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187-衆-厚生労働委員会-8号 平成26年11月14日

渡辺委員長

次に、伊佐進一君。

伊佐委員

おはようございます。公明党の伊佐進一です。

危険ドラッグにつきましては、国会の中でも累次審議が重ねられまして、参考人質疑も行わせていただきました。この参考人質疑の中で、ある参考人は、これはもうテロ行為だという言葉をおっしゃっておりました。無関係の人々の命が奪われていくんだ、テロ行為なんだと。もしそうであるなら、我々国会は、徹底的に危険ドラッグに対して戦っていかなければならない、そう思っております。

この危険ドラッグ、今まで、新しいものがどんどんと出てくる、規制をかけてもかけても、中身を変えて、また名前を変えて、イタチごっこが続いてきた。このイタチごっこをどうするのか。そういう意味では、今回の法案は、イタチごっこの今の状況に対してまさしく強力な一撃を加える、そういう法案ではないか、そう思っております。

そこで、まず、提案者であります古屋議員にお伺いします。

イタチごっこの状況を脱して危険ドラッグをしっかりと取り締まっていくという今回の法案のポイントについて、御説明いただければと思います。

古屋(範)委員

伊佐委員、これまでも青年委員会の一人として薬物依存対策に取り組んでこられたことと思います。

拡大する危険ドラッグの対策を強化するために、自民、公明で危険ドラッグ対策の与党案を取りまとめました。そこに野党の皆様の御意見も盛り込んだ形で、このたび法案を取りまとめたところでございます。

今回の改正案では、まず、検査命令、販売等停止命令の対象について、現行の指定薬物である疑いがある物品に加えて、指定薬物と同等以上に精神毒性を有する蓋然性が高いものである疑いがある物品を追加し、その範囲を拡大するとともに、販売等停止命令の対象行為に広告を追加し、その範囲を拡大しています。

また、現行薬事法の検査命令や販売等停止命令については店舗ごとの規制であり、個別に命令をかけても、他の店舗で流出をとめられない問題点がありました。この問題を解決するために、販売等停止命令の対象となった物品と名称、形状、包装等が同一と認められる物品について、全国的に販売等を禁止することができることとしました。その上で、この禁止に違反した者に対し、その行為の中止等を命じ、この命令に違反した者に罰則をかける、いわゆる間接罰の仕組みを設けています。

次に、無承認医薬品や指定薬物の違法広告については、これまでの直罰に加え、より捜査機関が動きやすくなるよう、広告中止命令をかけ、その命令違反の罪を問う、いわゆる間接罰を問える仕組みを設けました。

さらに、プロバイダーの削除要請の根拠規定を設けるとともに、削除を行ったプロバイダーが損害賠償責任を負わない旨を明確化する規定を盛り込んでおり、プロバイダーが厚生労働大臣等による削除要請等に応じて違法な危険ドラッグの広告を削除する取り組みが一層進むことが期待をされております。

伊佐委員

こうした、これまでにないさまざまな新しい取り組みというのが今回盛り込まれた。あとは、これをどうやって本当に動かしていくのか、実効性を持たせていくのかということが大事だと思います。

その実効性の話の前に、もう一つ、水際対策について確認をさせていただきたいと思います。

これまで危険ドラッグというのは、海外からその多くが、原材料が輸入されてくる。輸入されてくる中で、原材料というのは、そもそも、危険ドラッグの形というよりも、その材料が輸入されて、まさしく粉末状であったりとか粒状であったりとか、これを国内で例えばハーブにしみ込ませるとかさまざまな加工をして、危険ドラッグとして売られていた状況がありました。

そもそもこの水際対策、どうやってとめていくのかということですが、今までであれば、海外からこうした化学物質が運ばれてくると、まず税関がそれを検査する、チェックをする。もし、この化学物質が指定薬物なら、禁止されている指定薬物だとわかれば、同定されれば、輸入はできませんということで不許可になっていました。

