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190-衆-厚生労働委員会-6号 平成28年03月16日

渡辺委員長

次に、伊佐進一君。

伊佐委員

公明党の伊佐進一です。

昨日に引き続きまして質疑の機会をいただきましたこと、御礼申し上げたいと思います。

今回の雇用保険法の改正についてですが、今回の法案の中には、育児と仕事の両立、また介護と仕事の両立、さまざまな措置が含まれております。その話をするときに、どうしてもやはり待機児童の問題に触れざるを得ないというふうに思っております。

保育園落ちたという匿名のブログがございました。ただ、匿名ではありますが、その後ろにある多くの方々の声、同じような立場で、また悔しさがあったり腹立たしさがあったりという中で、それを我々、しっかりと真摯に受けとめて取り組んでいくべきだというふうに思っております。

大臣も署名を受けられて、これはもう党派を超えて取り組むべき課題だというふうに思っておりまして、昨日、我が党でも、待機児童対策推進PTというものを立ち上げて、第一回目の会合を開かせていただきました。

ところが、この議論の中で、私、非常に違和感があるのは何かというと、軽減税率か子育て支援かという議論がなされている点でございます。

保育の受け皿をつくっていこうという話、これはもともと、待機児童と今言われておるのは二万三千人というふうに言われておりますが、潜在的な待機児童の皆さん、たくさん恐らくいらっしゃるだろうということで、まず四十万人の保育の受け皿をしっかりと確保しよう、当初こういう計画で、こういう意義も含めて、子ども・子育て支援のための一兆円の計画を考えていた。現時点で七千億円は措置するということになって、さあ、では、残り三千億円をどうするかという話になったわけですが、ここで、果たして低所得者対策が大事なのか、あるいは、残り三千億円、子育て支援が大事なのか、どっちをとるんだ、こんな変な議論に今なっているわけです。

冒頭、私は、まず政府の決意を伺いたいんですが、四十万人分の保育の受け皿、この当初の予定がありました、ところが、現場でさまざまな声があって、切実なママあるいはパパの声があって、この声を受けて、受け皿の確保、これを加速化しようという決意をされたわけです。そしてまた、拡大しよう、四十万人からさらに十万人分上乗せして、五十万人分の受け皿まで拡大しようというふうに、この自公政権で方向性を定めていった。

この措置できていない三千億円の財源について、これは主に保育の質の部分に当たるわけでございますが、保育園をふやして、受け皿をしっかりとふやして運営していくという量の部分ではないわけですが、もちろん、質の部分というのは当然大事です。三千億円、我々も、与党としても責任を持ってしっかりと努力していかなければいけないというふうに思っておりますし、とりわけ、この三千億円の中でも、保育園をふやす、受け皿をふやすということに少しでもつながるような部分があれば、そこは特に優先的に予算を確保すべきだというふうに思っております。

その上で、主に質の向上分である不足分三千億円というのが今現在確保できていないわけですが、確保できていないからといって、五十万人分の保育の受け皿を新たにつくっていこう、この決意が当然揺らぐこともないし、また計画が後退することもないんだというこの思いをまず伺いたいと思います。

高鳥副大臣

伊佐委員にお答えをいたします。

平成二十八年度予算案におきまして、消費税率が据え置かれる中で、厳しい財政状況にもかかわらず、〇・七兆円ベースの必要額をしっかりと確保したところでございます。

保育の受け皿につきましては、子ども・子育て支援新制度に基づく市町村の積極的な取り組みによりまして、平成二十九年度末までの整備量は約四十五・六万人分に達する見込みであることに加えまして、事業主拠出金制度を見直して、そして企業主導型保育事業により最大五万人程度の受け皿の拡大に取り組み、五十万人の受け皿を確保することといたしております。

政府といたしましては、平成二十七年度補正予算や平成二十八年度予算案による施設整備補助や保育人材の確保対策など、あらゆる手段を駆使して、待機児童解消に向けて、五十万人に上積みした平成二十九年度末までの整備目標を確実に達成してまいりたいと考えております。

