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189-衆-厚生労働委員会-4号 平成27年03月25日

渡辺委員長

次に、伊佐進一君。

伊佐委員

公明党の伊佐進一です。

質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。早速質問に移らせていただきます。

私が議員にさせていただいて一番最初に行った質問が難病対策でした。まさしくこの厚生労働委員会でさせていただいたわけです。

公明党は、これまで難病対策にずっと力を入れてまいりました。その中で、今回、新しい措置として、消費税財源を確保する、そしてまた恒久的な施策とするということで、対象の疾患も拡大しまして五十六から三百に、対象となる患者数も七十八万人から百五十万人までということになりました。これによって、本当に私の地元でも、難病に苦しんでいらっしゃる方々で今回対象となった方々から評価の声をいただきました。

非常に大きな一歩ではあったと思うんですが、しかし、私自身としてはその中で、まだ、もろ手を挙げて、よかった、万歳という状況ではないのではないかと思っております。つまり、今回対象が拡大した、ところが、まだ、残念ながら今回その対象に含まれなかった、今現在難病で苦しんでいらっしゃる方々もいらっしゃる。本日議論させていただきたいのは、その一つであります線維筋痛症の話です。

御存じのように、線維筋痛症というのは全身に激痛が走る。昨年の四月に、この厚生労働委員会で、参考人として線維筋痛症の患者の方に来ていただいてお話を伺いました。そのときにも、痛みを測定する装置があって、それによると、例えば骨折だと痛みが六百、石、痛いと言われている尿管結石で千ぐらいだ、ところが、線維筋痛症の場合は三千八百八十という痛みだというふうに言われております。

今、全国で患者数二百万人とも言われておりますが、この線維筋痛症、今回、拡大したんだけれども、残念ながら指定難病にはなりませんでした。なぜならなかったのかについて、まず伺います。

新村政府参考人

お答えいたします。

難病法の指定難病につきましては、希少性といいまして、人口のおおむね〇・一%程度に達しないこと、また、その範囲を明確にするため、客観的な指標に基づく診断基準が確立されていることなどの要件を満たす疾病であるということを求めております。

御指摘の線維筋痛症につきましては、まず、患者数が二百万人程度と言われておりまして、これが人口の約一・六%程度に当たるということ、また、自覚症状に基づいた診断方法がとられておりまして、客観的な指標に基づく診断基準が確立していないということから、現時点では、指定難病の対象として検討する段階には至っていないと考えております。

伊佐委員

二点おっしゃっていただきました。

まず、希少性、患者数が少ないからと。この趣旨というのは、患者数が少ないとなかなか製薬会社が、薬の開発にしろ治療法の開発にしろ、お金を投じていかない、だから、そういうところは研究を進めるためにしっかりと助成するんだ、これが希少性の意味だと理解しております。もう一つは、客観的な判断基準がない、つまり本当に病気かどうかわからない。

これは、実は両方とも患者さんの観点ではなくて、診る側の、本当にあなたは病気なの、わからないという観点で、ちょっとよくわからないから外しましょうと。あるいは、研究を進めるという観点から、より進めるインセンティブを与えるかどうかという、どちらかといえば患者さんじゃない立場での判断じゃないかと思います。

実際に、この線維筋痛症の方々はほかの難病と同じで、きょう資料を配らせていただいておりますが、例えば、発病の機構が明らかじゃない、つまり原因が明らかじゃないという点であったりとか、それでいて治療方法が確立していない、つまりどうやって治していいかわからない、また、長期の療養を必要とするもの、こういう点、患者さんの側から見れば、線維筋痛症であっても、あるいはほかの難病であっても、実は一緒だということではないかと思います。

ところが、そういう観点から今回は指定難病にはなっていない。当然、これは指定難病になっていないと医療費助成の対象にはならないわけですが、実は、この線維筋痛症は、この上の、難病の対象にもなっていないんです。

難病というのは全部で五百疾患ぐらい今指定されていると思いますが、発病の機構とか治療方法とかあるいは長期の療養とか、こういうものは全てクリアしている。希少な疾病というのは、実は難病の指定要件ではないというふうに伺っております。つまり、右の吹き出しのところに書いてありますように、患者数による限定というのは行っていない、ただ、ほかの施策体系が樹立されていない疾病を対象とするというふうに書かれております。

