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189-衆-厚生労働委員会-14号 平成27年05月15日

渡辺委員長

次に、伊佐進一君。

伊佐委員

おはようございます。公明党の伊佐進一です。本会議に引き続きまして、厚生労働委員会で質問の機会をいただきました。心より御礼を申し上げたいと思います。
早速質疑に入らせていただきます。

今回、この派遣法改正法案、三回目の提出になるわけですが、報道でも与野党の対決法案だというふうに言われております。賛成、反対、それぞれいろいろな思惑があるのかもしれませんが、ずっとこれまでの議論を私は聞いておりまして、まずそこに見えてくるものは何かというと、非常にこの派遣法自体がまず複雑だというところ、なかなか簡単には理解しにくいというところがあるのではないかと思っておりますので、きょうは少し掘り下げて質問させていただきたいと思っております。

まず最初の質問は非常にシンプルな質問ですが、今回の法改正は規制強化に当たるのか、それとも規制緩和に当たるのか、どちらでしょうか。

坂口政府参考人

お答えさせていただきます。

今回の改正法案でございますけれども、内容的にも、まず、労働者派遣事業につきまして、現在は四分の三が届け出制ということになっておるわけでございますけれども、今後はこれを全て許可制とするということで、健全化と義務の履行の確保を図っていくということを盛り込んでおります。

また、正社員を希望される派遣で働く方につきましては、その道が開かれるようにするために、派遣会社の責任を強化するということを盛り込んでおります。

具体的には、いわゆる雇用安定措置という形で、派遣期間が満了した場合に、正社員になったり別の会社等で働き続けることができるような措置を設けるということ。それから、先ほども御答弁いたしましたけれども、計画的な教育訓練というようなものを派遣会社に行っていただくことを新たに義務づけるというような形で、派遣就労への固定化を防止する措置を強化するということにしております。

さらにでございますけれども、みずからの働き方としまして派遣を積極的に選択されるという方もおられるわけで、そういった方につきましては、賃金等の面で派遣先の責任を強化するというようなことを通じて待遇の改善を図ることとしております。

こういった形で、全体を通じましては、派遣で働く方の保護の観点から、必要な規制の強化をしっかり図っていくというものでございます。

伊佐委員

今の御答弁では、規制の強化がメーンだということだと思いますが、ずっといろいろなこの法改正の内容を見ておりまして、規制を強化するところと規制を緩和するところがまじり合っているところもあると思っています。ただ、先ほどの答弁のとおりで、ほとんどが規制強化、つまり、労働者を保護するんだという観点での規制強化だ、しかも、今までなかったようなことがさまざま取り入れられております。

さっき例で挙げられましたように、今まで事業所の四分の三が届け出制というようなものを許可制にしっかりと一本化して、もし何か違反するようなことがあれば許可を取り消すことができる、これは間違いなく規制強化であります。

また、雇用安定措置、これも、派遣期間終了後、これまでは、雇用を継続するような措置を講ずるようなことは全く何の措置も義務化されていなかったわけですが、これも強化。キャリアアップ支援、先ほども、なかったものを義務化していったということだと思います。

ところが、一つだけ入りまじるところというのは何かというと、これが派遣期間制限、この期間制限のところだけが、規制強化の部分と規制緩和の双方が混在している。ここが非常に複雑にしていて、この法改正をわかりにくくしていて、逆に言えば、こういうところで意図的な批判というのも出てくるんじゃないかなと思っております。

申し上げたとおり、この派遣期間以外のところについては、全部、派遣労働者の保護を目的とした規制強化が並んでいるわけです。だから、そこについては、新しい措置もたくさんありますので、これがおかしいんじゃないか、反対だと、この方向性について反対する人は恐らくいないんじゃないか。なかなかそこは反対しにくいんじゃないかと思っております。

問題は、議論になる、争点になっているのは、この派遣期間、規制強化と規制緩和が混在している、ここをどう理解するかというところだと思いますが、ここを少し踏み込んで議論したいと思います。