伊佐委員

あらゆる手段を講じて五十万人分しっかり確保するんだという強い決意、子ども・子育てを担当していただいております内閣府の高鳥副大臣よりお話をいただきました。

私がぜひ御理解いただきたいというふうに思っている点は、子育て支援というものにはいろいろなニーズがあると思っております。当然、保育園をふやす、受け皿をふやすということも大事です。それ以外にもさまざまなニーズがあって、いろいろな声があって、当然これにもしっかりと政府は対応していただかなければいけないというふうに思っております。

そこで、今回、新三本の矢と言われる中で、このさまざまなニーズ、子ども・子育て支援に対して、新たに幾らの予算を計上したのか。つまり、もともと考えていた一兆円のうち、この七千億円分やりますよという話以外に、別建てでどういうような予算を用意しているのかという点についてお答えいただければと思います。

大島政府参考人

第二の矢、夢を紡ぐ子育て支援の関連の予算としまして、国と地方を合わせた公費ベースでございますが、平成二十七年度補正予算で、整備費など三千三百七十億円、それから平成二十八年度予算案におきまして三千六百四十億円の増額、合わせて七千億円の拡充でございます。

伊佐委員

この七千億円という予算、これはよく、誤解を受けるといけないので申し上げると、一兆円の中の七千億円とさらに別で、今回七千億円を子ども・子育てのためにしっかりと措置していくんだというお話でした。当然、この別建ての七千億円の中にも、さらに加速化しようという加速化プランの予算もあれば、保育士の確保についての予算もある、また、先ほど言及された企業主導型の保育の拡大など、さまざまな予算も入っているわけです。

これは、当然、保育の受け皿をふやすというときに、箱だけじゃだめだ、保育士もふやさないといけない、こういうふうに野党の皆さん御指摘されるわけです。それはもっともな御指摘だというふうに思っております。

そこで伺いたいのは、今厚労省は、保育の人材が今九万人分足らないというふうに言われておりますが、これに対して人材確保という観点でどのような取り組みを行おうとしているのか、伺いたいと思います。

三ッ林大臣政務官

伊佐委員にお答えします。

御承知のとおり、四十万人分から五十万人分へと拡充する保育の受け皿拡大を確実なものとするため、追加で必要となる九万人の保育人材の確保に向けて、就業促進や離職の防止など、総合的対策で万全を期してまいります。

保育の現場で働いている方々の処遇改善については、平成二十七年度の当初予算において、消費税財源を活用した三%相当の処遇改善を行っているところであります。今後とも、財源を確保しながら、さらなる処遇の向上に取り組んでまいりたいと考えております。

また、平成二十七年度補正予算や平成二十八年度当初予算案において、保育士を目指す学生に、卒業後、保育士として五年間の勤務で返済を免除する奨学金制度の拡充、一旦仕事を離れた人が再び仕事につく場合に、保育士として二年間の勤務で返済を免除する再就職準備金の創設、そして、保育現場の厳しい勤務環境の改善のため、保育補助者の雇い上げ支援や、ICTの活用による業務の効率化などの対策により、就業促進や離職防止に取り組むこととしております。

必要となる保育人材の確保に向けて、これらの取り組みを着実に推進してまいりたいと考えております。

伊佐委員

こうした保育の人材の確保というものも含めて、さまざま、着実に前に進めていくんだというお話でした。

当然、よく言われる話ですが、政治は結果だというふうに言われております。総理も、参議院の予算委員会の中でおっしゃっていたのは、待機児童ゼロを必ず実現していくというふうに、明確に、結果として発言をされておられます。

そういう政府に対して我々も全力でバックアップをしてまいりたいというふうに思っておるわけですが、先ほど申し上げたように、我々が看過できないのは何かというと、子育て支援を充実するべきなのに軽減税率が横やりで割って入ってきたんだ、それで子育て支援が充実されないんだ、こういうような主張をされていらっしゃって、これは非常に看過できないと思っております。