これは実は、指定難病でなければ当然医療費の助成の対象にもならないわけですが、難病の対象でもないと、例えば難病だと受けられるはずの就労支援であったりとかあるいは福祉サービスであったりとか、こういうようなものも受けられない。それはなぜかというと、左側の四つの要件は満たすけれども、ただ、ほかの施策体系が樹立されているかどうか、ここが一つ議論になったわけです。

そのときに、今、厚労省は、この線維筋痛症に対してほかの施策体系が、一定の施策体系が既に用意されているんだということだと思うんですが、では、線維筋痛症に対して、ほかの施策体系というのは実際どのような取り組みを行っているかについて伺いたいと思います。

新村政府参考人

お答えいたします。

線維筋痛症につきましては、確かに難病対策ということではございませんが、慢性の痛み対策ということの一環で対応しているところでございます。

線維筋痛症を含めました慢性の痛みを来す疾患は、身体的問題のみならず、心理的、社会的な問題に対する総合的なアプローチが必要であると考えております。

このため、平成二十一年度より慢性の痛みに関する検討会を開催いたしまして、二十二年九月に、今後の慢性の痛み対策について提言を取りまとめたところでございます。

この提言を踏まえまして、二十三年度より慢性の痛み対策研究事業を開始し、病態解明、治療法の開発などの研究体制の充実や医療体制の構築等を行っております。

また、二十四年度からは、からだの痛み相談・支援事業によりまして、慢性の痛みに苦しむ患者の方々に向けた電話相談、医療機関の紹介、あるいは一般向けセミナーの開催を行っておりますし、医療従事者向けの研修会も開催しているということでございまして、情報提供、相談体制の充実を図っております。

今後とも、研究開発、普及啓発、医療体制の構築などを進めることによりまして、慢性の痛み対策といった中でその対応の充実に努めていきたいと考えております。

〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕

伊佐委員

つまり、線維筋痛症はこの左側の四つの要件は満たしているんだけれども、一定の施策体系がある。それが、さっきおっしゃっていただいたような、電話相談をやっていますよとか、研究にしっかり取り組んでいます、痛みの研究をやっていますとか、あるいはセミナーをやっていらっしゃるということだったと思います。

厚労省もこうしてさまざま御努力はいただいておるんですが、では、患者さんの側から見てどう映っているか、線維筋痛症の方から見てどう映っているかといいますと、例えばこのセミナーでも、セミナーをやって、普及啓発、全国で線維筋痛症に苦しんでいらっしゃる方々、こういう病気だから皆さん支援してあげてください、これは年二回されていらっしゃると伺っておりますが、しかし、患者さんから見ると、年二回こういうものをやるだけで本当に普及啓発になるんだろうかと。

私の地元で、ある患者さんがいらっしゃいまして、その患者さん、駅に立っていらっしゃるんです。いつもビラを配っていらっしゃいます。私が朝、駅に立とうと思って行くと、その方が大抵先にいらっしゃって、線維筋痛症の患者として、みんなにぜひ今の病気の現状を知ってほしい、一人ででも普及啓発するんだという思いで駅に立っていらっしゃる。体調の許す限りは毎日立たれていらっしゃいます。そうしてでも患者さんの思いというのをちょっとでもみんなに知ってほしいという方がいらっしゃいます。

その方に伺いますと、病院ですら、お医者さんですら実は余り認識されていない。最初にその方が線維筋痛症と診断されたのは、実は発症してから三年かかったそうなんです。いろいろな病院を転々として回って、どこに行っても、いや、気持ちの問題でしょう、そういうのを言われ続けて、やっと三年かかって初めて線維筋痛症というふうな確定診断をされた。これは、もし早期発見されていれば、薬の服用とかそういうさまざな手当てによって重症化は防げるというふうに言われております。

こうした、お医者さんに対してもそう、国民の皆様に対してもそう、しっかりと普及啓発をやっていくということが非常に大事じゃないか、まずそれが第一歩じゃないかと思っております。

そしてまた、そもそも線維筋痛症になられた患者の皆さんが今どういう状況にあるのかというのを、ぜひ厚労省としても実態調査をしていただきたいと思っております。なかなか、データ、あるいはさまざまな実態を厚労省として調査されたものというのは今ないんじゃないかと思っています。

