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190-衆-安全保障委員会-3号 平成28年03月08日

小野寺委員長代理

次に、伊佐進一君。

伊佐委員

公明党の伊佐進一です。

本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

早速質問に行かせていただきたいと思いますが、まず冒頭、質問させていただきますのは、中国との間の海空連絡メカニズムの話です。

まさしくこれは、御案内のように、いざ日中の現場で何か起こったときにはすぐに連絡がとり合えるホットラインということで、不測の事態を回避していく、意図しないような偶発的な衝突を避けるというような意味があるわけですが、これは当然、非常に重要なわけで、日中の間では二〇〇七年の首脳会談で一致をして、その後、何度かこの交渉が進められて、ある程度、骨子まで固まってきたわけです。

これが、残念ながら日中関係がこじれまして、骨子が定まった段階で、この後ずっと、長らく中断をしてきたというような状況でございました。それがようやく、二〇一五年の一月から、二年半ぶりに第四回協議というものが再開されました。私、これを非常に今心配しております。

それはどういうことかと申し上げると、協議が今この時点できちんと順調に進んでいるのかどうかということでございます。第四回協議、何を合意したかというと、協議を加速するということで合意をいたしました。第五回が開催されたのは、その半年後です。二〇一五年の六月、ここで合意されたのも同じなんです。協議を加速するということが合意された。それから今、半年以上たっています。九カ月たっています。ところが、いまだ次の第六回の会議日程すら決まっていないというような状況です。着実にこれが水面下で動いているのであればいいんですが、どうも、そういう感じも見受けられない。

我が党公明党も、山口代表が習近平国家主席と会談した折にも、あるいはそれ以外、さまざまな累次の会談でも、この重要性というものを何度も主張してまいりました。我々の公約でも、この海空連絡メカニズムを推進するということで約束させていただいております。

今、日中関係は好転の兆しが見られているわけでございますので、今こそこうした協議をしっかりと前に進めていかなきゃいけないというふうに思っています。この進捗がどうかとか、あるいは進まない理由とか、こういうものはこの場でなかなか言えないというふうに思いますが、恐らく、交渉の現場ですから、いろいろなことがあると思います。いろいろな理由もあると思います。報道でもいろいろ出ているところもありますが、しかし、日中双方の努力で、ここは何としても、この海空連絡メカニズムを着実に前に進めていただきたい。

改めて、しっかりと前に進めていくという決意を大臣からお伺いしたいと思います。

中谷国務大臣

日中の海空連絡メカニズム、これは我が国の安全保障を考えても非常に重要なことでございまして、私も、昨年の十一月四日になりますけれども、ADMMプラスの場におきまして、日中の防衛大臣会議をいたしました。この会議におきまして、日中の両大臣で、この海空連絡メカニズムの早期運用開始を初め、日中関係強化のために日中防衛交流を発展させていくことの重要性を確認いたしております。

それぞれ、日中間の担当レベルにおいても、三項目で議題がありまして、まず、定期会合の開催、ホットラインの設置、そして艦艇、航空機間での直接通信で構成をするということで、これは日中で一致をしておりまして、現在、その具体的な内容につきまして中国側と調整を続けているところでございます。

伊佐委員

その上で、もう一点確認したいことがございます。

それは、例えば米中ホットラインというのがあります。アメリカと中国との間、これは政府間では一九九八年に開通しております。ところが、これは、いざというときにうまく機能していないというふうに言われています。

例えば、一九九九年、ユーゴスラビアにある中国大使館を誤爆した際、このときにもつながらなかった。あるいは、二〇〇一年、米軍機が中国の戦闘機と接触して海南島に不時着したというような事案がございましたが、このときにも機能しなかった。軍同士のホットラインというのは、二〇〇八年、米中の間で開通していますが、そのとき、例えば、翌年の二〇〇九年には、南シナ海で米海軍の音響測定艦が進路妨害されたんですが、このときも機能しなかったというふうに言われております。

