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190-衆-予算委員会第五分科会-1号 平成28年02月25日

秋元主査

伊佐進一君。

伊佐分科員

おはようございます。公明党の伊佐進一です。

いよいよ、休憩時間を入れて十二時間という長い長い審議が始まりまして、本当に、三役の皆さん初め、また政府側の皆さんの元気と気力のみなぎっている一番最初の時間帯をいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひ前向きな答弁を期待しておりますので、よろしくお願い申し上げます。

まず、冒頭質問させていただきますのは、がん対策、とりわけ緩和ケアというものについて質問させていただきたいと思います。

がんの患者の皆さんの体の痛みというのは、進行すればするほど、本当に激しい痛みが伴ってくるというふうに言われております。この痛みにどうやって向き合うかというこの緩和ケアですが、これは、がん対策基本法が策定されました十年前にこの緩和ケアという概念が導入されまして、その中でさまざま取り組みが進んでまいったわけでございます。

十年たって、今現状どうか。これは厚労省でも研究をされておりますが、その研究で、この緩和ケアの現状についてアンケートをとられたそうです。その結果ですが、特に比較的がん対策に対して質がいいと言われている病院ですら、三割の患者の方々が痛みがなかなかとれていないという結果が現在出ております。これは、まだまだ、緩和ケアという観点、進める余地がさまざまあるんじゃないかなというふうに思っております。

なかなか痛みがとれないというのはなぜかという要因分析も厚労省はされておりまして、例えば、一つ上がっておりますのが、緩和ケアチームであるとかあるいは医療者、この提供側がなかなか、技量が不足しているのではないかという指摘もございます。患者が痛みを訴えてもなかなかこれを医師が適切に対応できなかったりとか、あるいは対処できないというような結果になっているというような声も伺っております。

まず、こうした指摘がさまざまある中で、今後、緩和ケアの質の向上にどうやって取り組んでいくのか、厚労省に伺いたいと思います。

福島政府参考人

お答えいたします。

がん患者が質の高い生活を送るために緩和ケアが重要であるというのは御指摘のとおりでございまして、がん対策推進基本計画におきましても、がんと診断されたときからの緩和ケアの推進、これを重点的に取り組む課題と位置づけまして、その推進に取り組んできたところでございますけれども、先ほど御紹介があったように、がん診療連携拠点病院においても、なお体の痛みがあるという患者さんが三割いらっしゃるという結果になっております。

このために、昨年の十二月にがん対策加速化プランをまとめたわけでございますが、この中で、緩和ケアを推進するために、緩和ケアチームの実地研修、それから地域で緩和ケアを担う看護師等の育成、緩和ケア研修会のさらなる受講促進等を盛り込みまして、医療従事者の技能向上を図るということをしておるわけでございます。

厚生労働省といたしましては、こういう取り組みを通じて、緩和ケアをさらに推進してまいりたいと考えております。

伊佐分科員

痛み除去という観点で徹底的にメスを入れていただいて、患者の皆さんの今のさまざまな現状、苦痛からぜひ解放していただきたいというふうに思っております。

二点目、このがん対策についてですが、がん教育についてでございます。

がん教育というのは、公明党もこれまで長らくずっと主張してまいりまして、ようやく平成二十九年度からがん教育が全国で展開されるというような状況になってまいりました。

御存じのように、三人のうち一人ががんで亡くなる時代で、また二人に一人ががんになるという時代の中で、がんを教育するということは実は非常に大事なことでございまして、子供たちにがんというものを伝える、また、あわせて命の大切さというものも伝えていくということ。

子供たちにがんというものを伝えることによって、実はがんの検診の受診率向上にもつながっていくというふうに言われております。これは、子供が大人になったときに検診に行くようになるよというところももちろんあるんですが、さらに言えば、教育を受けた子供の親に対して、その親が、例えば、自分ではなかなか検診に行かないんだけれども、子供に言われたら、では行くかと。お父さん、こういうこと、お母さん、こういうことを教えてもらったよ、検診に行った方がいいんじゃないの、この声を受けて検診に行くというような方が多いというアンケートの結果もございます。そして、早期発見につながっていけば、多くの命が助かっていくということもございます。

こうしたがん教育もいろいろな、さまざまな意義があるものでございますが、今、ようやく小中高、小学校、中学校、高校生の教材であるとか、あるいはガイドラインというものも完成間近というふうに伺っております。自治体は自治体で協議体をつくって準備を進めておりまして、いよいよがん教育が始まるんだなというふうに思っております。