これまでの審議で私なりに感じたところは、そもそもの期間制限の大きな二つの目的、それは、まず一つ、常用代替防止という観点があります。もう一つは、派遣労働者の保護という観点がありますが、この二つの観点というのが混同されている議論もあったのではないかなと思っております。

そこで、いま一度確認で質問させていただきますが、常用代替防止というのは、どういう趣旨で、もう一つの観点の派遣労働者保護とどういう関係にあるのかということについてお答えください。

坂口政府参考人

お答えいたします。

今委員御指摘ございました常用代替の防止ということでございますけれども、これにつきましては、派遣先において、正社員から派遣で働く方への置きかえ、これが常用代替ということになるわけでございますけれども、これを防ぐということを主眼としておるものでございます。

今回の改正法案では、具体的にこの措置を防止するために、今御指摘ありましたような期間制限について一定の見直しを行うということでございますし、その中では、特に事業所単位の期間制限を設けた上で、三年を超えて派遣で働く方を受け入れようとする場合には、過半数労働組合からの意見聴取というような手続についても新たに法的に義務づけるというようなことで担保していこうというものでございます。

もう一方、今ございましたように、派遣労働者の保護ということにつきましては、まさしくこういったものとあわせましてでございますけれども、今回も、先ほど申し上げました雇用安定措置でありましたりキャリアアップ措置というようなものを派遣会社の方に義務づけるというようなことを含めて、派遣で働く方自身の正社員化でありましたり処遇の改善ということを図っていくという趣旨でございます。

伊佐委員

派遣労働者保護と常用代替防止の関係はどうなっていますでしょうか。

坂口政府参考人

お答えさせていただきます。

常用代替防止そのものにつきましては、やはり派遣先の正社員で働く方との置きかえということに着目しているということでございます。

一方で、今おっしゃったような派遣労働者御自身の保護ということにつきましては、まさに派遣労働者に着目して、今回、いろいろな形での法の規定ということを設けながらしっかり派遣労働者に対してのものを図っていくということで、直接的に裏表で規定が成り立っているということではございませんけれども、全体としましてその双方をしっかり今回は担保していきたいというものでございます。

伊佐委員

役所の立場ではっきりと言うのはなかなか難しいのかもしれませんので、少し私の方からも私の理解を申し上げさせていただきます。

今ある事業所単位の期間制限、つまり最長三年と言われるものについては、これは、おっしゃっていただいたとおりで、常用代替防止。つまり、三年以上やれるような仕事なのであれば、これは派遣の仕事じゃないんだ、正社員の仕事なんだ、だから、正社員の仕事を守る、つまり、本来正社員の仕事を派遣に代替させちゃいけないんだという意味での常用代替防止、これが今の派遣法、今ある規定だというふうに私は理解しております。

派遣法のこの常用代替防止こそが、これまでの派遣法の主な目的だったと思います。派遣労働者保護ではなくて、いかに正社員を守るか。これは、もともとの成り立ちもそうですし、また、そもそも派遣労働者を守るという規定も入ったのは最近ですから。

例えば今回の議論でも、規制改革会議でも、こういうふうなことを言われております。派遣法の根拠はあくまで正社員の保護を目的としており、派遣労働者の保護とは必ずしも相入れないというふうに認めているところです。

その上で、恐らく、正社員を守るという観点と派遣労働者を守るという観点、つまり常用代替防止という観点と派遣労働者保護という観点は、これはバランスをとるのが非常に難しい、どっちかを守ればどっちかが立たない、こういう観点もあるんじゃないかと思っております。

派遣労働者保護、このもう一つの先ほど申し上げた観点というのは、さっき申し上げたような規制強化される部分、今回恐らく誰も反対しないだろうという部分については、しっかりと派遣労働者保護という観点でさまざまな新しい措置がとられるわけです。ところが、今回、期間制限の中で複雑になっているもう一つは、今まで事業所単位しかなかった期間制限を、個人単位の期間制限というものを初めて規定したわけです。これがまさしく派遣労働者保護の観点、つまり、常用代替防止ではなくて、派遣労働者を保護するという観点で初めて設けられた個人単位の期間制限だというふうに私は理解しております。