一つ私が見つけたのは、あるNPO法人がアンケートされて、そのアンケート調査の結果だけ私は発見することができたんですが、例えばどういうことが載っているかといいますと、就労、働くことに関しては、アンケートでは、働けない人が六七%、制限があるという方が一六%、足して八割以上の方々が就労に困難を抱えていらっしゃる。あるいは、それでいて、身体障害者手帳を受けたいという方、しかし抵抗がある、あるいは断られたという方が五〇%以上いらっしゃるとか、こういう実態があるわけです。

まず、厚労省として、線維筋痛症について、どういう実態が今あるのか、患者さんの実態調査をぜひ行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

橋本大臣政務官

お答えをいたします。

まず、委員御議論いただきましたように、普及啓発、周知徹底という御議論がありました。これは、先ほど健康局長が答弁をいたしましたように、一般向けセミナーとか医療機関の紹介だとかをしているということはございます。ただ、これが十分かどうか、御指摘も重く受けとめたいと思っております。

それと、実態調査というお話がございました。線維筋痛症につきましては、病因、病態が未解明でございまして、客観的な指標に基づく診断基準が確立されておりません。そのことが全体像の把握を困難にしているとされており、病態の解明等を目指した研究を着実に進めることが最も重要であると考えております。

このため、厚生労働省では、慢性の痛み対策研究事業におきまして、病態の解明、客観的評価に基づく診断基準の確立及び診療ガイドラインの改訂などを推進しており、その過程で、患者数や患者の背景因子、生活の質、QOLですね、等の実態把握に努めているところでございます。

今後とも、当該研究事業におきまして、患者の実態を把握しつつ、線維筋痛症を含め慢性的な痛みを生ずる疾患に対する必要な対策を推進してまいりたい、このように考えております。

伊佐委員

ありがとうございます。

実態調査をすると、いろいろなインプリケーションがあるんじゃないかと思います。つまり、どういうような対応をしていくのか。おっしゃっていただいたような研究、あるいは科学的な観点からのさまざまな調査というのももちろん必要だと思うんですが、そもそも今どういう状況に置かれているのかという点について、ぜひ調査をしていただきたいと思っております。

このイシュー、この件について最後の質問ですが、これは線維筋痛症にかかわらない話なんですが、外見で支援が必要だとわからない方々、しかし、内部にいろいろな障害であったり問題を抱えていらっしゃる方々がいらっしゃいます。そういう方々にどういう配慮ができるのかということなんです。

例えば難病の方、線維筋痛症の患者の方もそうですが、体が本当にしんどい、激痛が走っている、そのときに電車の中で優先席に座っている、そうすると周りから、若いのにあんなところに座ってというふうに白い目で見られる、そういうことを日常経験されるというようなこともお話を伺いました。

例えば、我々公明党が一つ強力に推進したものとして、マタニティーマークというのがございます。これは、妊娠の安定期に入る前、特に外見上から見てもなかなかわからないような状況で、一番体がしんどい、そういう場合には、ああ、この方は支援が必要なんだ、何らかの配慮が必要なんだとわかるようなマークの普及が今されているわけですが、同じように、見た目でわからないような難病の方々、こうした方々のために何らかのマークを全国で普及できないのかと思っております。

当然、これは難病に限らず、こういうものをつくると、ほかに支援が必要な方々にも適用できるわけです。精神的な、メンタルな病気を持っていらっしゃる方々であったりとか、内部障害を持っていらっしゃる方々とか、あるいは義足であったりとか人工関節が入っていらっしゃる方々とか、外見ではわからないんだけれども支援が必要だという方々に対するこうしたマークが必要なんじゃないかと思います。

これは、一部の自治体、例えば東京都とか、あるいはNPO法人がこういうようなマークをつくって、ヘルプマークといったり、あるいはハート・プラスマークというようなものをつくって取り組んでおりますが、しかし、ばらばらだとなかなか認知されない。ぱっと見た人が、これは何のマークだろうというのが現状じゃないかと思います。

ぜひ、難病の方々のマーク、あるいは、そこからさらに外見上わからないような支援の必要な方々まで適用できるような、こういうマークというものを統一して普及していただきたい。夏に向けて難病支援の基本方針を取りまとめるというふうに伺っておりますので、その中でぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