何か事が起こるたびにホットラインが遮断されてしまっている。関係が悪化するたびに遮断してしまうのであれば、本来のホットラインの目的に反するというふうに思っております。だから、日中のホットライン、今まさしく協議していただいているわけですが、危機が発生したときにシャットダウンされないように、何らかの工夫というのが必要なんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

前田政府参考人

お答えいたします。

日中防衛当局間の海空連絡メカニズム、これは先ほど大臣からも御説明がありましたが、ホットライン、あるいは艦艇、航空機間の直接通信といった仕組みを設けることによって、先生も今御指摘になったように、不測の事態を回避、防止するということを目的としたものでございます。したがって、それがきちんと運営されることは非常に大事なことだというふうに認識をしております。

今まだ協議をしている段階であるわけでありますが、このメカニズムが構築をされた場合においては専門家会合等を設けるということが一つ議題になっているわけでありますけれども、こういう場等において、連絡の実施状況等を不断に確認する、そして必要な改善を行う、こういった取り組みを日中双方が継続的に取り組んでいくことというのが非常に大事になると思います。

もう一つ、同時に、さまざまなレベルで、日中間で対話あるいは交流の促進を通じまして相互の信頼関係を高めるように努力をするということも、ベースとして非常に大事だと思っています。

さらに、現在は、CUESと申しますけれども、洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準というのが、これはボランタリーに定められた枠組みがあるんですけれども、こういった多国間の仕組みを地域に根づかせていく、こういった取り組みも有益であると考えてございます。

政府といたしましては、こうした点も踏まえながら、まずは本メカニズム、日中の間で早期運用開始に向けて鋭意調整をしていく考えでございます。

伊佐委員

さまざまおっしゃっていただきました。確かに、信頼関係を日ごろから構築しておくということは当然非常に重要なわけでございますし、いずれにしても、いざというときにしっかりと機能するというものを目指していただきたいと思います。

海空連絡メカニズムというのは、日中双方だけの話じゃなくて、まさしくこの地域の平和と安定をどうやって維持していくかという観点から見ても本当に大事なものだというふうに思っておりますので、これについては、日中双方の努力でしっかりと前に進めていただきたいというふうに思っております。

次に、北朝鮮の問題を質問させていただきますが、三月三日、安保理決議二二七〇号というものが全会一致で採択をされました。この内容というのは、これまで以上にさまざまな強い内容が入っている、北朝鮮に対する強い非難であったりとか、あるいは制裁措置というものも強力なものが並んでいるというふうに思っております。

一歩大きな前進になったわけですが、これまで、我が国は我が国で独自の制裁措置というものを科してまいりました。三月三日に採択される前、二月の十日の時点でも、我が国は対北朝鮮措置として独自の強化措置というものを発表してございます。

国際社会全体が、こうしてこの安保理決議によってかなり強まった内容になったわけですが、では、それと比べて我が国の制裁措置というのは一体どの程度なのか、我が国もしっかりやっているというふうに言えるのかどうか、お答え願います。

垂政府参考人

お答えいたします。

今般採択されました安保理決議第二二七〇号は、北朝鮮による一月の核実験及び二月の弾道ミサイル発射を安保理決議違反と認定し、強く非難するとともに、貿易、金融、人の往来、航空・海上輸送等に関する措置の大幅な追加、強化を定めており、包括的かつ強い内容のものであります。この安保理決議の履行に当たりましては、その実効性を確保するため、関係国と協力し適切に対応していく所存でございます。

また、安保理決議と単純比較することはできませんが、我が国としては、同安保理決議の採択に先立ち、二月十日、政府として、我が国独自の厳しい措置を科すことを決定しております。

これまでも、安保理決議に基づく制裁に加え、北朝鮮との輸出入全面禁止等、既に厳しい対北朝鮮措置を実施してきていたところではありますが、新たに、一、在日外国人の核・ミサイル技術者の北朝鮮を渡航先とした再入国禁止を含む、従来より対象者を拡大した人的往来の規制措置、二、北朝鮮向けの送金の原則禁止、三、人道目的の船舶を含む全ての北朝鮮籍船舶の入港及び北朝鮮に寄港した第三国籍船舶の入港の禁止、四、資産凍結の対象となる関連団体、個人の拡大といった措置を決定し、順次実施に移してきているところでございます。

