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189-衆-国土交通委員会-14号 平成27年06月09日

今村委員長

次に、伊佐進一君。

伊佐委員

おはようございます。公明党の伊佐進一です。

本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。

私、前半で質問させていただきたいのは、誘導車について。

誘導車とは何かといいますと、規格外の荷物を運ぶとき、トラックで、物すごい横幅があるとか、あるいは全長が長いとか、こういうものを運ぶとき、あるいは、道路によっては重量制限というのがありまして、あるいは高さ制限というのがある、この制限を超えて荷物を運ぶトラック、トレーラー、こういうときに、通行許可をまず取得しなきゃいけない。その上で、条件に応じて前後に誘導車をつける。これでやっと運行ができる。

ところが、例えば、誘導車をつけて大きな荷物を運んでいる、カーブに差しかかったときに、重い重機が落下するとか、あるいはトレーラーが横転する、こういうような事故が各地で起こっております。これは、規格外の大きな荷物なので大事故につながっていくわけです。

死亡事故も発生しております。信号で待っていた方が横転したトレーラーの下敷きになる、こういうような事故も発生しております。また、大型なので、一回倒れると撤去するのが大変です。非常に時間もかかる。交通渋滞を巻き起こすということで、さまざまな影響があるという状況になっております。

こうした、なぜ横転するか、なぜ荷物が落ちるか。恐らく、言われているのは、速度超過であったりとか、あるいは荷締め、荷物をしっかりととめる、これが不足しているというふうに言われております。

ところが、そもそも、誘導車がついているのになぜ速度超過になるのか。誘導車というのは、そもそも一定の能力が必要なわけです。やるべき仕事がしっかり決まっている。ところが、実は、それがちゃんと担保されているのかどうか。各地でこういう事故が起こっているわけですから、この問題意識で前半質問させていただきたいと思います。

まず、簡潔にお答えいただければと思いますが、そもそも誘導車、これは一体どういう制度で今運用されているんでしょうか。

深澤政府参考人

お答え申し上げます。

今委員の方からかなり詳細な御説明がございましたけれども、道路は一定の規格の車両が安全、円滑に通行できるように設計されておりまして、道路の構造を保全したり、あるいは交通の危険を防止する観点から、その規格を超える車両は原則通行できないんですけれども、おっしゃっているように、その規格を超える車両につきましては、申請をいただいて、道路の構造の保全であるとか、交通の危険を防止する必要な条件を付して許可しているところであります。

委員御指摘があったように、例えば重い車両が橋を走る場合は、同じような重い車両が同時に橋に乗ると危ないものですから、前後に誘導の車をつけて一緒に車が来ないようにするとか、あるいは、狭い交差点を大きな車が通過するときはどうしても反対車線に出てしまいます。そういう場合は、対向車が来ないようにということも含めて特殊な車両の前後に誘導車を配置するということで、危険防止等を図っているところでございます。

以上です。

伊佐委員

今、前半に御説明いただいたとおり、結局、これは一つ一つ申請をして、運送一つ一つに個別に許可をして運用しているという状況です。

誘導車を扱っている事業者というのがあります。ところが、この事業者に対しては、規制もなければ、もちろん認可もない。だから、質を担保していくような基準が今ない状況になっております。法令上は、いろいろやらなきゃいけないことというのが決まっています。また、安全のための誘導の仕方も含めて、知識であったり経験であったりというのが必要になっております。ところが、これが担保されるすべがないというのが今、現状だと思っております。

現在、トラック運送業は、物流二法というのが平成二年に施行されまして、それから競争が激化しています。コスト競争が激しくなっている中で、いかにコストを抑えていくか。誘導車が必要なときというのは、別に全ての運送に必要なわけではありませんので、みずから誘導車を運送事業者が抱え込む、あるいは人員を抱え込むということはなかなか難しい。

そうすると、何が行われているかというと、現在、誘導車についてアウトソーシングされているんです。外注されています。運送業者が本来みずからやるようなものを、自分たちで抱えられないので、外に出している事業者が全部で大体四〇%。四〇%の方々が、誘導車を事業、なりわいとしているところに頼んでいる。