そもそも、消費税を導入するという段階で、逆進性の問題がある、つまり、低所得者の皆さんの負担が重いので、これを何とかしなきゃいけない。三党で話し合って、低所得者対策として軽減税率も選択肢として合意をしたわけです。今さらそういうことをおっしゃるのであれば、では、なぜそのときに言わなかったのか。しかも、当時民主党政権でした。

この委員会でも発言があったのは、軽減税率は金持ち優遇だというふうに、累次発言が野党からございました。軽減される額というのを比べたら、お金持ちの方がたくさん軽減される、こういう話だったんですが、でも、これは変な話で、そもそもお金持ちの方がお金をたくさん使うので、消費税をたくさん払うわけです。消費税をたくさん払うのはお金持ちなんです。消費税をたくさん払うお金持ちの方が消費税の負担が大きいということになってしまうわけです。そうすると、逆進性の議論にならないんです。

そうじゃなくて、低所得者の方が、金額じゃなくて、生活費に占める税の負担が大きくなる、だからその負担感をどうするかというのが大事だ、そもそもこういう話だったはずなんです。金額だけ比べれば、では低所得者対策なんて必要がなくなってしまう、こういう変な、議論の逆転になってしまう。

財金委員会じゃありませんのでこれ以上議論はしませんが、ともかく、我々が見過ごせないのは、そもそも合意しているはずの低所得者対策をもって自公政権は子育て支援を軽視していると言うのは全くおかしい主張だというふうに思っております。

限られた年金の中で何とかやりくりされている高齢者の皆さん、こういう方々のために政策を打ったからといって、では子育て軽視ということになるのか。介護政策を一生懸命やったからといって子育て軽視になるのか。私は理解できません。

改めて大臣に最後に伺いたいのは、厚生労働行政は非常に広いわけでございます。関係する世代あるいはあらゆる立場の方々のための政策を今さまざま打ち出されていらっしゃるわけですが、その優先順位、これが一位で、これが二位で、これが三位、こういうふうに決められるものじゃないと私は思っております。しかし、子育ての支援政策というのは最も優先順位の高いものの一つなんだということをはっきりと明言していただきたいと思います。

塩崎国務大臣

我々政治家は、ひとしく将来世代に責任を負っているというふうに思います。

ことしの一月のダボス会議でも、主要先進国の中で改めて感じたのは、これは総理がよくおっしゃることでありますけれども、人口問題に初めて正面から向き合って、これに挑戦するんだ、こういうふうに言っておりますけれども、改めて考えてみると、世界の中で、人口が減り、労働人口も減り、高齢化が進み、さらに少子化も同時に進んでいる、こういう国は実は先進七カ国の中でも日本だけであります。

その人口問題の、一つはもちろん高齢化でありますけれども、しかし、この四つの問題を同時に解決するために必要不可欠なのは、やはり将来の世代がちゃんと元気でこの国を担っていただけるだけの力を持ち続けてもらえるということであって、そのことを考えてみれば、私たちが今、一本目の矢は経済を再生するということでありますけれども、二本目、子育て支援、そして三本目、主に高齢者というか、介護離職ゼロと言っていますけれども、社会保障を安定化させる。最終的には、社会保障を安定化させるということが可能になるためにはどうしたらいいのかということを考えれば、やはり活力ある国になるしかない。

そのことを考えてみると、私たちは、若い人たちが元気で頑張れるという国にしていかない限りはうまくいかないわけでありますので、どれが順番として優先順位が高いのかということよりも、今本当に大事なことは、少子化対策、待機児童ゼロを含めて、未来への投資というか、子供たちの育ちをしっかりと支えていくということが、中長期的にも日本がこれからまた安定した国として、みんな活力ある、そして納得のいく人生を送ることができる国にもう一回なるためには、やはりここで少子化対策をきっちりとやっていくということが大事であって、そういう意味では、私どもとしては、今大変保育園が少ないということで困っていらっしゃる方々がたくさんおられるわけであって、それは私たちはしっかりと寄り添いながら、どういうふうにしていくのが一番早く、そしてよく解決の道を探し得るのかということをやっていかなきゃならないと思います。