伊佐委員

確かに、単純には比較できないとはいうものの、一個一個項目を見させていただくと、さっき少しだけ紹介いただきましたが、例えば物の流れ、この今回の安保理決議では鉱物資源の輸出を禁止ということですが、日本はそもそも輸出入全て禁止というような状況にしておりますし、いろいろな点においても日本はしっかりやっていると言えるものだと私も確信をしております。

こうした北朝鮮の動きに絡んで、少し気になるのは韓国の動き、韓国の国民の皆様の切迫した心境のあらわれといいますか、こういう報道が最近なされております。

具体的に言いますと、例えば核武装論というものも出ております。大手のメディアとか、あるいは与党の議員までこういう発言をしている。

韓国の聯合ニュースあるいはKBS、こういうものが実施した世論調査では、韓国独自の核兵器開発をするんだとか、あるいは在韓米軍に対する戦術核再配備、これまで在韓米軍は持っていたわけですが、それを再び配備するというような、その賛成意見が半分を超えた。五二・五%、こういう数字が出ているわけです。

こういう状況を見て、我々は何を考えなきゃいけないかというと、韓国もそうですが我が国もそうです、国民の皆さんに安心していただけるような防衛体制をいかに構築するか、ミサイル防衛の体制をいかに構築していくか、これをしっかり我々が前に進めていくことが重要だというふうに思っております。

我が国の弾道ミサイル防衛は、イージス艦から発射されるSM3で大気圏外に飛んでいるミサイルを迎撃するというようなもの、あるいは落ちてくるものについてはPAC3で対応する、多層防衛というものを行っているわけですが、今の北朝鮮のミサイルもどんどんどんどんと進歩している中で、SM3自体も日本も研究開発を今進めてさらにバージョンアップを図ろうとしている。

ノドンミサイルには今のSM3で対応できるけれども、北朝鮮が射程の長いムスダンを使って日本を狙った場合には、もしかすると、高度的に少し制限があるかもしれないというふうに言われております。

そういう意味では、このSM3のブロック2Aというものを研究開発するんだということで長らく進めてきたわけですが、これは平成十八年に開発に着手して、今、十年が経過をしております。

一体これは今どういう状況になっているのか。今の日本の置かれた状況というのを考えると、開発をしっかりと加速化させて、一刻も早く配備に移行すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

前田政府参考人

お答えいたします。

今先生が御指摘になりましたSM3の能力向上型のミサイル、SM3ブロック2Aでございますが、これは日米の共同開発をいたしてございます。大量破壊兵器あるいは弾道ミサイルが拡散する中で、国民の生命財産を守るために、BMDシステムの着実な能力向上を図っていく必要があるという認識に立って、御指摘ありましたように、平成十八年度から実施をいたしてございます。

このSM3ブロック2Aでありますが、防護範囲を拡大する、あるいは高性能化、多様化する将来の弾道ミサイルに対応できるようにする、こういうことを目的といたしましてやっているわけですが、平成二十九年ごろの開発完了を目標といたしてございます。

今年度実施をいたしました二回の地上発射試験におきましては、迎撃ミサイルの一連の動作が正常に行われたことを確認するなど、この共同開発はこれまで順調に進捗をしてきていると認識をしておりまして、現在、最終段階に入りつつあります。

我が国における配備段階への移行につきましては、これは来年度に予定されております海上での発射試験、この結果等を踏まえて決定していきたいと考えてございますが、いずれにしましても、防衛省としては、この共同開発も含めまして、引き続き、弾道ミサイルの脅威から国民の生命財産を守るべく万全を期してまいりたい、このように考えているところでございます。

