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189-衆-安全保障委員会-4号 平成27年03月31日

北村委員長

次に、伊佐進一君。

伊佐委員

公明党の伊佐進一です。

本日は、長期契約法の審議ということでございますが、安保環境が変化していくという中で、しっかりした対応、備えというものを行っていく、これはもう当然のことでございますが、同時にまた、限られた資源の中で防衛力を維持整備していくという必要性もある。その中で、当然、調達において、調達の仕方をどうするのか、あるいは契約の仕方をどうするのかということは大事な議論であると思っております。

今回、この長期契約法の目的というのは、まず、しっかりまとめて買うということで、調達コストを削減しよう、減らしていこう、もう一つは、最長十年の契約で安定的な調達を行っていこうという、端的に言えばこの二つだというふうに認識をしております。

私、前職で宇宙開発に携わっていたことがございます。その中で、宇宙関連産業というのも実は今同じ状況です。つまり、宇宙関連予算というのはどんどん先細っていく、その中で、宇宙の産業基盤というのが失われていっている、こういう状況です。それで、技術を持つ下請企業、特に中小企業の皆さん、これがどんどんこの世界から撤退していっている、日本の技術が失われているというような状況になっております。

宇宙の世界では、ロケットを毎年四機打ち上げると何とか製造ラインが維持できるというふうに言われています。ところが、私が携わっていたときは、多くて年三機、少ないときは二機、一機、ゼロ機というときもありました。こういう状況の中で、企業の側からすれば、予見可能性がないとビジネスとしてなかなか成り立たない。つまり、調達コストの縮減という一つの目的ができないどころか、技術そのものがどんどん失われていくというのが現状ではないかと思います。そういう意味では、今回の長期契約法、非常に重要だというふうに認識をしております。

具体的に、今回対象となりますのが、固定翼の哨戒機P1二十機、四百億円の削減になるというふうに言われておりますが、今回、平成二十七年度の予算の中には、ほかにもいろいろな買い物があります。例えば、F35ステルス戦闘機、あるいはオスプレイとかグローバルホーク、こういう調達も入っていますが、今回、この長期契約の対象にはこうしたものというのはなっていないというふうに認識しております。これらを長期契約の対象にしなかったのはなぜかということをお答え願えればと思います。

三村政府参考人

お答え申し上げます。

長期契約の対象となる装備品等は、防衛力整備を確実に実施していくために必要となるものであって、五カ年度を超える長期契約により調達することでコストの縮減と安定的な調達が見込まれるものでございます。

具体的には、中長期的な防衛所要を勘案した上で、防衛大綱、中期防に基づき、確実かつ計画的に調達することが不可欠なものであること、製造期間を通じて仕様が安定していると見込まれ、長期契約により、企業が部品を一括で発注することなどによりコストの縮減効果が期待できるものであること、長期契約によることで安定的な調達に資するとの効果が期待できるものであることといった要件を満たす必要があると考えております。

この点、御指摘の装備品等につきましては、現段階では必ずしも製造期間を通じて仕様が安定しているとは言えず、また、長期契約によることで安定的な調達に資するとの効果が期待できるものであるとも言えないため、平成二十七年度予算においては、長期契約の対象としてはなじまないと判断したものでございます。

伊佐委員

調達コストの縮減だけではない、今、二つの目的がございますが、安定的な調達というところもしっかり考慮するんだという御答弁だった かと思いますが、この二つのうちの一つ、調達コストの縮減といったときに、これは、そもそも、長期契約で安くなるという以前に、現在の調達コストというのは果たしてどうなんだ、適正なのかという議論は常に行われているわけです。

これまで何度も指摘されてきたのは、企業からの過大請求というものが議論になっておりました。

防衛省の防衛調達の不祥事のリストというものがあります。きょうはお配りしておりませんが、この中を見せていただくと、例えば平成二十四年では八件の不祥事、平成二十五年では七件ありますが、これは、内容を見ますと、そのほとんどが過大請求です。何でこれほど過大請求が起こるのか。もしかすると契約の仕方に問題があるんじゃないかという点です。

