データベースに戻る

189-衆-厚生労働委員会-9号 平成27年04月17日

とかしき委員長代理

次に、伊佐進一君。

伊佐委員

公明党の伊佐進一です。
本日も、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

医療保険制度の改正法案の議論をさせていただきますが、まず最初に、我が国の医療にどのように向き合っていくかという大きな議論をさせていただきまして、その後、この法案の具体的なさまざまなたてつけについて議論させていただければと思っております。

まず最初に、医療費が毎年一兆円ずつふえていく。出るのが毎年ふえていくわけですから、対応としては、一つは、入りをふやしていく。具体的に言うと、保険料を上げるか、あるいは国費を投入するか、あるいは患者さんの窓口負担をふやすか、これしかない。

こういう入りをふやすという考え方と、もう一つありますのは、限られた予算をどうやって使うかという優先事項を割り振る、いわゆる医療資源のレーショニングと言われるものがあります。

オレゴンプランというものがあると伺いました。アメリカのオレゴン州で議論されたと。これは、アメリカの保険制度、皆保険ではなくてメディケード、貧しい人に対する保険ですが、このメディケードの部分から費用対効果の小さい医療は除いてしまおう、優先順位をつけようというようなものです。

具体的に言うと、例えば今十万ドルのお金がある、この十万ドルのお金を、高額な医療がかかる一人のために使うのか、あるいは、百人の妊産婦医療のために使って百人の母子を救うのか、どっちなんだという議論がありました。そのオレゴンプランの中の議論では、こうしたぎりぎりの選択の中では後者を選ばざるを得ない、つまり、百人を救うんだという思想でオレゴンプランというのを議論していたというふうに伺っております。

これはアメリカだけに限った話ではなくて、例えばイギリスでは、一般に、高齢者に対して人工透析を始めるということはしない、保険適用されないというふうに聞いております。

こうした選別といいますか、医療資源のレーショニングに対して、大臣のお考えを伺いたいと思います。

塩崎国務大臣

御指摘のオレゴンでのレーショニングを伴うプランでありますけれども、限られた医療資源の中でできるだけ多くの方に医療サービスの提供を行うため、疾病や、疾患や、それから医療行為に優先順位をつけて、今御説明ありましたが、優先順位の高いものには保険給付を認めるけれども、低いものには保険給付を認めないという制度であると承知をしていますけれども、日本の医療保険制度においては、従来、このような順位づけというのは行わないで、安全性、有効性等が確立した医療に対して給付を行うということでやってまいりました。

日本は、国民相互の支え合いによって誰でも安心して必要な医療を受けられる国民皆保険というのを達成してきたところでございまして、この国民皆保険を持続可能なものとしてしっかりと次世代に引き継いでまいらなければならないというふうに考えております。

伊佐委員

全くそのとおりだと思います。必要な医療はしっかりとカバーされるべきなんだという考え方で国民皆保険制度というのがある。

レーショニングの議論というのは、よく言われますのは最大多数の最大幸福という議論で、結局、多数者の尺度でそこから排除される少数者というものをはかってしまうというので、果たしてレーショニングというのが社会正義にかなうのかというようなところは大きな疑義があるんではないかと私も思っております。

必要な医療はしっかりと提供するんだ、カバーするんだとなったときに、全部救うというのである以上、結局、医療費というのは当然膨らんでいくわけです。少子高齢化の中で膨らんでいかざるを得ない。ではどうするか。

この中で、最も大きな部分、よく言われています七十五歳以上の後期高齢者の皆さんの医療費、あるいは六十五歳以上の前期高齢者の皆さんの医療費、ここの部分が、十年後に三割の高齢者の皆さんが七割の医療費を使うというような状況になると言われています。これにどう向き合っていくかということだと思いますが、例えば、一つ、今私が伺っていますのは、七十五歳以上についても患者の窓口負担を二割にしましょうというような議論が、今審議会でも俎上に上がっているというふうに伺っております。

しかし、これはそう簡単じゃない、少し乱暴なところもあるんじゃないかなと思っております。

というのは、窓口負担、昔、老人医療費無料化というのが七〇年代にあって、このときにいろいろな問題が起こったわけです。過剰診療であったりとか、あるいは社会的入院というような話になりました。いろいろな問題が出てきて、それでも、やっと定率負担に戻すのに三十年かかった、こういうような状況です。こんな中で、なかなか、そう簡単な話じゃないなと思います。

