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186-衆-安全保障委員会-6号 平成26年04月08日

江渡委員長

次に、伊佐進一君。

伊佐委員

おはようございます。公明党の伊佐進一です。

本日は、防衛省設置法案の改正法案の質疑ですが、その前に一問だけ。
週末に行われましたヘーゲル国防長官の訪日の際に、大臣とも会見をされたと伺っておりますが、それについて一点だけ確認をさせていただきたいことがございます。

それは、集団的自衛権の取り扱いについて。

米国の、これまで日本の集団的自衛権についての議論というのは、米国はどういう立場でいたかというと、これは日本自身が決めることだ、だから日本がもし議論するということであればそれはウエルカムだし、また日本が決断するのであればそれはウエルカムだ、歓迎するというような、これまで一貫した姿勢を持ってきた。つまり、米国としては、みずからが外圧になるような見られ方をするのを避けたいという思いがこれまでずっとあったというふうに私は認識をしております。

ところが、今回、一部報道に見られましたのは、米国の姿勢が変わった、積極的に変わったと。

つまり、これは、ヘーゲル国防長官が大臣とともに共同会見、プレスの会見に臨まれたときに、プレスの方から、日本の集団的自衛権の議論についてどう思うかという質問をされた。そのときに、ヘーゲル長官は、そのウエルカムという表現、これまで使ってきた表現じゃなくて、サポートという表現を使った、支持するんだと。これで大きく、実は米国は日本に対して積極的な姿勢を示したんじゃないか、こういうような報道がなされておりました。

そこで、大臣にお伺いしたいのは、このヘーゲル長官との会見の中で、今まで米国の姿勢が、集団的自衛権に対する米国の姿勢が、少しでも何か変化があったのか、大きな変化が見られたか、どう感じられたかについて、お伺いしたいと思います。

小野寺国務大臣

六日に開催しました日米防衛相会談におきまして、私の方から、集団的自衛権の問題につきまして、日本国内での議論の現状について簡潔に説明をいたしました。

その中で、ヘーゲル長官は、これは自後の記者会見の場でありますが、米国が、集団的自衛権に関する憲法解釈の再検討を含めて、世界及び地域の平和と安定に貢献するため、より積極的な役割を果たそうとする日本の取り組みを歓迎するという旨、また、記者の質問に答える形で、日本の利益に基づいて自衛権の問題を検討することは日本の責任であり、米国はその努力を支持するという旨の発言をされました。

このような発言の中身といいますのは、私としましては、ヘーゲル長官は、集団的自衛権に関する議論も含みつつ、幅広い我が国の安全保障上の努力について歓迎あるいは支持するという趣旨で発言されたと理解をしております。その立場というのは、昨年十月の日米2プラス2の時点と同じようなスタンスにあると承知をしております。

伊佐委員

ありがとうございます。

先ほどの大臣の御答弁、つまり、集団的自衛権というよりも、日本が今さまざまな議論をしていることに対して、全体として支持しますというような発言であったか、そう認識しております。

ヘーゲル長官が、この記者会見の場所でも、この言葉を使う前にも、やはりいつもと同じように、まず日本自身が決めることだということをしっかりと発言された上での、そういうラインでの発言だったというふうに認識しております。
そういう意味では、今回のこの報道というのは少し前のめりだったのではないかなと私も思ったので、あえて確認をさせていただきました。ありがとうございました。

それでは、防衛省設置法の改正法案について、何点か質疑をさせていただきたいと思います。

まず一つは、定員の話です。
よく言われておりますのは、防衛省の自衛官の数というのは、数字が三つあると言われております。三重の基準になっている。

まず一つは、予算上の定員。予算上の定員というのは、今、各部隊が任務遂行で必要な数がどれぐらいか、これを精緻に積み上げていく。そして、これぐらい必要だというものが予算上の定員という形になっています。

この予算上の定員に合わせて、毎回、防衛省設置法を書きかえていく。そこで、法律上の定員というのを書きかえることによって、国会で審議することによって、この数自体をシビリアンコントロールとしてしっかりと管理していくという手続をとっていると認識しています。

この法律上の定員と実際上の必要性からくる予算上の定員というものが長らく乖離をしておりました。それは、この三年間、四たびにわたってこの設置法案というのが廃案になった。その乖離というのも、今回もしこれで改正されれば、この二つの基準の乖離というのは解消されるということになります。