ところが、なりわいとしている誘導車の会社というのはいろいろありまして、質を担保する規制というのがないので、悪質なところもあれば、とんでもない運用をしているような会社もある。質が担保されていないというような状況です。

アウトソーシングしていない会社も、これまた大変です。中小の運送事業者はお金もないし、人員もなかなか不足している、こういう状況の中で、誘導車が必要になったときには、そのときにアルバイトを雇って、パートタイムで雇って、専門知識がないような人が、ふなれな方が誘導車に乗っている、こういうような状況です。

だから、いろいろな事故が起こっていまして、トレーラーの運転手と誘導される運転手とトラブルが発生したりとか、あるいは、先ほど申し上げた、スピードを少し出し過ぎてしまって、急ブレーキを踏む、あるいは特殊車両とそのときに激突したであったりとか、死亡事故も発生しております。この質の担保をどうするかというのは私は大事だと思っておりまして、安全確保のための知識であるとか技能であるとか、これを確実にしていく必要があると思っております。

そういう意味で、まず、ガイドラインの作成、こういうものも含めて何らかの手を打って、しっかりと普及、徹底を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

深澤政府参考人

お答え申し上げます。

委員おっしゃったように、誘導車の役割というのは大変大事なものだと考えております。国土交通省では、現在、ホームページ、あるいは特殊車両許可に関する各種の講習会であるとか研修会などを通じて、その役割等の周知をしているところです。

ただ、委員おっしゃるように、誘導車が有効に機能するということは本当に大事だと思っておりますので、今後とも、実態をよく把握して、誘導車の課題、それらも明確にしながら、さらなる周知徹底を図ってまいりたいと考えております。

以上です。

伊佐委員

ぜひ国交省は、今申し上げたように、アウトソーシングされて、誘導車を事業として、なりわいとしてしている事業者というのが結構あるわけです。私、レクのときにもいろいろと国交省と意見交換する中で、実態をまず把握してほしいと思うんです。事業者の数は、では、どれぐらいあるかと聞いても、いや、統計がありません、あるいは、では、どれぐらいの運送事業者が委託しているのか、これもデータがない、事故事例は何かありますか、いや、これも押さえていません、今こういうような状況ですので、まずはしっかりと実態を把握していただきたい。

少なくとも、先ほど申し上げたように、重量指定がある道路とか高さ指定がある道路とか、これは今どんどんふえているわけです。全国でこのキロ数がふえているわけですから、ぜひ、まず実態を把握していただいて、そして、誘導車のなりわいとしての事業を認めていく、業として認めていく、こういう選択肢も含めてぜひ御検討いただければと思っております。

少し具体的にもう一点伺いますと、緑色の回転灯、車の上につける回転灯ですが、誘導を行っているということを周りの一般車にも注意喚起するという回転灯です。

現在の制度はどうなっているかというと、トレーラーを一台持っている人にこの緑色の回転灯を四つ持てるというようなルールになっています。つまり、さっき申し上げたなりわいとして誘導車をやっている事業者は、実はこれを持てないということになっております。これだけアウトソーシングが進んでいるのに、専門でやっている事業者は持てない、持てないがゆえに誘導作業中にいろいろなトラブルが発生しています。

例えば、さっき局長がおっしゃった、二車線内に、隣があいていても通っちゃだめよという場合もあるわけです。そのときに誘導車がついていて、これをほかの車が走らないようにする。回転灯もついていないので、一般車両から苦情が来る。一体何の権利があって妨害しているんだ、我が物顔で走るなと空き缶をぶつけられる、こういうようなこともあるというふうに伺っております。

今、さまざま課題はありますが、せめて、誘導をなりわいとして行っている事業者、こういうところもしっかりと緑色の回転灯をつけられる、まずここから変えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

田端政府参考人

お答えいたします。

道路運送車両法では、委員御指摘のとおり、回転灯の装着は緊急車両など、こういう点に限定をしております。

一方で、重量物を輸送するトレーラーのような長大な車両を運行する場合にされます誘導車両につきましては、基準緩和制度によりまして緑色の回転灯を装着することを認めております。