また、今さまざまな議論をされていると思いますが、各党も、例えば民主党さんでは突き抜け方式という形で、それぞれの保険者のOBそれぞれが全部そのままカバーしましょうという考え方、あるいは維新の党では一本化というようなものも考えられている。それぞれにデメリットがあって、あるいは実現困難なところが私はあると思っていますので、私自身は反対なんですが、ではどうするか。

今回の法改正は、私はこれは当然、全部必要だと思います。今すぐ打てる手、何をやるかという観点からは、当然やらなければいけないようなことばかりだと思っています。ただ、あくまで今必要なものであって、これからのこの十年、二十年を考えたときに、本当にこれは根本的な解決策なのかというと、そこまで踏み込めたものではないんじゃないかな、あくまで今ある制度の中でのやりくりをどうするかというのが今回の法改正ではないかなと思っております。

そこで、特に高齢者医療制度の中で、抜本的な改革の必要性というものを大臣はどうお考えになっているか、伺いたいと思います。

塩崎国務大臣

後期高齢者医療制度というのは、創設をして七年たちました。当初いろいろありましたけれども、現在では十分定着をして、安定的な制度運営が行われているというふうに考えています。

このため、今回の制度改革に当たっては、現行制度を基本としながら、実施状況等を踏まえて、必要な改革を行っていくことが適当であるという認識に基づいているものでございます。

今回の制度改革においては、後期高齢者医療制度をさらに安定的に運営していくために、後期高齢者支援金について、負担能力に応じた負担として、被用者保険者の支え合いを強化するという観点から、全面総報酬割の導入を盛り込んだところでございまして、中長期的には、高齢者医療の負担のあり方については、今回の制度改革の実施状況等を踏まえて、見直しの必要性を含めて検討していくべき課題かなというふうに考えております。

伊佐委員

団塊の世代と言われる方々が前期の世界に入ってこられた、ことしも入ってこられるわけですが、それから十年後には後期の世界に入ってくるという中で、本当に特にこの十年間は、この前期高齢者医療制度をどうやって乗り切るかというのが大きな山場を迎えると思っております。もう喫緊の課題なわけです。

今大臣おっしゃっていただいたような全面総報酬割の話とか、今回の法案もさまざま盛り込まれています、入院のときの食事代を引き上げましょうとか。でも、また議論に上がっているのは、高額療養費制度、外来特例を見直しましょうとか、そういうさまざまな修正、改革をしようとはされていますが、これでこれから十年、本当に乗り切れるのかどうかというところじゃないかと思います。

もちろん、今現時点で踏み込んだことはなかなか言えないんじゃないかとは思うんですが、今後十年、二十年のスパンで何をやっていくか。例えば、ある団体の方が言われていたのは、今、東日本大震災の復興特別税というのがありますが、同じように、社会保障の観点でも、十年、二十年、期限を区切って、そして使途、目的を区切った形で、例えば社会保障の特別税とか、こういうようなものを提案しているような団体もあります。何らかのこうした抜本的な改革、取り組みみたいなものもしっかりと検討しておく必要があるんじゃないかなと思っております。

もう一点、大事なことは何かといいますと、いかに丁寧に説明をするか、いかに少しでも国民の皆さんに納得していただく努力をしっかりしていくか、これが徹底的に大事だというふうに私は思っております。今、社会保障のいろいろな改革、当然、痛みあるいは御負担をお願いしなきゃいけない場面というのが多くなるかもしれませんので。

この中で、今回の法案の中身も見ると、応能負担、つまり、能力のあるところがしっかりと負担をするという思想のものが大分多いと思います。例えば全面総報酬割もそうですし、入院時の食事代とか、あるいは標準報酬月額の上限額、国保組合の見直しというような、さまざまありますが、注意しなきゃいけないのは、とにかく取れるところから取るんだというような発想、感覚に陥ってはいけないんじゃないかというふうに思っております。