では、個人単位の期間制限がなぜ派遣労働者の保護につながっていくのか。つまり、どんな個人でも三年たったら切られてしまうわけです、個人単位の期間制限というのは。これがなぜ派遣労働者の保護というものに効果を持つのかということについて答弁願います。

坂口政府参考人

お答えさせていただきます。

今委員の方から御指摘ございましたように、先ほどの常用代替防止との関係で申しますと、先ほど御指摘があったように、これまでの現行法の期間制限、あるいは今回新たに組みかえた事業所単位の期間制限というものについてはまさに常用代替の防止からということでございますが、今御指摘の個人単位の期間制限ということを今回新たに設けるわけでございますが、これにつきましてはまさに労働者保護ということで、これは、今委員から御指摘ありましたように三年という上限ではございますけれども、逆の面でいくと、派遣労働者を派遣という働き方ということから固定化を防止するということがまず大きな部分であります。

それをもう少しきめ細かく申し上げますと、実際、派遣で働く方にとってみると、三年ごとに必ず節目がやってくるということでございますので、御自身のキャリアということについてもしっかり三年ごとに見直していただく。

もう一方で、派遣会社の方に対しても、今回、教育訓練を計画的に行うというようなことについても法的に義務づけるということでございますので、そういった規定と相まちまして、派遣で働く方について、この三年という個人単位の期間制限によってキャリアアップにつなげていただく、そして、節目節目にちゃんと自分のキャリアの見詰め直しをしていただくというようなことを通じての派遣労働者の保護ということをしっかり図ってまいりたいということでございます。

伊佐委員

ここは非常にわかりにくいところだと思いますが、私が理解していますのは、有期の反復雇用、つまり、有期でずっと反復、何度も何度も限られた有期雇用が反復反復で繰り返されるという状況が一番不安定だというふうに思っております。こういうものをどうやって脱していくのかという観点でこの個人単位の期間制限というものが設けられたというふうに理解をしています。

よく、今までの質問を聞いておりまして、例えば、個人単位の期間制限があっても、派遣先企業で三年ごとに人をかえれば、同じ業務に派遣労働者をずっと配置し続けることができるんじゃないか、だから常用代替防止にならないんじゃないかという批判もありますが、そういった意味で、結局、個人単位の期間制限というのは常用代替防止が目的ではないわけです。あくまで派遣労働者保護の観点を目的にしておりますので、そこはしっかりと区別をしながら理解していく必要があるんじゃないかなと思っております。

さらに言えば、二十六業務の話でも、例えば、よく議論がありますのが、今まで二十六業務に該当してずうっと安定して雇用されていたんだ、ところが今回、二十六業務を撤廃して、期間制限が全員三年というふうになった、不安定じゃないかというような批判もあるわけです。

でも、これは中身を見てみますと、二十六業務で期間制限がないと言われている人たちは、派遣全体の中で四割。ところが、期間制限がないにもかかわらず、ちゃんと無期で雇われている人というのは一七%しかいない。そのほかの方々というのは、期間制限がないと言われているにもかかわらず、有期で、しかも有期が反復でどんどん雇用されている、次は果たして契約更新されるのかどうか、常に不安の中で仕事をされているというふうな状況です。

今回は、無期でずうっとやっていた方々、一七%の方々だって、無期雇用するのであれば、これは全て期間制限が撤廃されます、例外になりますので、このまま一七%の方々が無期雇用されれば、同じなわけです。いや、それどころか、今までなかったキャリアアップ措置というものが提供されることになる。だから、今まで無期だった人にとってもプラスなわけです。

さらに言えば、先ほど申し上げた雇用が反復反復されている方々、こういう方々にとってみれば、キャリアアップ支援というのも新しくできるし、雇用安定措置というのも提供されるしという意味で、いずれにしても、いずれの立場から見ても一歩進んだものになるんじゃないかというのが私の理解です。