ところが、指定薬物には当てはまらなかったけれども、これはいかにも疑わしいな、怪しいな、新型のものかもしれないなと思ったとしても、もし輸入する側が、いや、これは工業用ですと言ってしまえば、これ以上調べられなかった。そのまま、怪しいものであっても、水際をすり抜けて国内に入ってきた。こういう状況でした。

今回の法案、この水際対策というのが、では、どのように変わるのか。再び古屋議員に伺いたいと思います。

古屋(範)委員

伊佐委員御指摘のように、水際対策が非常に重要だと思います。

今回の法改正によりまして、検査命令及び販売、輸入等停止命令の対象に、指定薬物と同等以上に精神毒性を有する蓋然性が高いものである疑いがある物品が追加をされました。そのような物品が発見をされた場合には、当該物品に対して、検査命令及び販売、輸入等停止命令をすることが可能となります。

この点、改正前には、検査命令及び販売、輸入等停止命令の対象が指定薬物である疑いがある物品とされているために、陸揚げしたときに税関で行われる検査で指定薬物でないことが判明した場合には、検査命令等がかけられず、輸入の許可をせざるを得ませんでした。堂々と入ってきておりました。

しかし、今回の法改正によりまして、税関で行われる検査で指定薬物でないことが判明をしても、指定薬物と同等以上に精神毒性を有する蓋然性が高いものである疑いがある物品であれば検査命令をかけることができるため、関税法の規定によりまして、指定薬物に指定されるまでの間、輸入の許可が出ず、かつ指定薬物に指定された後は輸入を不許可とすることができるようになるため、より強力に水際で国内流通を防止することができるようになると考えております。

いずれにしても、税関、また厚労省等関係諸機関がしっかり連携をして水際対策を行っていくことが重要と考えます。

伊佐委員

今までであれば、疑いがあるものでもすり抜けていた。それが、疑いがあるものは、しっかりと一度検査命令をかけてとめ置くことができるということになりました。

その上で、財務省に一点質問なんですが、疑いがあって、それが、検査をした結果精神毒性がある、新たに指定薬物として指定しなきゃいけない、つまり輸入できませんとなった。果たして、この輸入できなくなった化学物質がどういう扱いを受けるのかという点です。

これまでもそうだったんですが、税関で検査をする、疑いどころかそもそも指定薬物だったとしても、指定薬物として禁止されているものだということがわかったとしても、実は、輸入は許可しないけれども没収はできなかった。そのまま。没収はできない。なぜかというと、禁制品になっていないから。輸入禁制品に危険ドラッグはなっていないということです。

つまり、指定薬物であったり、あるいは指定薬物として検査の結果指定されたとしても、結局、わざわざ受取人に対して通知をする、通知をして、発送元に送り返しますよとか、あるいは同意を得なきゃいけない、同意を得てから初めて破棄できる、こういうような状況になっていました。こういう状況ですと、当然、摘発される心配もないわけで、業者にとったら、今伺った話では、危険ドラッグが検査されている状況でも、堂々と税関に、一体いつになったら届くんだという抗議の電話まであるというような状況と伺いました。

そこで、今回、さらに実効性を強化していくという意味では、指定薬物を禁制品にしていく、輸入禁制品にするという考えもあると思いますが、いかがでしょうか。

岸本政府参考人

お答え申し上げます。

輸入禁制品への追加という御指摘でございます。

関税法上の輸入してはならない貨物は、国民の安全などの観点から、輸入禁止によりまして効果的な取り締まりが期待できる物品につき、当該物品の規制を所管する当局の法令によりまして輸入規制が行われているかどうかということを踏まえて、対象を規定しているものでございます。

御指摘の点でございますけれども、医療用以外の指定薬物を輸入してはならない貨物に追加することについてでございますが、先生の御指摘を踏まえまして、今後、関係省庁と協議の上、前向きに検討してまいりたいと考えております。