これまで、委員御指摘のとおり、長大な車両を運行する者が自前で準備することが一般的でありましたので、基準緩和制度を活用できる者を長大な車両の使用者に限定しておりました。しかしながら、近年、御指摘がありましたように外部委託をするケースが出てきておりまして、ふえてきております。その受託者が必要に応じて、回転灯を装着できるよう措置することが必要であると認識をしております。

このため、今後、制度の詳細を検討しまして、本年の秋までには関連通達を改正し、誘導業務を受託した者が回転灯を装着できるように措置してまいりたいと考えております。

伊佐委員

ありがとうございます。

非常に前向きな御答弁をいただきました。秋ごろにという具体的な答弁までいただきました。ぜひしっかりと向き合っていただければと思っております。ありがとうございます。

それでは、次に、トラックの現場のドライバーの皆さんが置かれている現状について、残りの時間、質問させていただきたいと思います。

ちょうど私、この場で、一年前、ドライバーの皆さんの環境について質問させていただきました。きょうも資料を一点だけ配らせていただいておりますが、これは過労死のデータなんです。各業種、一番右、十万人当たりでどれぐらい過労死されているかというのを見ますと、この赤丸で囲んでいるところがまさしく運送業の皆さんですが、一番下、合計を見ますと、大体平均、十万人当たりで過労死〇・六六件。ところが、赤丸のところを見ていただくと六・八九。異常な数字です。十倍を超えています。これぐらい過酷な環境の中で、今トラックのドライバーの皆さんは現場でハンドルを握っていらっしゃっている。

きょうはデータは配っておりませんが、例えば事故件数を申し上げても、同じような事業用自動車、例えばバスとかタクシー、ハイタク、こういうものと比較しても、トラックは非常に多いです。また、死亡者数も多い。死亡事故にも結びつきやすい。

こういうような状況で、先ほど申し上げた物流二法が施行されて、過当競争が、過酷な競争が行われて、この中で、今現場のドライバーの皆さんに一番このしわ寄せが行っているというような状況です。

この物流二法、平成二年と比べて、規制緩和されたことによってトラックの数はそんなに変わっていない。ところが、事業者の数が一・五倍になっています。つまり、何を意味するかというと、中小の運送業者がたくさんふえてきた、そこで過当競争が生じている。

私、現場で聞くと、これは何が起こっているかというと、建設業者であれば、例えば、元請から下請、二次請、三次請、大体これぐらいで終わるんです。ところが、運送業者の現場では、七次請とか八次請とか、こういうようなところまで今、下請構造の下層構造ができ上がっている。当然、一番最後、八次請のところが、ドライバー、現場でハンドルを握っているわけですが、この間に水屋と言われる方々、実際に仕事が来て割り振るだけの水屋という方々がいらっしゃってマージンを取っている。だから、下に行けば行くほど、マージンがどんどん抜かれるので苦しい。

私、昨年申し上げたのは、ぜひ、国交省はしっかり現状を調べてほしい、この多層構造の現状をしっかりと調査してほしいと申し上げたところ、わかりましたと言っていただきました。

さて、その後、調査はどうなったでしょうか。

羽尾政府参考人

お答えいたします。

委員御指摘のとおり、昨年、トラック輸送における適正な取引や輸送の安全確保を図るため、貨物利用運送事業者とトラック運送事業者の取引関係や輸送の安全確保に関する実態調査を実施いたしました。

この実態調査の結果、取引関係につきましては、取引の発注手段の面で、ファクス、文書、電子メール等の書面よりも電話の方が多く利用されていることが示されました。さらに、発注内容の明示の面では、車両とめ置き料や燃油サーチャージについては余り記載されていないことが示されました。

また、輸送の安全確保につきましては、発注内容の適切性の確保の面で、一部の貨物利用運送事業者においてトラック運送事業に関連する法令等の理解が不十分であることが示されました。

以上です。

伊佐委員

調査をしていただいたという結果を今御紹介いただきましたが、私は、その努力はありがたいと思うんですが、少し残念に思っております。もう一歩踏み込んでいただきたかった。なぜかと申し上げると、トラックドライバーの今置かれた環境がどうなのか、ここにしっかりと焦点を当てて調査をやっていただきたかったと思っております。