もう一つの批判について少し質問させていただきますと、よく、こういう批判もあります。今回は、まず、事業所単位の派遣期間は三年です。だから、三年で過半数組合の意見聴取さえすればどんどん延長できるじゃないか、どんどん延長可能じゃないか。つまり、派遣のポジションが常用代替防止できずに残り続けるじゃないか。さらに、一方で個人期間制限というのがあって、個人は三年間で絶対切られるんだ、派遣というポジションがずっと残り続けるのに、個人は三年で切られる、これは非合理じゃないか。これがよく言われる批判です。

ここで私ちょっと振り返ってみたいのは、平成二十四年に労働契約法が改正されました。この労働契約法でも実は同じような議論があったと私は思っております。当時、民主党政権下で大きな争点の一つになったのが、無期労働契約への転換、十八条の話です。改めて、労働契約法十八条の無期労働契約への転換、この意義、そしてそのときの批判について伺いたいと思います。

岡崎政府参考人

御指摘の労働契約法第十八条でございますが、これは無期転換ルールということで、同一の使用者との間で有期労働契約が五年を超えて反復継続するという場合には、労働者の申し込みによって労働契約が無期契約に転換するわけでございます。

その趣旨というか意義でございますが、有期労働契約の濫用的な利用を抑制する、そして有期雇用労働者の雇用の安定を図ろうということでございます。

ただ、この議論の際に、では、五年を超える前に雇いどめを招くのではないかという御懸念が示されたというのは事実でございます。このところにつきましては、そういう懸念がないような形でしっかりと企業が対応するような対応ということが求められてきたということでございます。

労働契約法には、第十九条という雇いどめの法理を定めた部分もありますので、こういったものを含めてしっかりと企業に認知していただきまして、有期雇用労働者の安易な雇いどめということがないようにというようなこと、あるいは、無期雇用への転換を目指す企業に対しましていろいろな支援をしていく、そういう対応を現在しているということでございます。

〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕

伊佐委員

つまり、無期労働契約への転換。平成二十四年の議論のときには、先ほどおっしゃっていただいたとおりで、五年を超えたら、労働者は私は無期で働きたいんですというような申し出をすることができて、それを受理しなきゃいけない、こういう契約をしなきゃいけない。つまり、五年を超えると無期に転換しやすくなる。それに対する批判というのは、五年直前で雇いどめになるじゃないかという批判だったわけです。ところが、これは平成二十四年には成立した。これは実は、今の労働契約法の改正も、本来の趣旨、第一趣旨というのは、無期転換しなさいという趣旨だったと理解しています。

同じように、今回の派遣法も、個人単位で三年で切られるじゃないかというのが本来の趣旨ではなくて、無期は除外されますから、無期転換すれば期間制限はないわけです。そういう意味で、無期転換をできるだけしてあげなさい、正社員を目指していく中で、まずは無期転換をしてあげて、今までの反復反復で契約が繰り返されるような一番極度な不安定な状況からまず無期転換してあげて、その上で正社員を目指していく。私は、これが今回の一つの意味じゃないかなというふうに理解をしております。

次に、では、そのときに重要なポイントになりますのは、無期となったときに、無期契約の立場がどうやって守られるかということです。

先ほど申し上げたように、労働契約法の趣旨、無期転換しなさいよという趣旨もあります。我々公明党も、目指しているものというのは、期間の定めのない労働契約にどんどん転換していくべきだというふうに思っております。

ただ、問題は、無期という契約であったとしても、派遣元と無期契約をしています、ところが、派遣先から、もうあなたは必要ありませんと言われたときに、派遣先との契約終了という時点で、派遣元との無期契約も、解雇といいますか、契約解雇というようなことがあってはならない。それだったら、何のための無期契約なのかということになります。

こうした無期雇用派遣について、派遣契約の終了をもって解雇になるような、こういうことをしないように、させないようにするのが重要だというふうに思っていますが、それはどう担保されるでしょうか。

坂口政府参考人

今先生の方から御指摘があった点につきましては、今回の改正法の議論をいただいた労働政策審議会の方でも、公労使の先生方の方でもまた御議論をいただいたところでございます。