お配りした資料を一枚見ていただくと、二つの契約方法がある。一つは、一般確定契約、上の部分。もう一つは、原価監査つき契約と言われるものです。

この一般確定契約というのは、企業との間で契約額が決まっている。その後は企業努力で、例えば、原価をどんどん安くすることができれば、その分利益が上がるということになります。当然、原価が膨らんでしまうと、その分は企業の責任として企業がみずからのみ込むということになる。最初から額が決まっているのが上の一般確定契約です。

下の方が、原価監査つき契約。これは、ある額で契約はするんですが、その後で、もし企業努力で一生懸命原価をダウンさせた、節約した、そうするとそこで利益が上がるわけですが、今回、この下の方の契約というのは、上がった利益は全部国に返納するという契約です。逆に、原価がどんどん膨らんでしまったときにはどうなるかというと、その分は、当初の契約以上は払いません、自分たち企業で責任を持って吸収しなさい、こういう契約になっているわけです。

これであれば、下の契約であれば、当然、企業としてはある程度余裕を見ないといけない、リスクを吸収できるような額にしないと商売は成り立たない。だから、少し多目に契約を見積もりたくなるというような構図じゃないかと思います。

そこで、こうした契約が過大請求の温床になっているんじゃないか。実際に、契約本数自体は、上の一般確定契約が九割で、下の契約は一割ぐらいなんですが、金額ベースでいくと大体同じぐらい、半分半分だ。つまり、下の契約の方が大物の契約が多いという認識だと思いますが、こういう契約の仕方が過大請求の温床になっているんじゃないかという指摘に対して、防衛省はどう考えられますでしょうか。

吉田政府参考人

お答え申し上げます。

ただいま先生から御指摘ございましたような超過利益返納条項つき契約でございますが、これにつきましては、片務的な契約ではないかというような指摘をこれまでも受けてまいったところでございます。

そういった御指摘も踏まえまして、防衛省といたしましては、あらかじめ契約代金を確定することが可能な場合については、先生が御指摘になられた、上の一般確定契約というようなものにするように努めているところでございます。

また、下の超過利益返納条項つき契約につきましても、米国の例も参考にしつつ、契約のリスクを官と民が適切にシェアする仕組みについて、現在、防衛省の中に設置しました有識者から成る契約制度研究会、こういった場で検討を進めているところでございます。

伊佐委員

今、こうした議論がようやく始まったという段階だと思います。先ほど御答弁の中にもありましたように、もし原価が膨らんでしまったという場合には、例えば、先ほどアメリカの例をおっしゃっていただきましたが、原価の部分は、そこはしっかり補償しましょう、コスト補償、こういうものをする米国の例もありますので、ぜひさまざま検討いただければと思います。

この調達コストが、開発するに当たってどんどん拡大していくという悩み、これは宇宙開発も同じでして、当初の見積もりよりどんどん拡大していくというのがよくあります。こうしたコストの拡大への対処として大事なことは、プロジェクト管理がちゃんと行われているかどうかという点じゃないかと思います。

つまり、技術担当だけがそこにかかわるのではなくて、運用に携わるような部局、各幕であるとかあるいは内局、こういうものも全部一緒になってプロジェクト管理がしっかりできているかどうかが大事ではないかと思います。つまり、それぞれの立場で、一方的に注文をつけるだけであればどんどんコストは膨らんでいきますので、そうではなくて、コスト管理に同じように参画する、同じようにコストに責任を持つ、運用部署も含めて責任を持つということが大事じゃないかと思います。

また、大事な点、私が思いますのは、コストが増加することに対してきちんと要因分析されているのかどうかということが大事じゃないかと思います。

アメリカの例でナン・マッカーディー法というのがあると伺っております。これは、当初の見積もりよりもし膨らんだ場合、一定以上膨らんだ場合、例えば、一定以上膨らんで顕著なコスト上昇というふうに認定される場合、あるいは、さらにさらに膨らんで危機的なコスト上昇というふうに言われた場合には、このコストの上昇の要因をしっかり分析する、そして、事業を果たして継続すべきかどうか、この必要性も判断する、大臣にしっかり報告をして、その上で公表するというような仕組みがございます。