もう既に三年間、これまでにないペースで保育の定員はふえてきているわけでありますが、新しい制度が去年の四月からスタートしたということもあって、申込者が予想以上にふえているということで待機児童が少しふえていますけれども、いずれにしても、これまでの三年間の上に、さらにこれからしっかりと、待機児童ゼロに向けて、この解消を加速化して、そして、皆さん方に安心して未来を担ってもらう子供さんたちをしっかりと育ててもらう、このようにやっていかなきゃいけないと思います。

やれ三千億が先か六千億が先か、そんな問題では全くなくて、やるべきことはしっかりとやっていくということが我々責任ある政権としてのやるべき道ではないかというふうに思います。

伊佐委員

やるべきことをしっかりやると。

まさしく日本は世界の中でも未曽有の挑戦を今たたきつけられているという状況の中で、いかにこの未来への投資をしっかりと充実させていくか。これは予算委員会でも私も総理に質問させていただいたときに、総理もはっきりとおっしゃっていただきました。この未来への投資を拡充するんだ、安倍政権は拡充するんだという言葉をおっしゃっていただきました。しっかり我々与党としても気を引き締めて、結果を出してまいりたいというふうに思っております。

それでは、次の質問に移らせていただきます。

今回の、有期雇用の育休取得について質問させていただきます。

現在の状況ですが、パートあるいは派遣という方々が育休後に仕事を継続できたのはわずか四%だという数字、正社員の皆さんが育休をとった後、仕事に復帰できたのが四三%なので、大体十分の一だというふうに言われております。

もちろん、パートあるいは派遣の皆さんと正社員、いろいろな条件の違いが当然ありますので、雇用条件の違いがあるでしょうが、果たしてこの十倍の差というものが合理的に説明ができるのかどうかという問題じゃないかと思います。私はそこはやはり難しいと思っております。

今回の法改正は、こうした状況を変えよう、条件を緩和しようと。ただ、条件を具体的に、ではこの条件がこうなりますよということになったとしても、なかなか国民の皆さんに届かないかもしれませんので、少し具体的なお話をしたいと思うんですが、こういう場合はどうなるかというところでお答えいただきたいと思います。

例えば、派遣社員の方がいらっしゃいました。この方は六カ月単位で契約を更新されている。その契約の更新は、その都度判断しましょうというような契約事項になっております。だから、そのときにならなきゃわからないんだけれども、その都度判断しましょうと。二年間働かれたところで、三年目に入った、そこで子供を授かった。派遣元に育休をとらせてほしいというふうに伝えたところ、前例がないからだめだというふうに言われた。では産休はとってもいいけれども、産休が終わったらやめてねというふうに言われた。

こういうケース、こういう場合は、現行法上ではどういう取り扱いになって、そして、今回の法改正ではどういう取り扱いになるかについて説明願います。

香取政府参考人

ただいま先生が御指摘になったケースでございますが、まず、現行制度、現行の育児休業の取得要件は、申し出時点で一年以上継続して雇用されていること、二つ目は、子が一歳に到達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれること、三つ目が、二歳までの間に更新されないことが明らかである者を除くこと、こうなっています。

今の御指摘のケースですと、一年以上雇用継続はありますが、一歳に到達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれるというところで、契約期間が六カ月ということになりますので、一歳の時点では引き続き雇用されることは明らかではないということになりますので、現行制度ですと、今のような取り扱いを事業主さんがされても、それは法律には違反しないということになります。

他方、新しい制度にしますと、今度は、一歳に到達する日を超えて引き続き雇用されることの見込まれることという要件を廃止しますので、簡単に言うと、確実に雇いどめをされるということが明確でない限りはとれるということになりますので、改正後の制度ですとこれは育児休業をとれることになりますので、あなたはとれません、やめてくださいと言うのは、法律に違反するということになります。

