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186-衆-本会議-20号 平成26年04月22日

議長(伊吹文明君)

次の質疑者、伊佐進一君。

〔伊佐進一君登壇〕

伊佐進一君

公明党の伊佐進一です。
公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました独立行政法人通則法の一部を改正する法律案等につきまして質問させていただきます。(拍手)

改革に必要なものは何か。それは、大胆な決断力と、そして何よりも、それに至る前、丁寧な責任ある議論と、検証の努力だと考えます。

地に足のついた議論のないまま、ただただ見せかけの決断力だけでは、国民にとって不幸な結果となるでしょう。数合わせだけの統廃合、見せるためだけの給与カット、業務量を考慮しない人員削減など、パフォーマンスの改革、ポピュリズムの改革から、政治は脱却すべきだと考えます。

責任ある政権与党として、地に足をつけて、丁寧かつ大胆な改革を前に進めていく、その決意で、以下、質問させていただきます。

平成十三年の制度開始より十数年、独法制度の行き詰まりは、幾度となく指摘されてまいりました。

その原因の一つは、一律的、硬直的な制度運用にありました。
現在、独法と呼ばれている法人は、その業務も、また由来も、ばらばらです。公共事業のファイナンスを行う法人もあれば、研究開発を行う法人もあり、病院もあれば、美術館もある。また、行政機関の一部であった法人もあれば、特殊法人あるいは認可法人であったところもある。

多種多様な法人を、独法という一律的、硬直的な枠組みに押し込めて、共通の横串で縛ってしまった、ここに大きな問題がありました。

一方、本来独法を管理監督すべき主務大臣は、目標は示すが評価は行わない、こうした状況でした。
つまり、制度官庁である総務省の過剰関与、そして主務官庁の責任不在が、この十数年間、独法制度を非効率化させてまいりました。

そこで、大臣にお伺いします。
本法案において、制度官庁である総務省と各独法の主務官庁の役割はどのように変わるのか、お答えください。

評価について伺います。

現行制度下において、現場は評価疲れという状態にあります。

例えば、研究開発を行う独法であれば、毎年度の業績評価、政策という観点から行われる政策評価、行革事務局が制度官庁となる行政事業レビュー、総合科学技術会議の指針に基づくプロジェクト評価、そして、研究者同士が評価するピアレビュー。毎年のように行われるこうした数々の評価の事務作業によって、研究活動に専念できない、こうした研究者の声も伺っております。

さらに言えば、こうしたさまざまな評価の結果が、財務省の予算査定あるいは総務省の機構定員の査定に必ずしも結びついていないという現状が、より現場を疲れさせております。

そこで、大臣にお伺いします。

今回の法改正によって、こうした評価疲れがどのように解消され、また、PDCAサイクルに反映させるのか、お答え願います。

次に、三つの分類について伺います。

これまでの一律的、硬直的な横串規制を改め、独法制度に三つの分類を設けたことは、評価いたします。三年から五年の目標期間を有する中期目標管理法人、研究開発の最大限の成果を目指す国立研究開発法人、そして、国の行政事務と密接に関連し、単年度ごとに管理される行政執行法人。

しかし、同じ分類の独法であっても、業務は多種多様です。また、単一の独法の中でも、多様な性質の業務を行っている場合もあります。例えば、国立病院機構は、地域医療のほか、研究活動も、あるいは災害対応などの政策医療も行っております。

こうした現状を考えれば、それぞれの類型の中で、新たな横串規制が新たな硬直性を生む、こういう結果とならないよう、実際の運用において柔軟な対応が認められるべきだと考えますが、大臣の御所見を伺います。

国立研究開発法人について伺います。

世界で最もイノベーションに適した国を目指す安倍政権において、研究開発を担う独立行政法人の役割は、ますます重要になっております。

独法制度の目的が、事務の執行をいかに効率的かつ効果的に行わせるのかである一方、研究機関が第一に目指すべきものは、効率ではなく、研究開発の成果の最大化であります。そして、その目的の違いから、独法制度が研究開発の足かせとなる場合もありました。