橋本大臣政務官

難病対策におきましてまず何が大事なのかというところで、当然ながら、難病、疾病の克服というのは大事なんですけれども、同時に、患者の方の社会参加を支援して、地域で尊厳を持って生きていただける、そうした共生社会を実現するということを基本理念としております。その上にはやはり普及啓発というのが大変重要だというのは、今委員も御指摘をいただいたことだと思っております。

これも先ほど御指摘をいただきましたとおり、難病の患者に対する医療等に関する法律に基づいて、本年夏をめどに、医療、調査研究、就労などを含めた難病対策を総合的に推進するための基本的な方針を策定することとしておりまして、本年一月から議論を開始しておりますけれども、今御指摘というか御提案をいただきましたマークの利用など今後進めるべき普及啓発の方策につきましても、その基本方針の検討の中で、患者の皆様方あるいは検討会での御議論などもいただきながら検討してまいりたい、このように思っております。

なお、一点つけ加えさせていただきますならば、今私がつけておりますバッジがございます。RDD二〇一五、世界希少・難治性疾患の日というものが毎年二月末日にございまして、イベントなどをされております。そうしたものもありますので、ぜひ委員の皆様方にも認知をしていただいて、また広めていただければありがたいなと思っております。

以上です。

伊佐委員

ありがとうございます。

難病というのは本当に、誰もがかかる、いつ発症するかわからないというような病気だ、誰もが発症する可能性がある病気だと思っておりますので、ぜひ力強い支援をよろしくお願いします。

時間も少なくなりましたので、最後、一問だけ大臣に、全く違う観点で、がん患者の就労支援について伺いたいと思います。

今、二人に一人ががんになる時代というふうに言われておりますが、その中で、実は、がんと診断されて、その時点で職を失ってしまう方々というのが余りに多い。今、現状、調査によると三四%と言われています。三人に一人ががんと確定診断された時点で会社をやめざるを得ないとか、あるいは自営業者の方々だと一三%が廃業する。

実はそれは当然いろいろな、自分自身で働けないと思ってやめる方がいたり、あるいは解雇される場合もありますし、働きたいと思っていたんだけれども、いざとなると職場に迷惑はかけられないという思い、あるいは治療と仕事をなかなか両立できない、こういうような現状がある。

それは一つは、なかなかフレキシブルな、柔軟な働き方が認められていないという点もあると思います。例えばフレックスであったり、あるいは時短、労働時間の短縮であったりとか、テレワークであったりとか。こうした、がんの患者が治療を終わって、一〇〇%、いきなりフルスロットルで働き出すことというのはなかなか難しくて、治療と復職を同時に両立しながらやっていくという観点では、いろいろな働き方、多様な働き方というのが認められるべきじゃないかと思っています。

それは決してがん患者だけじゃなくて、子育て中の女性もそうですし、親の介護にかかわっている方々もそうですし、こうしたさまざまな点、職場の理解、普及啓発もそうですが、働き方もそうですが、いろいろながん患者への就労支援について、最後、大臣の御決意を伺いたいと思います。

塩崎国務大臣

先生、大変大事な御指摘だと思います。

がんの早期発見とかあるいは生存率が上がってきているということで、がんのサバイバーは増加を続けているわけでありまして、現役世代のがん患者数が近年特に増加しているということで、就労支援を進めることは大変重要だという指摘が大分なされているというふうに思います。

昨年の十一月に内閣府が世論調査を実施しまして、報道もされておりましたけれども、仕事と治療等の両立について環境整備が十分ではない、そういう状況が明らかになってまいりました。日本の社会で、がんの治療や検査のために二週間に一度程度病院に通う必要がある場合、働き続けられる環境だと思うかという質問をしたところ、約七割の方が、そうは思わないとお答えになったというふうに聞いております。

厚労省としても、こういうような現状を改善して、がんになっても生き生きと働き続けられるように、就労支援を初め、がん患者あるいは経験者を支えるための施策をより一層積極的にまとめて推進していきたいというふうに思います。

伊佐委員

力強いお言葉をありがとうございます。
以上で終わります。ありがとうございました。

〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕

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