伊佐委員

こういうケースは今回の法改正で救われるという例でございました。

つまり、ポイントは、まず一年以上働いているという点と、契約の内容、契約事項に、大抵の場合は、契約更新はその都度判断という言葉が入っている場合が多いですが、これがあれば実は救われるという状況じゃないかと思っております。

ちなみに、今のケースはマタハラには該当するんでしょうか。

香取政府参考人

今のケースは、育児休業を申し出たことを理由に雇いどめないしは解雇の意思表示をしているということになりますので、これは明確に不利益取り扱い禁止に触れますので、いわゆるマタハラ規定にひっかかるということになります。

伊佐委員

つまり、育児休業もとれる可能性が非常に高くなるし、そもそもこれはマタハラにも当たるということでした。

では、ちょっともう一つ、今と全く同じ条件です。六カ月で更新する、契約更新はその都度判断、二年間働いている。このときに、さっきは前例がないからだめですという言われ方をしたんですが、今度は、育休から復帰するとき景気がどうなっているかわかりませんね、その状況によっては雇用がそもそも継続できるかわからないので、だからとれないですよというふうに言われた。

では、こういう場合はいかがでしょうか。

香取政府参考人

御答弁申し上げます。

今のケースも先ほどと同じことでございまして、育休明けのときに、一歳六カ月の一歳の段階のときに、もう契約をしないということがあらかじめ明らかでない場合ということになります。

現行制度ですと、契約が更新されることが見込まれていないとだめだということになりますので、今のケースは育休を与えなくても法律には違反しませんが、改正後は、継続しているかどうかわからないということは、確実にあなたはもうやめていただきますということがあらかじめ明らかでないということになりますので、改正後の制度ですと、育児休業は取得できるということになります。

まさに今言ったようなケースが、制度改正前と後とで取り扱いが変わる一つの例ということになります。

伊佐委員

そうなんです。

つまり、今回の法改正の大きなことは、さっきは前例がないからだめと言われた、今回は、景気がどうなっているかわからないから、そもそもそのときに雇用しているかどうかわかりませんと、いろいろな言われ方がありますが、実は、会社からどういう言われ方をするかというのは余り関係ない。大事なことは、一年以上これまで働いてきたかどうかという点と、あるいは、契約の内容で、例えば契約更新は二回までですと決まっている場合はまた別なんですが、そうじゃない限りは、その都度やりましょうというような状況になっている場合は、今回はこの法改正によって多くの方々が育児休業取得が可能になるという点を具体的に説明いただきました。

今回の、有期の皆さんに対する育児休業の取得についてですが、私は同様に、企業側に対しても、企業側の負担というものともしっかりとバランスはとっていかなければいけないんだろうなというふうに思っております。

先ほど堀内委員もこの件について、中小企業の支援という形で言及されておりましたが、企業の規模、サイズが小さいほど、育休であったり、あるいはさまざまな、短時間勤務であったり、あるいは残業の免除であったり、こういう適用が少ないというデータがあります。

有期の皆さんが育休をとれるかどうかについて、アンケート、実際の調査をしたところ、三百人以上の企業だったら五一・六%の取得率、半分を超えていた。ところが、百人以下の企業だと一四・八%、大体三分の一以下ぐらいになるわけです。

なぜなかなか難しくなるかというと、企業の皆さんがおっしゃっているのは、休業中に代替要員の確保というのが難しいというお答えであったりとか、あるいは復帰したときの仕事の確保が難しいというような話。中小企業の皆さんには中小企業の皆さんの事情があるわけです。

そこで、お伺いしたいのは、育児と仕事の両立、介護と仕事の両立も含めて、中小企業あるいは零細企業の皆さんの負担を考慮した上で、何らかの配慮、支援が必要じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