それで、労働政策審議会の建議におきましても、無期雇用の派遣労働者をめぐってということで、派遣元事業主は、無期雇用の派遣労働者を派遣契約の終了のみをもって解雇してはならないということを指針に規定する、それからまた、派遣契約の終了のみをもって解雇しないようにすることを許可基準に記載することが適当であるという建議を御頂戴しておるところでございます。

私どもとしましては、この建議を踏まえまして、今委員も重要ということでおっしゃっていただきましたけれども、このような措置を講ずることによって、無期雇用派遣労働者の雇用の安定をしっかり図っていくというようなことを考えてまいりたいと思っております。

伊佐委員

恐らく、その建議を実現するため具体的にどうしていくか、省令で書いていくのか、通達でするのかとか、あるいは指導でやるのか、この辺はこれからの議論じゃないかと思いますが、しっかりとそこは担保していただきたいと思っております。

次は、均等待遇、均衡待遇。これもずっと議論がありました。これまでの国会答弁でも何度も質問がありまして、先日の本会議では全員がこの質問をしたというふうに私は認識しておりますが、そのときの答えは、全員当然同じ答えですが、一つの重要な考え方です、ただ、ある時点で仕事が同じであったとしても、さまざまな仕事を経験し責任を負っている労働者と経験の浅い労働者とで賃金を同一にすることについては、直ちに広い理解を得ることは難しいというような答弁だったと理解しております。

では、有期と無期、派遣じゃなくて有期と無期の雇用の関係を今申し上げると、労働契約法二十条というのがあって、有期と無期、この雇用形態の差で不合理な労働条件の相違を設けることは禁止というふうに書かれております。均等待遇まではいかないにしても、少なくとも、形態の差で不合理な条件は禁止だというふうに書かれている。より均衡から均等に肉薄するような、こういう表現があるわけですが、残念ながら、派遣法というのは今ここまでは書いていない。書いているのは、あくまで、労働条件の相違というものを説明する義務、あるいは配慮義務ということで、有期と無期との関係、均等待遇の関係からすると、ちょっとまだ一歩おくれているところじゃないかなと思っております。

では、均等待遇を実現するための壁になっているとよく言われるのが、我が国の雇用慣習とかというふうに言われておりますが、有期と無期ならここまで書ける、でも、派遣との間ではここは書けないというのはなぜか、伺いたいと思います。

坂口政府参考人

失礼いたします。

今委員御指摘のように、有期と無期の雇用の労働者の関係ということにつきましては、労働契約法の二十条というところで規定があるわけでございますけれども、派遣の問題ということにつきまして言いますと、派遣という働き方というのが、いわゆる派遣労働者の派遣元、派遣会社に雇用されて、それで、いわゆる派遣先の指揮命令を受けるということで、雇用者と使用者が異なるという形態であるということが圧倒的に、有期、無期の関係との比較対照において、派遣という働き方というものの独特の働き方ということがございます。

こういう形になっておりますので、派遣で働く方の賃金などを決定するのがいわゆる雇用している派遣会社ということになるわけでございますけれども、そういう状況の中で、指揮命令をしている使用者との関係が出てくる、いわゆる使用者というのが派遣先でございますけれども。ということでございますので、比較対象となる派遣先の労働者の賃金情報等をきっちり比較していくためにどう入手していくかということがなかなか難しいというような部分もございます。

それから、今申し上げました、派遣先における労働者との均衡を比べていくということになりますと、その比較対象となる労働者をではどうやって特定していくのかということがまた、雇用者と派遣先という形での、雇用形態が異なる中での特定をしていかなきゃいけないということで、困難。

それから、同じ派遣会社の派遣労働者の中で派遣先が異なって派遣される方がおられますので、今度は派遣会社の中での派遣労働者間の待遇のバランスをどうするかというような問題もあるということで、これは、有期と無期との違いのみならず、派遣という働き方に着目した幾つかの難しい課題があるということでございます。