こうした他国の例も含めて、プロジェクト管理をしっかり強化していくべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

吉田政府参考人

お答え申し上げます。

先生御指摘のように、装備品のライフサイクルを通じたプロジェクト管理というのは極めて大事だと防衛省も認識してございまして、プロジェクトマネジャー等を設置するなどの取り組みの強化を図っているところでございます。

また、その一環としまして、今御指摘ございました米国のナン・マッカーディー条項、こういったものも参考にしながら、プロジェクト管理開始時に設定した見積額に対して一定の基準を超えるコスト上昇が認められた場合については、原因をしっかり分析し、事業継続の必要性、コスト上昇に対する対処可能性とかをきっちり大臣に報告し、御判断を仰いでいく、こういった制度の運用について検討を進めているところでございます。

伊佐委員

現在検討を進めているということでございました。

今までの話は、製造コストと開発コストの問題を取り上げさせていただきましたが、もう一つは、維持管理あるいは整備の費用。今、その維持管理費用というのがどんどん高騰していると伺っております。それによって新規調達の費用を大分、予算を圧迫していると伺っております。

この一つの原因として、製造であれば、プライム企業というのがあって、そこが全部、各企業を取りまとめる、サブコンを取りまとめているというような調達の仕方をしていると伺っておりますが、実際に修理とか部品の供給、こういう点でどういうやり方をしているかというと、防衛省がそれぞれ部品のベンダーとか各企業と直接契約している。つまり、ばらばらに契約している。しかも、防衛省が誰と契約しているか。防衛省の中も、装備施設本部であったりとか各幕の補給本部がやっていたりとか、こういうやり方をしている。つまり、それぞれ複雑な契約が多重に結ばれているというような現状だというふうに伺っております。

これは、どこか一つ部品がおくれてしまうだけで装備の可動率が思い切り下がるというような状況になりますので、製造だけじゃなくて維持整備についてもプライムを採用すべきじゃないかと思いますが、簡単に御回答いただければと思います。

吉田政府参考人

お答え申し上げます。

先生御指摘のとおり、維持整備の経費をきちんとコントロールするということも大事なことでございます。

その一環といたしまして、先生御指摘のような、ばらばらに契約するのではなく、維持整備に係る業務を一括して代表企業に委託する、大臣が先ほど申し上げましたPBL契約、成果保証契約でございますが、私どもはこういったものを導入しているところでございまして、これをきちんと広げていきたいというふうに考えてございます。

伊佐委員

さまざま議論させていただきましたが、最後に大臣に伺いたいと思います。この長期契約法だけじゃなくて、さまざま、まだやることはたくさんあると思います。ぜひ、最後に大臣の決意を伺いたいと思います。

中谷国務大臣

きょうは伊佐委員から大事な点の御指摘をいただきました。

これまでも、契約方式の工夫を含めまして、維持整備方法の見直し、装備品のまとめ買い、また民生品の使用や、また規格、仕様の見直しといった取り組みを進めてまいりましたが、さらに効率化を進めるために、この長期契約法を今国会に提出いたしております。

さらに、防衛装備庁、これを設置することによりまして、装備品のライフサイクルを通じた一元的かつ一貫した管理の強化に取り組むことといたしておりまして、今後とも、重層的にこういった努力を進めてまいって、予算の効率化に取り組んでまいりたいと思っております。

伊佐委員

ありがとうございます。

限られた予算の中で防衛力を維持整備していくという観点、当然コスト削減という観点も大事なんですが、先ほど議論もさせていただいたとおり、もう一つ大事な視点というのは、技術をどうやって守っていくかという点であると思っております。

防衛技術についても、今、デュアルユースとよく言われますが、今はもう民生と安全保障、防衛の技術のミシン目というのはほぼなくなってきているというふうに認識しております。まさしく、この技術、産業基盤を守るというものが日本の技術を守るということにつながると思いますので、しっかり私も応援してまいりたいと思います。

ありがとうございました。終わります。

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