例えば、評価については、効率を定量的にはかる独法制度では、社会をどう変えたかという定性的な評価が困難でした。あるいは、予測が難しい研究開発活動が、五年の中期目標期間ごとに分断されるとの指摘もあります。また、独法制度の総人件費削減によって、グローバルな人材獲得競争の中、優秀な人材を集めることも困難でした。

そこで、大臣に伺います。

今回の法改正において、これまで研究開発の現場が抱えていたこうした課題がどう解決されるのかについてお答えください。

次に、世界トップレベルの成果が期待される法人である特定国立研究開発法人については、別法により、特別な措置がなされる予定となっております。どの法人が対象となるかについては、総合科学技術会議の決定を踏まえて今後選定されるものと理解しております。

そこで、この特定国立研究開発法人に関する法案提出の方針を改めて確認させていただくとともに、今後、世界で最もイノベーションに適した国を目指し、その対象機関を随時拡大していくべきだと考えますが、大臣の御所見を伺います。

法案提出者に伺います。

政府案が、過剰な横串規制を反省し、主務官庁の責任の所在を明確にするのに対し、民主党、みんなの党提出の法案においては、必要以上の横串規制となっていないかが懸念されます。

独法幹部の採用においては、一律に公募制を義務づけるとしております。しかし、これまで、公募制は、必ずしも成果を上げておりません。また、報酬の上限の設定は、例えば、世界との人材獲得競争の渦中にある研究開発機関にまで当てはめるのは、疑問を感じざるを得ません。
法案にあるこうしたさまざまな規制が、独法の多様性を縛る画一的な横串規制とならないかについて、法案提出者に伺います。

最後に。

本法案は、十数年の運用で見えてきた独法制度の課題解決を図るものですが、しかし、これで終わりではありません。限られた財政、人的資源をフル活用し、国民の皆様の期待にお応えする、この視点に立って、新しい独法制度についても、引き続き、その運用状況を監視し、不断な見直しが必要だと訴えさせていただいて、私の質問とさせていただきます。

ありがとうございました。(拍手)

〔国務大臣稲田朋美君登壇〕

国務大臣(稲田朋美君)

伊佐議員にお答えいたします。

通則法改正案における総務省と主務官庁との役割についてお尋ねがありました。

今回の改革では、法人が政策の実施機関であるとの位置づけに鑑み、主務大臣のもとでのPDCAサイクルを強化することとしており、主務大臣が法人に目標を指示するとともに、毎年度、責任を持って業績評価を行い、その結果に基づき、必要な業務の改善を命令できることとしております。

一方、制度官庁である総務省については、各主務大臣がその責務を全うできるよう、総務大臣が、業務の特性に配慮した目標、評価に関する指針を策定するとともに、総務省に置かれる第三者機関が、主務大臣による目標設定や中期目標期間終了時の業績評価をチェックすることとしております。

本法案における評価疲れの解消と、PDCAサイクルへの反映についてお尋ねがありました。

本法案では、各府省の評価委員会と総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会が毎年度の業績評価に関与する現行制度を改め、主務大臣が、毎年度、業績評価を行うこととしております。また、総務省に置かれる第三者機関は、中期目標期間の業績評価をチェックし、基本的に毎年度の業績評価には関与しないこととして、評価事務の簡素化を図っております。

また、運用においても、行政事業レビュー、政策評価、総務省の行政評価・監視などと連携し、これらの情報を活用することで、法人の事務負担にも配慮しております。

業績評価の結果については、法人が中期、年度の計画や業務運営の改善に反映させることを法定するとともに、評価結果に基づき主務大臣が法人に業務運営の改善を命令することが可能な仕組みとしております。

法人分類における柔軟な運用についてお尋ねがありました。

今回の制度見直しで三つの法人分類を設けることとしましたが、御指摘のとおり、同じ分類に属する法人であってもその業務内容は多種多様であり、分類の中での一律的な取り扱いとならないよう配慮していくことが必要です。