ただ、一点ちょっと指摘されておりますのは、医師の確保の問題です。これは、例えば、中学校で一人の医師が複数担当する、一人の医師が二つの学校を担当するというふうな仮定を置いたとしても、単純に計算しても五千人ぐらい医師が必要だということになります。どれぐらい医師が必要かというこの規模感というものもしっかりと把握しなきゃいけないというふうに思っておりますし、また、教育の現場に医師が入っていくわけですから、いろいろな研修も必要になってくるというふうに思っております。

厚労省はぜひ、医師確保という観点で、文科省とも連携していただいて、医師の研修を初めいろいろな、確保について全力で対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

福島政府参考人

先生が御指摘のように、子供のころからがんに対する正しい知識と、がん患者さんに対する正しい認識を持つことが重要なことでございまして、平成二十四年六月に策定した第二期のがん対策推進基本計画におきましても、がん教育を分野別施策として盛り込んだところでございます。

この基本計画に基づきまして、文部科学省におきまして、平成二十六年度から、がんの教育総合支援事業、これを開始しておりまして、二十七年度は、二十一地域八十六校においてがん教育を試行的に実施されておるということでございます。

昨年の十二月に策定したがん対策加速化プランにおきましても、この事業を拡充するために、学校医あるいはがんの専門医等の外部講師の確保をすることとしておりまして、私ども厚生労働省といたしましても、文部科学省と連携しまして、全国に約四百カ所指定しておりますがん診療連携拠点病院等も活用しながら、外部講師の確保に対する支援を行ってまいりたいと考えております。

伊佐分科員

ぜひ、今さまざま自治体でも取り組みが進んでおりますが、各自治体、地域に任せきりになるのではなくて、しっかり国がイニシアチブをとって、しっかりとフォローいただきたいというふうに思っております。

次は、アスベストの被害、それに対する研究開発というものについて伺いたいと思います。

私の地元は大阪でございまして、大阪の例えば泉南地域というところは、アスベストの被害に遭われた方々が非常に多いと言われております。これは、日本の石綿紡績業というのが泉南地域で一九〇七年に始まったと伺っておりますが、この工場は、全国の八〇%が大阪の泉南地域というところに集中しているというふうに言われております。

一昨年、国賠訴訟、国家賠償の訴訟がございまして、国の責任が認められたということになりました。国は責任があるということになったわけですが、このアスベストによって引き起こされるがんが中皮腫というものでございます。これは、潜伏期間は大体三十年から五十年、早期発見がなかなか難しいというふうに言われておりまして、非常に難しい難治性のがんでして、例えば、これまでの抗がん剤だったりとかあるいは放射線治療、こういうものがなかなか、効き目が薄いというふうに言われております。

これに対してどういう研究が進んでいるかといいますと、大阪の茨木市の医薬基盤・健康・栄養研究所というところで中皮腫に対する最先端の治療法が今研究されております。この治療は非常に画期的でして、遺伝子治療の一種なんですが、がん細胞の増殖を抑制する薬を投与していくと、がん細胞だけが消滅するという効果がございまして、これは今、マウスを使った実験では、安全性あるいは効果というものが一定程度評価されているというふうに伺っております。

いよいよ人に対する治験の段階に入っていくのではないかというふうに言われておりますが、先ほど冒頭申し上げたように、最高裁の裁判によって、国は責任があるというふうに判断されたわけですから、ぜひ、被害に遭われた方々の治療法をどうするか、これはまさしく希望でもありますので、これを国が全面的にバックアップしていただきたいというふうに思っております。

こうした研究所で進めている遺伝子治療、遺伝子治療というのは、今、がん治療の中でも、再生医療と並んで、新しい医療の柱だというふうに言われておりますけれども、こうした中皮腫への治療を初めとして、遺伝子治療について、ぜひ政府から強力な後押しをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

竹内副大臣

お答えいたします。

がん研究につきましては、平成二十六年三月に文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣の関係三大臣確認のもと策定したがん研究十か年戦略を踏まえて、総合的かつ計画的に推進をしているところでございます。

中皮腫の研究に関しましても、本戦略に基づいて、日本医療研究開発機構を通じて、中皮腫に対する遺伝子治療などの研究開発を支援しているほか、労災疾病臨床研究事業費補助金によりまして、アスベスト関連疾患に関する治療法の研究を進めているところであります。

昨年十二月に策定したがん対策加速化プランにおきましても、難治性がんや希少がんの研究開発に対する支援を充実することとしておりまして、今後も、中皮腫を含めて、がん患者に対する遺伝子治療などの革新的な治療開発を推進してまいりたいと決意しておるところでございます。