〔委員長退席、小松委員長代理着席〕

香取政府参考人

御答弁申し上げます。

御指摘の点は、今回の法律改正の審議をいたしました労働政策審議会でも、使用者側から、今回は非常に大幅の制度改正を行う、特に介護休業については大幅な制度改正をするということで、企業側の負担が問題になります、特に中小企業はなかなかついていけないので、その点は配慮してくださいということでかなり議論がありましたが、最終的には、大きな、国全体の政策の方向、あるいは少子化対策や仕事の継続、両立支援の観点から、使側も合意いただいて今回の制度になったということでございます。

そういった経緯も踏まえまして、やはり中小企業において円滑に実施していただけるような手だては講じなければならないと考えております。

一つは、改正内容をきちんと周知徹底して御理解をいただく、これはまずやらなければいけないということで、二十八年度予算で、社内研修を実施したり、あるいは介護休業についてさまざまな周知徹底を図るという取り組みをしていただいた場合に助成措置を講じるということを一つ用意してございます。

それから二つ目は、特に男性の休業取得がなかなか進みませんので、これについては別途企業に対する助成措置を講ずるということを考えております。

さらに、中小企業につきましては、特に中小企業に対する取り組みの支援ということで、育児休業取得の場合の代替要員でありますとか、あるいはその後の職場復帰に関する支援、これは育児休業の場合も介護休業もそうですが、こういった支援などの取り組みをして、実際に労働者が休業を取得した場合について一定の条件で助成措置を講ずるといったような措置も講ずることで、特に中小企業にはちょっときめの細かい助成措置を用意するということで考えてございます。

やはり中小企業で働いている方々がきちんととれるということになりませんと、かなり多くの方々、労働者の方の多くの方々は中小企業にお勤めですので、ここについてはぜひきちんと円滑にできますように、事業主の努力も促するということもあわせて、さまざまな助成措置を講じてまいりたいと思っております。

伊佐委員

中小企業の皆さんへの支援も、今回これに合わせてしっかりと拡大していくというお答えをいただきました。

今回、さまざまな制度に新たに取り組んでいくわけですが、さまざま充実をしていくわけですが、果たして現在それらが、では、今ある制度はどれぐらい利用されているのかという話です。先ほど長尾委員の方からの質問でも、そもそも我々がつくった法律の製造責任というのがあるんだから、しっかりと、どれぐらい使われているか、執行を見ていかなきゃいけないよというお話がありました。

アンケートをとりますと、どんな制度を利用していますか、一番多い答えは、何も利用していませんというのが一番多いわけです。次に出てくるのが、有休をとっていますよという答え。その後は、半日単位の休暇制度とか、遅刻、早退で使っていますとか、つまり、育介法などで整備されているようなものはなかなか使われていないというような状況です。

これは、せっかく充実させるわけですから、使われないならどうしようもないわけで、なぜまずそもそも使われていないのかという質問を先ほど長尾委員もされました。そもそも、利用者の皆さんは知らない場合が多いんだというお答えでしたけれども、ほかにもし何かつけ加えることがあれば。

香取政府参考人

御答弁申し上げます。

基本的には先ほど申し上げましたとおりでございまして、特に、育児休業はそうでもないんですが、介護休業はやはり、制度が十分理解がないので、お話ありましたように、利用していませんという答えの方が多い。しかも、何で利用しないんですかと聞くと、自分の会社にはそういう制度がないとお答えになったり、わからないとお答えになったりする方が多いということで、これはやはり、十分周知をされていないということがあるということもあろうかと思います。

もう一つは、これは先ほど御答弁申し上げましたが、特に介護休業の場合は、有給休暇の範囲内で対応するというケースが多い。それは、これも先ほどの長尾先生の御質問にありましたように、なかなか相談をしないということなので、自分の手元にある有休の範囲内で、つまり、そういう制度を使わないで自分で使える範囲内でということで有休を使ってしまうということがあるということでありますので、やはりこれは、周知徹底をすることと、よく事前に企業側あるいは自治体側で制度を周知して、事前に、そういう事態になる前に、さまざまな形で御相談できるようなルートをつくっておくということが、非常にこういった制度を使っていただくためには重要ではないかというふうに考えております。