伊佐委員

今のお話、つまり、本来労働者と契約をしている派遣元になかなか情報が、そもそも比較するようなものがないんだ、そこがなかなか大きな、一気に均等待遇にいけない、この条項が書けない一つのポイントじゃないかというお話だったと思っております。

答弁されませんでしたけれども、でも、今回のこの法案で一歩進んでいるのは何か、書けなかったけれども一歩進んだのは何かというと、まさしくその原因、つまり、派遣元に対して今まで派遣先の情報提供がなかなか、では、どういった仕事で、どういった待遇で、賃金がどれぐらいで、これを情報提供するのはやはり企業は相当嫌がります、嫌がる中で、今回初めて義務化というものを導入してきた。

つまり、賃金についても何についても、派遣先は派遣元に対して、この人をこういう処遇をしていますよ、ほかの人たちはこういう賃金を持っていますよというものを、経済界の反対は相当あったんでしょうが、そこに一歩、手を突っ込んで、ここをしっかり義務化していったというのは、均等待遇に一歩でも近づく努力をされているんだというふうに私は認識をしております。

いずれにしても、派遣、雇用形態によって、同じような価値労働をしているのに処遇に差があるというのは、我々はこれを、最終的には均等待遇は目指すべきだと思っておりますので、ぜひ、またさらに一歩一歩と進めていただきたいと思います。

最後に、大臣に申し上げたいと思います。

今さまざま議論させていただいたとおり、今回の法改正で、二十六業務の撤廃を含めて、シンプルにしたところもあるんですが、その多くの部分というのは非常に複雑に絡み合っている。規制強化と規制緩和、あるいは正社員と派遣労働者の権利というものですが、これは、我が国だけではなくて各国いろいろ苦労しているんじゃないかと思っております。

よくドイツの例が挙げられますが、ドイツは二〇〇三年に派遣期間の上限を撤廃して、その後、派遣労働者がふえていった。ところが、再度上限を再設定しようという方針を定めたら派遣労働者の増加がとまったというふうに言われておりますが、私は必ずしもそうじゃないと思っておりまして、その間、リーマン・ショックもあって、派遣の労働者数というのはどおんと減っているわけです。つまり、結局、いろいろな要因があって、経済情勢とかさまざまな要因があって労働者の数がふえたり減ったりというのがあるんだろうなと思っております。ドイツはもともと派遣の期間制限を撤廃したのは、当時失業率が高かったので、これをいかに抑えるか、派遣で吸収しようとしたわけです。ところが、結局うまくいかなかった。

そういう意味では、ほかの国各国を比べてみても、やはり派遣労働の立ち位置というのは非常に、いろいろなバランス、いろいろな要素を考えながら苦労しているんだろうなと思っております。

この労働法制というのは、私は、こうすればこうなるというものはなかなか難しい。法改正をすればすぐに派遣が減るのかといったら、そうとも、そう簡単に言えるものじゃないだろうと思っております。恐らくいろいろな状況があると思うんです。

いずれにしても、今回、今国会ではほかのさらにまた複雑な労働法制も抱えておりますので、一番大事なことは、国民の皆さんにわかりやすいような、丁寧な説明をしていただけるのが大事だろうと思います。

最後に御所見を伺って、質問を終わります。

〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕

塩崎国務大臣

今先生御指摘のとおり、労働法制というのはなかなか一般の国民にはわかりづらい、複雑な法律でもございますので、労働者それから使用者、双方にとって正しく理解をされて、そして、その国々のそれぞれの文化やあるいは経済の実態に合った形で円滑に運用されるということが重要だろうと思うので、そういう意味では、法制を変えるということは、丁寧な説明が大変大事だということは先生今御指摘のとおりであります。

したがって、今回の労働者派遣法の改正のこの案についても、労使双方を含め、国民の皆様方に丁寧に説明していくことが重要でありますし、それぞれの働き方を皆さんされている、既に派遣で働いていらっしゃる方々もたくさんおられるわけでありますから、そういう方々を含めて、しっかりと丁寧に説明をして御理解を賜ってまいりたいというふうに思います。

伊佐委員

以上、終わります。ありがとうございました。

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