我が国の医療保険制度の特徴というのは二つあると言われておりまして、一つは、低リスクの者から高リスクの者に所得移転をしているということです。これは、強制加入で、しかも病気がちな人と健康な人というのは保険料が一緒なわけですから、だから、リスクが発生したとしても、例えば保険加入はできませんということにはならない、保険には入れる。また、そうした結果、低リスク者から高リスク者に所得移転が行われている。

もう一つは、高所得者から低所得者に所得移転が行われている。これは、もし保険料が一緒であれば、当然、低所得者の皆さんは払うことができませんので、皆保険制度にならない。だから、保険料の設定では応能負担というのを取り入れている。つまり、高所得者から低所得者に所得移転が行われている。

つまり、今の制度というのは、低リスクで高所得者の皆さんから高リスク、低所得者の皆さんに所得移転がされているというのが前提になっているわけですから、当然、低リスクあるいは高所得者の人たちに納得してもらわなきゃいけない、これが大前提だと思います。

これはどういうことかというと、いわゆる低リスクというのは若者です。若者の納得が必要だ。そしてまた、高所得と言われる、例えば中間層であったりとか、あるいは中間層以上、こうした方々の納得をどうやって得ていくのかというのが大事じゃないかと思っております。

つまり、取れるところから取る、あるいは、応能負担になるのは当然だというようなものじゃなくて、若者であったりあるいは中間層、中間層以上、こうした方々にしっかりと理解をしていただかないと、反発を招いてしまえば皆保険制度になりませんので、こういった政府の努力、丁寧な検討と丁寧な説明というのが大事だと思いますが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣

社会保障制度の大きな機能の一つは、所得の再分配ということで、今先生、リスクの高低など、あるいは所得の多い少ない、そういうものについてどこが負担がふえるといった、そういう背景から丁寧な説明が必要だというお話をいただきました。そのとおりだと思います。

これから進展する中で、国民皆保険というのをせっかくここまでつくってきたわけですから、これを堅持していくためには、負担の公平を図って医療保険制度の持続可能性を高める必要がある。

そして、それを実現するためには、国民の負担に関する公平を確保する観点から、今回、後期高齢者支援金に全面総報酬割を導入するとともに、健康保険の保険料算定の基礎となっております標準報酬月額の上限を引き上げる、国民保険料についても賦課限度額を引き上げることとしているわけでございまして、いずれも負担の公平を図って、給付と負担の均衡がとれた制度にするための改革と言うべきであって、これを国民の皆様方に御理解いただけるように丁寧に説明をしていかなければならないというふうに思うところでございます。

伊佐委員

ありがとうございます。

我が国が誇る皆保険制度といっても、それを維持するというのは、本当に各人のいろいろな大変な努力の中で今維持されているんだというふうに思っております。ぜひ丁寧な議論と説明をお願いしたいと思います。

では、中身の方に入っていきたいと思います。

全面総報酬割ですが、今回、全面総報酬割を導入することによって負担が大きくふえるのはどこかというと、健保組合に大きな負担になるというふうに言われております。全面総報酬割で千五百億円の負担がふえる。

今、健保組合の状況がどうかということですが、単年度赤字を出している保険者が全体の八割、そして保険料率の引き上げというのはずっと続いている、そして、保険料率が一〇%を超えている健保組合が百二十三組合。一〇%というのは協会けんぽの保険料率ですので、これは、一〇%を超えてしまえば、あえて健保組合でいなくても、解散して協会けんぽになったらいいんじゃないかという議論にさえなるのが一〇%です。これを超えているのが百二十三ある。

では、健保組合の一番の財政に対する圧迫要因は何かというと、後期高齢者の支援金、そして前期高齢者の納付金。つまり、みずからの被保険者のためじゃなくて、前期、後期の高齢者のために制度上払わなきゃいけない額、これが健保組合の財政の中で今四七・七%になっていると伺っています。早晩、これはどんどんふえていますので、この拠出金の負担というのは五割を超えるだろうというふうに言われています。中には既に八割を超えているような保険者もあるというふうに伺っております。

このままいくと、先ほど申し上げたように、もう健保組合を解散して協会けんぽに移管しようというような組合も出てくるおそれがあるという状況ですが、この後期高齢者支援金、前期高齢者納付金に対してどのような支援をしていくのか、伺いたいと思います。