伊佐委員

ありがとうございます。これは政府一丸となっての対応が必要だと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

さて、今回、指定薬物である疑いがあるものに加えて、指定薬物と同等以上に精神毒性を有する疑いがあるものというものもつけ加えられました。こういうものも対象になりました。

では、まず、指定薬物である疑いというものはどういうもので、どういうものが、指定薬物じゃないかもしれないけれども同等の精神毒性があるんじゃないかと疑うものか。そのそれぞれの疑いに違いがあるのかどうかというと、実はそこに差はないわけです。これは結局どこで判断するかというと、名称であって、あるいは形状であって、売られ方であって、あるいは包装で、こういうもので判断していくということになります。

そういう意味では、指定薬物である疑いというものに対する検査と、精神毒性を有するんじゃないかという疑いというものに対する検査というのは、実は、これは新しくつけ加わってはいますが、順番の問題だ、そう認識をしております。

つまり、まず、疑わしいものとして中身をしっかりとチェックする、検査をする、これは指定薬物じゃないというふうにわかったとしても、そのままとめ置いて、そのまま検査を継続して、今度は、精神毒性を有するかもしれないという疑いとして引き続き精神毒性の検査をしていくという、この二段構えになっているんだ、そう理解をしております。

そういう意味では、最初に検査命令をかける入り口、つまり名称であったり形状であったり包装で判断していくというところ、実は入り口は変わっていない。大事なことは、新しくこういうよい法律ができました、二段構えにもなりました、でも、入り口の段階でどれだけ積極的に動けるかというところがポイントなんだ、そう思っております。

そこで、今回法案が成立した暁には、厚労省の地方厚生局麻薬取締部にさらに積極的に取り締まっていただけるものかということをお伺いしたいと思います。

神田政府参考人

御指摘のとおり、この法案が成立いたしますと、指定薬物と同等以上の精神毒性を有する疑いがあるものも広く検査命令、販売等停止命令がかけられるようになりますし、それを告示することによってその効果を全国に及ぼすことができるということになりますので、全国的に機動的かつ実効性のある取り締まりが行えるようになるというふうに考えております。

御指摘のように、法案成立後は、麻薬取締部におきまして、検査命令等を繰り返し実施するなど法改正による新たな取り締まりの仕組みを最大限に活用いたしまして、危険ドラッグの根絶に向けて全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。

伊佐委員

ありがとうございます。ぜひ積極的にお願いしたいと思います。

これまでも、疑いがあるものというものだって、検査命令もかけられたし、販売の停止命令もできた。できたんですが、ただ、これが実際的に動き始めたのはことしの八月からだと聞いておりますので、ぜひ、積極的な姿勢が入り口の取り締まりを変えていくと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

次に、実効性の話に移らせていただきたいと思うんです。

まず最初に危険ドラッグが指定薬物かどうかという同定、鑑定をするわけですが、それはどこでやるかというと、たてつけ上は、地方厚生局の麻薬取締部にまず送られるということになります。そこで鑑定をして、その上で、これは未知の物質だということになれば、今度は国の機関に送る。国立医薬品食品衛生研究所というところに送ってしっかりと検査をするということになっております。

実際は、現場はどうかといいますと、現場で、つまり地方の麻薬取締部で指定薬物かどうかという鑑定をする体制、これをもっと強化しなきゃいけないんじゃないか、そう思っております。

例えば、検査をする機械一つとってみても、物すごく高価なもので、地方全部が置いているかというと、結構置いていないところが実はあってと伺っていまして、そういう場合は、同定する、これが指定薬物かどうかを鑑定することも国にお願いしてしまっている。なかなか地方で迅速な対応ができていないんじゃないか。こういう機械の問題であったり、あるいは、人員体制の問題があるのではないか、より充実させなければいけないのではないか、そう思っております。