今の話では、例えば何を調べたかというと、あなたは法令を知っていますか、こういう質問の仕方をされています。あるいは、発注は電話でしていますか、ファクスでしていますか。こういうものじゃなくて、もっとドライバーの皆さんの今の置かれた環境、賃金、こういうものがどうなのかという調査をもう一歩踏み込んでしていただきたかったと思っております。

そういう意味で、実は、私、いろいろデータを探しました。ちょうど業界がみずからした調査というものがございます。これは、ドライバー千六百八人に調査したものですが、四月に出たばかりです。

これを少し紹介させていただくと、例えば、賃金は、月収大体平均二十一万三千円。全産業平均三十万なので、十万ぐらい差があいています。中小企業平均でも二十六万ですから、二十一万というのは五万少ない。あるいは、労働時間を見ましても、月二百六十六時間。全産業平均百五十九なので、百時間多い。中小企業も百五十八なので、百時間ぐらい多いんです。時給換算すると、時給千百六十五円。全産業が千七百円、中小企業が千五百円なので、これも低い。

基準運賃というのが昔ありました。平成十一年、タリフと言われている時代、国が定めた基準運賃がありました。これは、コストを積み上げてつくっていったと伺っております。つまり、車両維持でどれぐらいかかるか、あるいはドライバーの給料はどれぐらい必要か、こういうものを積み上げて、大体これぐらいの運送運賃というのが適正だねというところでつくったものです。

今、時代は事後届け出制になって、価格の規制がなくなって自由になりました。そうなる前の基準運賃なんですが、ただ、積み上げ方式でつくったもの、実は平成十一年とそんなに物価は変わっていませんので、このタリフの運賃と今を比較する、実際に妥当だという運賃と比較すると、今現状どれぐらいかというと四九・三%です。コストを積み上げたものと比較して今は半分ぐらいしか実はもらっていないという状況です。

こういう状況をぜひ考慮していただきたい。調査もしていただいたわけですから、こうした問題をこれから国交省はどういうふうに対応していくかについて大臣に伺いたいと思います。

太田国務大臣

この問題は、ドライバー不足ということや、あるいは、それはなぜかというと、労働条件の悪化があるという現場の視点でお話をいただいたと思っています。非常に大事なことで、その労働条件の悪化の中には、御指摘の多層構造というものがある。昨年の調査というものをさらに踏まえて、きめ細かく調査をしたり努力をしたい、このように思います。

一つは、去年、多層構造による二つの課題が浮き彫りになったわけですが、一つは、契約内容が不明確であるなど、荷主等を含めた取引の適正化が必要であること、二つ目は、一部の貨物利用運送事業者で関連法令等の理解が不十分であるという、二点が浮き彫りにされたと思います。

一つ目の取引の適正化につきましては、運賃や荷役作業などの契約内容を明確にする取引書面化の普及、定着のためにセミナーやモデル事業を実施する、トラック事業者、荷主、厚生労働省、国土交通省等による協議会を設置して、ロードマップに基づいて計画的に取引環境の改善や長時間労働の抑制を推進する、こうした適正な運賃の収受、手待ち時間の削減等をさらに図っていきたいと思います。

二つ目の貨物利用運送事業者に対しましては、トラック運送事業に関する講習会への参加の要請や監査の強化充実等によって、関係法令の理解の促進及び不当な行為の防止を図ってまいりたい、このように思いますが、冒頭申し上げましたように、ドライバー不足、労働条件の悪化、多層構造、こうしたことにしっかり目を注いでいきたい、このように思います。

伊佐委員

大臣、ありがとうございます。

もう時間が来たので終わりますが、先ほど、さまざまな手を打っていただいているということですが、例えば、協議会をやっているという一つとってみても、厚労省にいつ結論を出すかと聞くと、三十一年の四月だと。四年後だという話を伺っているんです。四年たつと、恐らく大臣の後ろに座っていらっしゃる方々は誰もここにいないと思いますので、ぜひもっと喫緊の課題として前向きに加速して進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。

ありがとうございました。

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