橋本大臣政務官

今回の改革におきまして、全面総報酬割を実施することにいたしまして、それによりまして、被用者保険者間の負担は公平化されるということになりますが、報酬水準の高い保険者は結果として負担がふえることとなります。また、今後、被用者保険者の高齢者医療への拠出金の負担が増大をしていくことも見込まれるわけでございます。

これらを踏まえまして、全面総報酬割が実施される平成二十九年度から約七百億円の追加的な財源による負担軽減を行うこととしておりまして、これは前期も後期も含めてですけれども、拠出金負担の重い保険者への負担軽減措置の拡充に約百億円、それから、団塊世代の前期高齢者への移行による前期高齢者納付金の負担増の軽減措置として約六百億円の追加支援を行いまして、被用者保険者の負担軽減を図ることとしております。

〔とかしき委員長代理退席、委員長着席〕

伊佐委員

ありがとうございます。

六百億円と百億円の、しっかりと健保組合に対しての補助があるということでした。

大きいのは先ほどもおっしゃっていただいた百億円の部分で、六百億円の部分というのは、毎年の予算査定がされる部分ですので、どうしてもシーリングがかかって下がっていく可能性がある。この百億円の部分というのは初めて、今回厚労省が努力していただいてつくったと伺っています。ここは制度化されたので、とにかくここは崩さない。あとは、ここをどうやってしっかりと守っていき、また必要に応じて拡充していくかということが大事じゃないかと思っております。

いずれにしても、本当に協会けんぽに全部移管してしまうと国庫負担というのが一六・四%分出てくるわけですし、あるいは、今懸念されているのは、これだったら正規雇用じゃなくて非正規雇用にどんどん転換してしまおうというような動きにもしなってしまうのであるとすれば、当然、国保になりますので国庫負担は五〇%、五割になりますので、最終的には国全体として高くついてしまうわけです。だから、そういう観点からすると、一定の、もう少しの投入というのはあり得るんじゃないかなと思っております。

次に、では、協会けんぽはどうなんだと。

協会けんぽというのは、中小企業、零細企業の被用者の皆さんが入っておりますが、平成二十五年度の準備金残高、いわゆる累積の黒字が六千九百二十一億円になっている。これは二十二年度までずっとマイナスが続いていました。二十二年度で財政特例措置を行って、つまり、国庫補助率を引き上げて一六・四%まで上げました、そしてまた保険料率も一〇%まで上げました、これによってやっと財政が改善されて、今ここまで黒字化されたという状況だ。

では、これは今後どうなるかなんですが、これもまた見通しが暗いと言われています。恐らく、二十八年度には、つまり来年度には単年度収支が再び赤字になるだろう、二十九年度、再来年度には、この準備金の残高、黒字の積み上げというのは法定準備金を下回る、これだけ準備しておきなさいというものを下回るというふうに言われています。

つまり、保険料率も引き上げて国費の投入もふやしたにもかかわらず、改善したのは一時的で、結局またこうやって落ち込んでいく、こうなったとき、まあ来年、再来年の話ですが、そのときに厚労省はどういう対応をされますでしょうか。

唐澤政府参考人

協会けんぽの財政状況についての御指摘でございます。

協会けんぽの財政状況は、その時々の経済情勢、これは賃金の動向でございますけれども、それから医療費の動向に大きく左右されるものでございます。

協会におきましては、この健全な財政運営に資するように、これまでにも増して、ジェネリック医薬品、後発医薬品の使用の促進を初めとして、さまざまな医療費の適正化対策に取り組んでいただいているところでございます。

そして、先生から御指摘がございましたように、今、協会では一応非常に厳しいケースについて試算をしておりまして、賃金上昇率ゼロという推移ということなので非常に厳しいケースなのでございますけれども、いろいろな努力をいたしまして、なお今後、準備金残高が法定準備金を下回る、仮にそのようなことが見込まれる場合でございますけれども、これは、協会が現在の平均保険料率を一〇%から引き上げなければならないというようなことも想定しなければならないわけでございます。その場合には、今回の法案におきまして、他の被用者保険の保険料率の動向等を踏まえつつ、協会の国庫補助率について検討するという規定を設けているところでございます。この規定に従って検討をしてまいりたいと考えております。