こうして危険ドラッグ撲滅に向けて新しい法律もつくったわけですから、ぜひ、実効性をしっかりと担保していくという意味で、厚労省の体制、現場の、地方の体制も含めて、しっかりとした体制を整備すべく、必要な予算を確保していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣

伊佐先生御指摘のとおり、この法案で実効性を確実に発揮していくためには、今回御用意をいただきました新たな規定をフル活用して、全国の販売店舗に対して繰り返し取り締まりを実施しなければならないというふうに思っております。

また、検査対象物の精神毒性をできる限り迅速に評価するということが重要であって、そのためには体制が必要だという今の御指摘でございました。

平成二十七年度の予算、定員につきましては、麻薬取締部の取り締まり体制や、それから、今先生御指摘の国立医薬品食品衛生研究所、この検査体制の強化を図るために必要な予算、人員の増を今要求しているところでございまして、改正法をしっかりと執行するためにも、引き続き必要な体制確保に取り組まなければならないと思っております。

ちなみに、麻薬取締部の体制強化としては、今、三十三人の増員を要求しておるわけでございます。一方、国立医薬品食品衛生研究所の検査体制の強化として、分析機器の増設ということで一台を三台に、それから研究補助員の増員も二名から六名ということでやっているわけでございまして、先生おっしゃるように、体制を強化することが初めて実効性のある取り締まりにつながるということだと思います。

伊佐委員

大臣の力強い御決意、ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいと思います。

次に、インターネット対策について質問させていただきたいと思います。

今回、違反広告について、プロバイダーに対して削除要請ができるという新しい規定が加わりました。

ある店舗で売っているもの、この物質がもしかすると危険ドラッグじゃないかという疑いがあるということになると、まず早速検査命令をかける。検査命令をかければ、この販売が禁止され、あるいは広告が禁止になるというたてつけになっております。この検査結果が出るまでの間は、広告ができない。しかも、これは、この店舗だけじゃなくて全国で、売られている危険ドラッグそのものは全国単位で広告が禁止になる。

そういう意味で、全国単位で広告禁止になるんだからネット上だって広告もだめだということで、広告禁止に対して違反をしているので、プロバイダーに削除要請する、こういうたてつけだと理解をしております。

つまり、これは、前提は、あくまでスタートは、まず店舗で危険ドラッグが売られている、それに対して検査命令がかかるというところからスタートするんだと理解しております。

そういう意味では、店舗がなくて、まず最初にインターネット上だけで販売されている、こういうサイトがあって、だからそもそも現物がないという状況の中で、これは検査もしようがないですし、そういう意味では広告禁止につながっていかないんじゃないか、ネット上での削除要請ができないんじゃないか、こういう御懸念の声、御心配の声もあると聞いておりますが、ネット上だけで、店舗がなくて、ネットで申し込めばそれが指定した時間に届けられるとか、こういうような危険ドラッグの販売に対して、ネット対策をどのように考えたらよいかについて質問したいと思います。

神田政府参考人

先生御指摘のとおり、まず、実際の店舗で検査命令、販売停止命令をかけたものについては、告示をして全国にその効果を及ぼすことができますので、この場合は、店舗の有無にかかわらず、ネット上の販売サイトについても、違法広告ということで削除要請することができるようになりますので、これを最大限活用して販売停止に追い込んでいくこととしたいというふうに考えております。

それから、実店舗では売っていなくて、専らネットで売っているような危険ドラッグにつきましては、これは解釈を示しておりまして、形状ですとか包装ですとか名称ですとか、どういうふうに売っているのかとか、体に摂取しやすい形態かどうかということを総合的に判断いたしまして、無承認の医薬品だということになりますと、これは広告禁止違反ということになりますので、広告中止命令ですとか、これも違反広告ということになりますので、削除要請ということも進めてまいりたいというふうに考えております。

伊佐委員

実店舗がなくても大丈夫だということで、安心いたしました。しっかりと実効性を持たせた体制をつくっていただければと思います。
以上、終わります。ありがとうございました。

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