は揺るぎないものであることを御答弁願います。

公明党は、これからも、一人親家庭の皆様初め、現場で困難に直面し、悩み、苦しんでいる方々に寄り添い、声をいただきながら、政権与党として、地に足のついた責任ある政治を行ってまいる決意を申し上げて、私の質問を終わります。

ありがとうございました。(拍手)

〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕

国務大臣(塩崎恭久君)

伊佐進一議員にお答えを申し上げます。

まず、今回の児童扶養手当法改正の趣旨と狙いについてのお尋ねがございました。

一人親家庭は、子育てと生計の維持を一人で担い、さまざまな困難を抱えている方が多く、また、子供が二人以上の場合は生活に必要な経費も増加をするため、特にきめ細かな支援が必要でございます。

このため、特に経済的に厳しい一人親家庭を支援するため、児童扶養手当の多子加算額について、限られた財源の中で最大限の拡充を図り、最大で倍増することといたしました。

平成二十二年の児童扶養手当法改正の際に引き続き検討することとされました事項についてのお尋ねがございました。

配偶者からの暴力により離婚係争中の御家庭については、裁判所の保護命令が発令された場合には、直ちに児童扶養手当の支給対象とするよう平成二十四年に政令改正をいたしました。

また、公的年金を受給する祖父母のもとで児童が育てられる御家庭については、公的年金の額が児童扶養手当の額を下回る場合には、その差額分の児童扶養手当を支給できるよう、平成二十六年に法改正を行いました。

このように、支給対象の拡大に関する公明党の御提案については、現在の児童扶養手当制度に既に反映をされております。

一人親家庭への就労支援についてのお尋ねがございました。

一人親家庭の自立の促進を図るため、支援を必要とする一人親に行政の支援が確実につながるよう、就労支援策を含めた支援策について、わかりやすいパンフレットを作成して周知するとともに、自治体の相談窓口のワンストップ化を推進することとしております。また、就職に有利な資格の取得を促進するための給付金の充実や貸付事業の創設、教育訓練を受けた場合に支給される給付金の額の引き上げなどの制度の改善も行うこととしております。

このような取り組みを通じて、一人親家庭の自立を全力で支援してまいります。

一人親家庭に対する日常生活の支援についてのお尋ねがございました。

一人親家庭は、子育てと生計の維持を一人で担うことから、安心して子育てをしながら働くことができる環境を整備することが必要でございます。

このため、一人親家庭にヘルパーを派遣して行う家事援助などの現行の支援策について、病気や冠婚葬祭等の一時的な利用の場合だけでなく、未就学児のいる家庭が、就業上の理由で帰宅時間が遅くなるような場合などに定期的に利用することができるよう、利用の機会を拡大し、支援の充実を図ることとしております。

保育の受け皿確保についてのお尋ねがございました。

安倍政権は、発足以来、女性の活躍を政権を挙げて推進し、平成二十五年四月に待機児童解消加速化プランを打ち出し、保育の受け皿拡大のペースは、同プランのもとで、それ以前の約二倍になっております。

今後さらに女性の就業が進んでいくことを念頭に、昨年末の緊急対策においては、保育サービスの整備量を四十万人から五十万人分へと上積みすることといたしました。

小規模保育、多様な働き方に対応した約五万人分の企業主導型保育の整備など、保育の受け皿の確保を必ず実現するよう全力で取り組んでまいります。

以上でございます。(拍手)

〔国務大臣馳浩君登壇〕

国務大臣(馳浩君)

伊佐議員から、給付型奨学金についてお尋ねがありました。

意欲と能力のある学生等が経済的理由により進学等を断念することがないよう、安心して学ぶことができる環境を整備することは大変重要であると認識しております。

このため、日本学生支援機構が実施する奨学金貸与事業においては、有利子から無利子への流れを加速するため、無利子奨学金の貸与人員を増員することとしております。

また、奨学金の返還月額が卒業後の所得に連動する、より柔軟な所得連動返還型奨学金制度の制度設計を進めております。

基本的には、こうした制度を着実に運用していくことで、学生等の経済的負担の軽減を図ってまいります。

その上で、給付型奨学金については、財源の確保や対象者の選定、給付のあり方など、導入に向けてはさらに検討が重要と考えております。(拍手)

議長(大島理森君)

これにて質疑は終了いたしました。

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