伊佐分科員

がん治療の研究開発でもう一問質問させていただきたいと思います。

今からちょうど五十年前になりますが、一九六六年のことですが、「ミクロの決死圏」という映画がありました。本当に小さい、ミクロサイズになった医療チームが宇宙艇みたいなものに乗って治療していくというような映画がございましたが、今まさしく、この映画の世界が現実になろうとしております。

これがドラッグデリバリーシステムというものです。ナノマシン技術とも言われますが、通常、患者の皆さんに薬を投入すると、体全体に行き渡ってしまいますので、この効果が大分薄れていく。百分の一から一万分の一というふうに言われています。当然、ほかの部位にも影響しますので、副作用もあるというような状況です。この新しい研究開発、ナノマシン、分子ロボットというふうに言われていますけれども、これは、ナノですので、ミクロよりもっと小さいわけですが、こういったものに薬を運ばせて、標的となるがん細胞のところまで運んでくれて、そこで集中して投与する、こういう技術がございます。

まさしく、体内に入っても攻撃されず、トロイの木馬というふうに言われていますけれども、ずっと奥まで入っていって、これは医療と工学の融合だというふうに言われておりますが、こうした最先端の治療法を一刻も早く患者さんのもとに届けていただきたいというふうに思っております。

その実用化に向けて、厚労省、文科省、しっかりと連携して後押しをお願いしたいと思いますが、文科省、いかがでしょうか。

生川政府参考人

文部科学省といたしましては、御指摘のとおり、次世代のがん医療の確立に向けて、ドラッグデリバリーシステムを初め、患者に優しい治療法や診断法などの研究開発を戦略的に推進し、実用化に向けた取り組みを加速していくということが非常に重要であるというふうに考えております。

文部科学省では、平成二十三年度から、次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラムという事業を実施し、がんに係る基礎研究を支援してきているところであります。

そんな中で、ドラッグデリバリーシステム技術についても、それを対象とした研究課題につきまして、平成二十六年度から四課題を採択して支援をしているところでございます。

今後も、日本医療研究開発機構や厚生労働省等と連携をしながら、患者に優しい、次世代のがん治療の実用化に向けた研究開発をしっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。

伊佐分科員

患者に優しいという言葉を言っていただきました。がん患者の皆さんは、本当にさまざま副作用で苦しんでいらっしゃる方々もたくさんいらっしゃって、患者に優しい、体も切らなくていい、こういう研究開発をぜひ力を入れて進めていただきたいというふうに思っております。

医療の研究開発について、最後にもう一点お伺いしたいと思います。

私の地元大阪、また関西は、今、医療の特区に指定をされておりまして、関係機関が連携してこうした医療の研究開発に力を入れているところでございますが、地方創生という観点からしましても、この医療研究分野を、東京だけじゃなくて、いろいろな地域地域、多極化していくという取り組みは非常に重要だと思っておりまして、政府も非常にバックアップを今していただいております。

例えば、今回の地方創生の観点でも、地方移転ということで、国立の健康・栄養研究所、これを大阪に移転するということで今議論を進めていただいております。また、PMDA、医薬品とか医療機器を審査する機関がございますが、このPMDAの西の拠点としてPMDA―WESTというものを大阪にもつくっていただいております。この政府のバックアップは非常にありがたい、感謝しておりますが、こうした取り組みは、ぜひ引き続き、さらに進めていただきたいと思っております。

例えば、このPMDA―WESTというもの、今、審査機能はありません。今PMDA―WESTにあるのは、調査機能であったりとか、あるいは相談機能の中でも一部だけが移管されておりますが、相談機能ももっといろいろあるんじゃないかというふうに思っておりまして、このPMDA―WESTについても、大阪、関西にとって使い勝手のいい機関にぜひしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

中垣政府参考人

ただいま御指摘をいただきました医薬品医療機器総合機構の関西支部、いわゆるPMDA―WESTでございますけれども、これにつきましては、大阪府を初めとした地元の御要望でありますとか、それから、さらにその御協力も得て、二十五年十月に開設させていただきまして、今御指摘がございました、シーズの実用化に向けた開発戦略等に係る事前の相談といったことを実施しておるところでございます。

また、昨年の十二月には、この支部におきまして、治験の計画内容や試験結果の評価等、全ての相談を実施可能としようということで、厚生労働省、PMDA、大阪府の間で、PMDA―WESTの機能拡充に関する合意がなされたところでございまして、今委員御指摘がございましたような、全ての相談を可能にするとか、そういった合意がなされておりまして、本年六月から実施できるように、今準備を進めておるところでございます。