伊佐委員

昨日の参考人の質疑の中でもまさしくこれが議論になったわけですが、つまり、介護というのは突然やってきて、しかもいつまで続くかわからないという中で、では、いざ介護するという段階になったときに、どういう制度があるかというのがわからないままであれば、結局、一人で全部介護を抱え込んでしまうというような状況になる。

では、どうやってこの普及啓発、事前教育という言葉もございました、事前にしっかりと知っていただくという、これをどうやってやっていくかということですが、先ほどのお答えでは、地域包括センター、まさしく介護のところと、あとは、都道府県の労働局雇用均等室と連携していくんだというようなお答えもありました。

ちょっと先ほど出てこなかった点で質問させていただきたいんですが、私が思いますのは、結局、どこどこに行けばわかりますよというのではなくて、多面的にやはり普及啓発していかなければいけないというふうに思っております。それが、そういった、地域でやるのか、あるいは教育でやっていくのか、あるいは会社でやっていくのか、いろいろなそれぞれの多面的な取り組みを連携してやっていくのが私は大事じゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

香取政府参考人

その点は御指摘のとおりでございまして、情報提供あるいは相談ということになりますと、一つは、先ほどからお話があります市町村の地域包括センターということになります。

ここは、実際の具体的なサービスにつないでいくようなマネジメントにつながるところですので、ここはもちろん重要なんですが、それ以外にも、通常の労働者が日常生活の中で何かあったときに接触する相手ということになりますと、基本的には自分の企業の人事部局ということになります。あるいは私どもの労働部局ということになりますが、そういうところが基本的には連携をして、ワンボイスで、何かあったときにどこに行っても対応できるという体制をとるということが必要ですし、例えば企業でも、自分でさまざまな制度を持っておられる企業もありますし、あるいは、そういう相談であれば市町村のどこどこの窓口に行けばよいということで、そもそも包括センターもなかなかそういうことがないと行かないところですから、そういったものを相談で提供するということも大事かというふうに思っております。

特に、企業の側でさまざまな情報提供や御相談に応じるということは非常に重要なので、私どもでは、企業における仕事と介護両立の実践マニュアルといったような、こういうマニュアルを用意しまして、各企業の人事部局の担当の方ですとかそういった方に、広く研修をしたり、そういったものを御提供して、実際の企業内部での研修やいろいろな情報提供に活用していただくということができるようにというようなことも行っております。

いずれにしても、さまざまな窓口で、いろいろなところで相談ができる、身近なところでできるという体制をつくることは先生御指摘のとおりですので、そういった環境をきちんとつくって、皆さん就業継続ができるようにということで努力をしたいと思っております。

伊佐委員

ぜひ、さまざまな部署と連携して取り組んでいただきたいというふうに思っております。さまざまな制度を充実したとしても、知られていないと、使われないと意味がないという根本的なお話だと思うんです。

もう一点、これも根本的な一つの課題だと思っておりますが、そもそも、働き方改革が行われないと、結局なかなか制度が生かされないということもあろうかというふうに思っております。

どういうことかというと、今回の法改正で、例えば、短時間勤務あるいはフレックスタイム制度、これを九十三日間の介護の期間から外しましょうということになりました。また、所定外労働の免除、いわゆる残業の免除というものも設定された。育児も同じわけですが、三歳までの時短というのがまず基本であって、フレックス制度、さまざまな措置というのがなされているわけですが、これはどれも、そもそも残業を前提としている職場であれば成り立たないわけです。

長時間勤務というのが是正されないままで、幾らいろいろな制度を詰め込んだとしても、結局、それは絵に描いた餅になりかねないということだと私は理解をしておりまして、仕事と介護の両立支援、当然、育児と仕事の両立支援、このどちらにおいても、残業を前提とした働き方を変える必要がある。