このため、法の運用に当たっては、法人の事務事業の特性に十分配慮する旨を通則法に明記することとしており、これにより、各分類の中でも、個々の法人の事務事業の特性を踏まえた柔軟な運用を図ってまいります。

独立行政法人における国立研究開発法人への対応についてお尋ねがありました。

今回の独法通則法改正法案において、研究開発を主たる業務として行う法人に対し、研究開発の最大限の成果を確保することを目的とすること、総合科学技術・イノベーション会議が、研究開発の事務事業の特性を踏まえ、研究開発の事務事業に関する指針案を作成すること、目標期間を最大七年に長期化すること、給与の支給基準の策定に当たり、職員の職務の特性や雇用形態等も考慮事案とすること等の措置を講ずることにより、御指摘のような課題に対応することとしております。

これらの取り組みにより、研究開発の特性を踏まえた弾力的な業務運営を可能とし、研究開発法人が、世界で最もイノベーションに適した国を目指し、我が国の研究開発を牽引することが期待されるところです。(拍手)

〔国務大臣山本一太君登壇〕

国務大臣(山本一太君)

特定国立研究開発法人についてお尋ねがありました。

国際競争の中で、世界トップレベルの研究開発成果を生み出し、そうした成果を科学技術イノベーションの創出につなげていくことは極めて重要な課題であり、科学技術イノベーションにより成長戦略を推進していく上で、特定国立研究開発法人制度は意義のあることと考えます。

総合科学技術会議では、特定国立研究開発法人制度の創設に当たっては、世界に対して影響力の大きい、我が国を代表する、科学技術に関する総合的な研究機関と言える理化学研究所及び産業技術総合研究所を対象法人候補といたしましたが、今般のSTAP問題を踏まえ、法案の提出時期などについては、理化学研究所における今後の対応を見きわめた上で、総合的に判断する必要があると考えます。

なお、特定国立研究開発法人の選定に当たって考慮すべき要素及びそれに基づき選定される対象法人については、社会経済情勢、科学技術イノベーション政策の動向、研究成果及び活動状況等を踏まえ、今後、必要に応じて見直しを行うこととしております。(拍手)

〔大島敦君登壇〕

大島敦君

伊佐議員にお答えいたします。

御質問いただきまして、まことにありがとうございました。

今回の閣法は、民主党政権時代の閣法をベースに検討されたものでありますが、御指摘の、規制に関する部分では、長、監事などの採用の際の公募の義務化、役員の報酬上限、役員の定年について相違点があります。

まず、公募の義務化でありますが、ポイントは、主に税金で運営される独法の、役員人事の透明化であります。国民の懸念を払拭するために、公募により広く人材を集め、例えば、第三者である有識者が選考過程に入ることなどで、広く開かれた形で人事を行うべきだと考えます。

役員の報酬上限について、伊佐議員の懸念は私も共有しております。確かに、研究開発機関などで極めて優秀な研究成果を有する研究者や象徴的な著名人を招聘する場合、画一的な報酬規定を当てはめれば、障害になりかねません。

このような懸念を踏まえ、私たちの法案でも、役員報酬は業績を考慮と規定し、上限額についても、民間企業の役員の報酬等その他の事情を勘案と明示しています。画一的な報酬規定を適用することを義務づけるものではなく、柔軟な対応ができるような規定になっているものと考えます。

役員の定年についても、同様の趣旨であります。

いずれも、ポイントは透明性であります。独法の事業実施に必要不可欠な人材の獲得を妨げる趣旨ではありません。

一方で、過去に、公務員OBが独法や公益法人などの役員に繰り返し就任し、高額な報酬、退職金に対して国民から批判を受けたことも、事実であります。

このようなことを繰り返さないためには、可能な限り公開し、国民の適切な監視のもとで独法運営を行うべきだと考え、織り込んだ規定であります。

何とぞ、伊佐議員にも御理解を賜りたいと存じます。

ありがとうございました。(拍手)

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