今後とも、関西発の医療イノベーションの促進に貢献できるように努めていきたいというふうに思っているところでございます。

伊佐分科員

ありがとうございます。

この相談機能、今まで一部だったのを全部にしていきます、六月からやっていきますという御発言をいただきました。ぜひ着実に進めていただきたいというふうに思っております。

次に、特別な支援が必要な子供たち、障害児の皆さんへの支援について伺いたいと思います。

私が現場でいろいろな声を聞いております中でありますのは、障害児の皆さんのための発達支援センターのところを何回か行かせていただいております。その中で、こういう声があります。

例えば、子ども・子育て支援新制度というのができました。新しい基金というのができたわけですが、保育園とか幼稚園に通う障害児の皆さんは加算がある、それなりに支援が今回ふえた。ところが、インクルーシブになじめないような、やはりどうしても特別な療育が必要だと言われる子供たちは発達支援センターに通っておるわけですが、こうしたところは新制度の対象じゃない、同じ子供なのに違うという声。

あるいは、例えば、重度の子供たちをセンターで受け入れたときに、保育園であれば保育士が一人配置されるわけです。ところが、支援センターの場合は、重度も軽度も、ずっと四対一という配置も変わらない、加算もないというような状況、看護師の加算もないというふうに伺っております。

また、一番大変だというふうに言っていますのは、欠席時の取り扱い。つまり、それぞれの障害児の皆さんに支援計画というものをつくって、年二回以上策定していくわけですけれども、大体一週間こういうスケジュールでやりましょうねというようなものをつくっていくわけです。ところが、皆さんさまざま障害を持たれていらっしゃいますので、調子のいいときと悪いときがあるわけです。なかなか計画どおりに出席できない、通えない。きょうはちょっとどうしても体調が悪いので欠席するというような場合もあるわけです。

ところが、発達支援センターの皆さんへの補助というのは保育園と違っています。保育園は一カ月まとめてお金が出ますが、ここは、その日その日に来られたかどうかによって、つまり、サービスを提供したかどうかによって給付金が入るかどうかというような状況になっております。だから、突然休みがある場合には国から補助が出ないんです。正確に言うと、急に休みになったとしても、月四回だけ出ます。ただ、四回出ても、一日、一回当たり千円しか出ない。もともと、来られれば一人一万円相当の給付金が来るわけですが、全然差があるわけです。当然、センターとしては、来るものだと思って人員配置をしているわけですから、その分どんどん穴が出てくるというような状況になっております。結局、持ち出しがある。

いろいろ申し上げましたけれども、私が申し上げたいのは、いろいろな大変な状況の中で支援センターの皆さんは運営されております。それをぜひわかっていただきたいというふうに思います。国からも、ぜひできるだけ支援をいただきたいと思います。

よろしくお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。

竹内副大臣

お答えします。

児童発達支援センターは全国で四百五十三カ所ございまして、これは、障害児への発達支援を行うだけでなく、地域の障害児やその家族の相談支援、障害児のいる保育所や学校等への援助、助言を行うなど、地域の中核的な障害児の支援施設として大変重要な役割を担っているものでございます。

このため、児童発達支援センターの役割を踏まえまして、平成二十七年度障害福祉サービス等報酬改定におきまして、保育所や学校などとの連携を評価する関係機関連携加算や、障害児とその家族に対する相談援助を事業所内において実施した場合に評価する事業所内相談支援加算を創設いたしまして、手厚い支援を行う児童発達支援センターに対する評価を充実したところでございます。

今後、児童発達支援センターのあり方につきましては、その運営の状況や関係団体等の意見も踏まえまして、また、先生の御指摘を踏まえまして、今後ともさらに検討をしてまいりたいというふうに思っております。

伊佐分科員

ぜひ、現場の大変な状況を御配慮いただければと思います。

最後に、一言だけいただければと思いますが、障害者のグループホーム、これはスプリンクラー設置というものが義務づけられて、基準はさまざま現場の声も上がっておりますが、ぜひ、こうした新しい規制をしてスプリンクラーをつけなさいという場合には、しっかりとした補助を厚労省からお願いしたいと思います。

最後に一言、よろしくお願いします。

藤井政府参考人

お答え申し上げます。

グループホームの防火安全対策として必要なスプリンクラー整備につきましては、社会福祉施設等施設整備費補助金において補助対象としてきたところでございます。

この補助金につきましては、なかなか国の財政状況も厳しい中ではございますけれども、平成二十八年度当初予算案におきましては、対前年度で四十四億円増の七十億円を計上したところでございます。

今後とも、このグループホーム等に関しまして、必要な施設整備費の確保に努めてまいりたいと考えております。

伊佐分科員

以上、終わります。ありがとうございました。

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