働き方改革について、政府の取り組み、御答弁いただければと思います。

三ッ林大臣政務官

お答えいたします。

御指摘のとおり、仕事と育児や介護の両立を図るためには、長時間労働の是正など、働き方改革が重要と考えております。

このため、厚生労働大臣を本部長とする長時間労働削減推進本部を立ち上げ、働き過ぎを防止するため、長時間残業に関する監督指導を徹底する、業界や地域のリーディングカンパニーのトップや経済団体等に対して、直接、長時間労働の削減や年次有給休暇の取得促進について働きかけるなど、対応を強化しているところであります。

その上で、現在提出している労働基準法改正法案では、ワーク・ライフ・バランスの観点から、働き過ぎを是正するとともに、多様で柔軟な働き方を進めるため、確実に年次有給休暇が取得できる仕組みの創設、中小企業における割り増し賃金率の引き上げ等を行うこと、そして、フレックスタイム制を拡充し、清算期間の上限を一カ月から三カ月に見直すことを盛り込んでいるところであります。

このような働き方改革を進めていくことにより、育児、介護を行いながらしっかりと働き続けられる職場環境の整備に全力で取り組んでまいりたいと考えております。

伊佐委員

ありがとうございます。

時間の都合上、これは最後の一問になるかと思いますが、地方創生との関係について伺いたいと思います。

と申しますのは、今回、今ある就職促進給付の中で、移転費と言われるものと広域求職活動費というものがあるんですが、実は、これがなかなか使われていない状況にあります。

といいますのは、例えば、UターンとかIターンとかJターンとか、こういうものをしたいということでハローワークに相談に行く、遠くの企業に就職活動をしに行く場合、この場合は交通費とか宿泊料が出ます。これが広域求職活動費と言われる制度ですが、二十六年度、支給されたのは七十三人という状況です。また、就職が決まって、では引っ越しが必要になったというときに、そうなったら、本人の移動費もそうですし、移転料もそうですし、また手当まで措置される、これが移転費と呼ばれるものですが、これが支給されたのは三百九十六人という状況です。

実は、私もこの制度を知りませんでした。今、安倍政権、自公政権で取り組んでいるのは、地方創生、若者のUターンあるいはIターン、Jターンというものをどんどん促進していこうということになっているわけですが、もしそれであるなら、ハローワークにおいてももっと積極的に、広域のいろいろな職業紹介というのをしっかりできるんですよ、やりますよというアピールをもっとしていただいた方がいいんじゃないかな。また同時に、もし広域で就職活動あるいは就職が決まったときにはこういうような制度がありますよというものも、もっと宣伝されるべきじゃないかというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

〔小松委員長代理退席、委員長着席〕

広畑政府参考人

お答え申し上げます。

ただいま委員御指摘のとおり、ハローワークは、全国五百四十四の拠点のネットワークによりまして、最寄りのハローワークで日本各地の仕事を探すことができます。また、全国から働き手を募集することができます重要なインフラと認識してございます。

地方創生では、先ほどおっしゃいましたように、特に東京一極集中の是正が課題とされているところでございます。東京、大阪の二つの大都市圏のハローワークに地方就職支援コーナーを設置し、地方への就職を希望する方に、地域の生活情報や移住相談も含めた職業紹介を実施しております。

また、その他の地域のハローワークでも、広域の職業紹介に加えまして、地元自治体と雇用対策協定を締結し、ハローワークの全国ネットワークを生かしまして、UIJターンの促進に貢献するなど、移住希望者向けの総合的な支援を行ってございます。

職業安定法におきましては、できる限り住所の変更を必要としない職業を紹介することを原則とすることとはされてはおりますけれども、御本人の希望や能力を踏まえまして、今回の雇用保険法の改正案により拡充することとしております御指摘の広域求職活動費等を積極的に周知し、活用していただくことなども含めまして、地方創生に資する広域の職業紹介を推進してまいることを考えてございます。

伊佐委員

時間になりましたので終わりますが、これは、希望する人を待つんじゃなくて、ぜひ積極的に打って出ていただきたいというふうに思っております。

ありがとうございました。

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