伊佐委員

ありがとうございます。

私がちょっと興味深いなと思いましたのは、財務省の試算なんです。財務省は昨年十月に試算を出していまして、数年後の協会けんぽの準備金残高は法定準備金の二倍になる、つまり、どんどん財政はよくなっていくんだという試算を出しているわけです。

これは、厚労省と何が違うかといいますと、先ほど局長がおっしゃっていただいたとおりで、前提条件、賃金上昇率をどう置くかによって大分変わる。厚労省の場合は、確かにちょっと悲観的な数字で、ゼロ%を置いているわけです。これは、過去十年間のデータを使って、本当はゼロより下なんですけれども、とりあえずゼロで置いてみた。財務省の場合は、多少楽観的で、二%プラスアルファというような賃金上昇率を前提条件にしてこの協会けんぽの財政運営を予測している。つまり、片やどんどんよくなっていきますよ、片やどんどん下がっていきますよと。賃金上昇率が一%変わるだけで、これぐらい大きな差が出てくるわけです。

これは何を示唆しているかというと、賃金上昇率を上げるということがいかに医療保険財政の健全化という観点からも重要なんだということを示唆していると私は思っておりますので、これは厚労省の観点ではありませんが、しっかりと我々は取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。

次に、患者申し出療養制度ですが、今までも、先進医療のように保険給付の対象とするかどうか評価中のものについては、評価療養という形で保険適用の治療と併用で来ていたわけです。

今回も同じような枠組みを使おうということですが、違いは何かというと、これまでであれば病院がやりたい医療だった、今回は患者が受けたい医療というものに変わる、これが大きな違いじゃないかと思います。そもそも評価療養となるものというのは、申請するのは病院ですから、病院がやりたいものが選ばれていた。今回は患者です。

大事なことは、るるこれまで議論はありましたが、国がしっかりと責任を持って安全性、有効性というものを確認するということ、当然これは大事だと思っています。

もう一点は、将来的に保険収載をされるというのが大前提であるべきだ。つまり、これは患者申し出療養となりました、認められましたとなったからといって、ずっと未承認のままであれば、結局この制度に乗っかったままでいってしまう。つまり、保険収載されないまま、高いままでずっと、高くても売れるというような状況が続く、だからわざわざ苦労して保険収載してもらわなくても十分に市場として成り立ってしまう、こういう懸念があるわけです。

そういう意味では、保険収載をしっかりされるという前提に立たないと、お金持ちしか治療が受けられないというような、こういう危険性もあるわけですので、最終的には保険適用をしっかり目指すということが大前提だと思っております。

では、それをどう担保していくのかというのが大事だと思います。厚労省はどう担保するんでしょうか。

唐澤政府参考人

御答弁の前に、先ほどの協会けんぽの関係で、先生御指摘のとおり、協会けんぽはゼロ%という非常に厳しい場合も想定をして設定しているんですけれども、賃金の動向が非常に重要でございます。これは中小企業の賃金の動向がどうなるかということが非常に大きな影響を与えます。これをちょっとつけ加えさせていただきます。

患者申し出療養でございますけれども、保険収載に向けて実施計画の策定を医療機関に求めることとしております。これは、将来の保険収載を目指すということを前提にしておりますので、実施計画を提出させる。そして、少なくとも年一回は国に実施状況について報告を求めることとしております。その報告によりまして、計画どおりに進んでいるのかどうか、進んでいない場合には、何が問題があるのか、こういう点についてもきちんとチェックをさせていただきたいと思っております。

このようなことを通じまして、保険収載に必要なデータやエビデンスを集積して、安全性、有効性の確認を経た上で保険適用につなげてまいりたいと考えております。

伊佐委員

しっかりとこれは国がフォローアップをしていくということが大事だと思いますので、ぜひ定期的なフォローアップをお願いしたいと思います。

次の質問ですが、紹介状なしの話です。

これまでも、紹介状なしで大きな病院に行くと、特別な料金を徴収してもよいということになっておりました。具体的に言いますと、病床数が二百床以上であれば、それぞれの病院の判断で、料金を徴収するのかどうか、あるいは幾らにするのかというのをそれぞれ決められるというようなものになっておりました。今回はこれを義務化しようというものです。