伊佐委員

ありがとうございます。

中期防に書かれていますのは、このブロック2Aは生産、配備段階への移行について検討ということしか書かれておりませんでした。その中で、来年度の海上発射をもってしっかりと判断していくという回答をいただきました。ありがとうございます。

時間もなくなってまいりましたので、最後、外務大臣にお伺いしたいと思います。

クリミア情勢についての質問です。

先日、ウクライナのハルチェンコ大使とお会いいたしました。我が党の部会に来ていただきました。その中で、クリミアが併合されて、今、ちょうど二年になります。現状、一体どういう状況なのかということを、さまざまお話を伺いました。

クリミアに対する我が国の立場というのはこれまでも一貫しておりまして、力を背景とした現状変更の試みを決して看過できない、あるいはウクライナの統一性、主権及び領土の一体性を尊重するということでございます。

二年たちまして、国際社会の中では、例えば、シリアの問題、難民の問題があったりとか、今回こうした北朝鮮の問題があったりとか、どうしても、ウクライナが今どうなっているのかというところに関心がどれぐらい向いているのかというところもございます。

今、ウクライナの東部で何が起こっているかというと、二年たった今でも依然衝突が続いておりまして、大使がおっしゃっていたのは、砲撃が今でも続いている、死傷者が後を絶たないというような状況です。

ウクライナというのは非常に我が国にとっても重要な国で、彼らの経済的な潜在力というものも、欧州でも面積が二番目でもありますし、穀倉地帯でもあって、もともと、欧州のパンかごと言われるぐらい豊かなところでもあります。あるいは、チェルノブイリの事故も彼らは三十年前に経験をしておりまして、我が国とも、放射線についてのさまざまな協力というのも今進んでおります。

こうした国に対して、日本ではなかなか報道されていないんですが、海外のメディアを見ますと、例えば、東部二州から逃れた国内の避難民というのが百五十万人というふうに言われています。気温は今、零度を下回る中で、食べ物も十分じゃなくて、ワクチンもない、ポリオワクチンが不足している。ひどい状況に追い込まれてしまっています。

ウクライナ大使がおっしゃっていたのは、日本からの支援というのは非常に感謝をしている、同時に、こうした支援をしっかりと継続してほしいという思いを訴えていらっしゃいました。

本年四月にポロシェンコ大統領が訪日して安倍総理と会談する、こういう報道もあるわけですし、何よりも五月には、G7の議長国としてサミットが我が国で開催されるわけで、確かに、ウクライナあるいはロシアの関係というのはいろいろな複雑な要素もあると思いますが、ウクライナについてどういう議論を進めていくかというのは、日本のリーダーシップが問われる大事なイシューだというように思っております。

日本政府として、ウクライナの平和と安定のために今後も積極的な関与また支援を行っていくという旨、御決意をいただきたいと思います。

岸田国務大臣

ウクライナ情勢につきましては、国際社会の秩序、安定にもかかわる大変重要な問題であると認識をしております。

そして、委員御指摘のように、ウクライナ東部におきまして散発的な戦闘が続いているということ、こうした状況につきましては、我が国として憂慮しており、そして、改めて、全ての当事者によるミンスク合意の完全な履行が不可欠であると考えています。

そして、ウクライナ自身も、ミンスク合意に基づいて、広範な国内改革を実施する必要があります。我が国としても、財政支援あるいは専門家派遣等、さまざまな形でウクライナ政府の取り組みを支援してきております。我が国は、ウクライナが改革の歩みを続ける限り、今後も支援を継続する所存です。

そして、ウクライナ情勢の平和的解決に向けて積極的な役割を果たしていきたいと考えます。

伊佐委員

私、ウクライナ大使と話しておりまして感じたことは、大使は日本の置かれた立場というのを非常によく理解していただいていると思いました。

そんな中で、今、二年たっても大変な状況にあるわけで、私が感じたのは、この状況を忘れないでほしい、ぜひ関心と支援を継続してほしいというような訴えというのも私は感じさせていただきました。

先ほど、大臣から支援を継続するという言葉をいただきました。ありがとうございます。

以上で質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。

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