ただ、ちょっと私、聞いていて、結構な額だなと思ったんです。これまで義務化されていなかった、今まで、現状では、紹介状がない場合どれぐらいお金を取られていたかというと、平均して二千百三十円です。ところが、今回、審議会で検討するというふうに言われていますが、大体五千円から一万円というふうに言われています。結構今までと比べて高い。それだけインパクトがある数字でしっかりと制度化しようということであると思うんですが。

これはもちろん、今の大病院の勤務医の皆さんの状況を見てみますと、当然、夜勤明けでそのまま日勤に入るとか、こういうのもざらだというような方もいるというふうにも伺っておりますが、この勤務医の皆さんの負担を軽減するという観点では評価できるものだと思っております。

でも、ただ、こうしてお金を上げて来にくくするというのは、インセンティブでもどちらかといえば負のインセンティブであると思っておりまして、もう一方で、では、行けなくなった場合にどこで受け取ってあげるのかというのをしっかりと用意しておかなきゃいけない。例えば、家の近くにあるのがたまたま大病院だという場合もあるわけですし。

では、その受け皿としてどうなるかというと、かかりつけ医の制度、こういうものをしっかりと確立していく、これを一緒にやっていくことが車の両輪だというふうに思っております。

先ほど、負のインセンティブと申し上げましたが、正のインセンティブとすれば、主治医機能の強化というもの、これを車の両輪としてしっかりと進めていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。

唐澤政府参考人

先生の御指摘のとおりでございまして、外来機能の大病院と、かかりつけの診療所あるいはかかりつけの中小の病院というところの機能をきちんと分担していただくということが重要なわけでございますが、これは、この定額負担だけで達成できるということではございません。

これは、その中の一つの、一環の措置でございまして、基本的には、例えば、診療報酬上で主治医機能を強化していくということで、かかりつけ医の機能を評価したりしておりますし、あるいは、今後つくっていただく地域医療ビジョンや医療計画の中で、外来機能の分化と連携というものをどうしていくかということも御議論していただく必要があると思います。

それから、なかなか患者さんには御理解いただけないところもあるんですけれども、例えば、御安心していただくために、病院とかかりつけの先生の間でICTを活用してデータがつながって顔も見えるというようなことをしていただいて、上手に分化をしていただいている事例もございますので、そういういろいろな施策をあわせて進めてまいりたいと思っております。

どういう医療機関にするのかとか、定額負担の金額を幾らにするとか、それから、例外的な、救急などは例外にしなければいけませんので、そういうことはまだ具体的に決まっておりませんので、これは今後丁寧に検討してまいりたいと考えております。

伊佐委員

ありがとうございます。

まさしく車の両輪として、こちら側もしっかりやっていきますよということを国民の皆さんに丁寧に説明しながら進めていただきたいと思っております。

最後の質問になりますが、データヘルスについてなんですが、今、データヘルス、予防、健康づくりというものがさまざま取り組みが進められておりますが、この評価の基準をどうするかというのが大事だと思っております。時間になりそうですので言いっ放しで終わりたいと思います。

特定健診とレセプトデータというのは、今持っているのは誰かというと保険者だけなわけです。このデータ面から保険者にどうやってそれを支えてもらえるかということですが、では、その保険者の頑張りをどうやって評価するのかというのが非常に大事です。つまり、予防、健康づくりにちゃんと結びついたのかどうか、評価の基準をどうするのか。

今現状、伺うところでは、後期高齢者支援金の加算・減算制度、まさしくこれは、予防、健康づくり、どれだけ頑張ったか、頑張ったところにはあめを、頑張らなかったところにはむちをというような制度になっていますが、では、これは何を基準にしているかというと、メタボ健診の実施率だけだというふうに言われています。

私は、本来、この目的というのが医療費の適正化であるとすれば、しっかりそこに結びつくような評価基準というのをつくらなきゃいけないんじゃないかと思いますので、そこはぜひ国としてもリーダーシップを発揮していただきたいと思います。

以上、本当に今回さまざまな改革案が盛り込まれておりますが、少なくとも、その本筋、一番最初に大臣に言っていただいたように、救える命はしっかり救っていくんだ、必要な医療はしっかり提供するんだ、この本筋をしっかり守った上での改革を進めていただきたいと思います。

以上、終わります。ありがとうございました。

データベースに戻る

ページトップへ戻る