もう一つの基準が何かといいますと、これが実員です。実際の自衛官の数。実際の自衛官の数は、先ほど申し上げた、任務遂行で防衛省が必要だと思っている実員の数と比べて、大分少ない状況になっております。今回の法改正事項になっている予算上の定員あるいは法律上の定員というのは二十四万七千百六十人、ところが、実員は二十二万八千九百四十三人と、二万人近く差があるわけです。

そこで、まず質問は、任務遂行にとって必要だと積み上げた数字と実際の実員が違うということに対して、防衛省はこの差をどう考えるかということを質問させていただきたいと思います。

徳地政府参考人

お答えを申し上げます。

先生から御指摘ございましたとおり、自衛隊の定員、これは、自衛隊の任務遂行に必要な自衛官の人員数を積み上げたものでございます。

しかしながら、実際には、これは過去の経緯がございますが、自衛官の募集、採用が非常に困難であった時代というのが昔ございました。そのときに、定員分の人件費、糧食費を計上しても実際に執行が困難であったということもございました関係から、予算効率化という観点から、当時、実員、実際の人数ということで、そういう概念を導入いたしましたので、定員に対する実員という問題が生じてきたわけでございます。

しかしながら、定員というのは、あくまで任務遂行のためにこれだけのものが必要であるということを我々の方から申し上げて、そういうような勢力の設計をしているわけでございますので、この乖離があるということ自体、そもそも好ましくはないんだろうというふうに考えております。

自衛官の充足の向上、これは、特に自衛隊の体制強化という観点から、これからますます重要な課題となっていくと考えておるところでございます。二十五年度に引き続きまして二十六年度も、南西地域の警戒監視体制それから実効的な対処能力の充実強化という観点から、七十一名の自衛官の実員を増員いたしまして、さらに充足を向上させることとしておりますけれども、今後とも、この自衛官の充足の向上についてはしっかりと取り組んでまいる所存でございます。

伊佐委員

この定員の話をするときによく議論になるシビリアンコントロール。シビリアンコントロールは、定員が一応上限になっているんだ、だから実員が上限以下であればシビリアンコントロールはきいているんだ、こういうように防衛省は言われるわけですが、そもそも必要だと思う数が予算上の定員であるはずなので、我々は、防衛省が、どれぐらいの人員が必要かというもの、この数を議論していると思っておりますので、ぜひ、そういう意味では、シビリアンコントロールをしっかりときかせていくという意味でも、実員と定員の乖離というものはできるだけ解消に努力をしていただければと思っております。

次は、防衛省改革について質問させていただきたいと思います。

ここ数回、この防衛省設置法案、改正法案というのは廃案になりました。その廃案になる過程の中でどういう審議があったかというと、これまでの廃案になった改正法案の中にも、今回に含まれていますような定数の話であったりとか、あるいは防衛審議官の話であったりとか、あるいは部隊の改編、こういうものも入っていたわけです。

ところが、指摘をされたのは、防衛省改革の取り組みがまだまだ不十分だという議論がありました。つまり、防衛省全体としてどういうように改革していくのかという全体の絵の中で、では、どういうポストが必要で、どれぐらいの定員が必要でと、こういう議論がそもそもあるべき姿じゃないか。そういう意味で防衛省改革がまだまだ不十分だということで、これまで数次にわたる国会の審議でも指摘があったというふうに伺っております。

では、今回、ここに至りまして、防衛省改革はどこまで進んだかという話ですが、防衛省改革については、さまざま報告書がございます。平成二十年には防衛省改革会議の報告書、あるいは平成二十五年には「防衛省改革の方向性」というものも示されました。

その示された報告書の中に幾つか課題があったと思うんですが、幾つかの課題は、今回の、今審議しております改正法案の中でしっかりと盛り込まれている。ところが、幾つかはいまだ積み残しになっているところがあります。

例えば、一つは部隊運用の一本化。部隊を運用するとき、オペレーションする中で一本化していく必要がある。陸海空の統幕に、今まで例えば内局の運用企画局でやっていたようなものも全部、統幕に一元化しよう、そこで、情報が二つのルートから伝わるのではなくて一本化しましょう、こういうような議論があったかというふうに伺っております。

もう一つ、大きな積み残しとしてありますのが、装備品の取得、調達をどう効率化するかというところです。これまで、陸海空それぞれ、幕僚でばらばらに調達をしていた、ここを一本化しましょうという議論もあったと思います。具体的には、防衛装備庁というのを設置しよう、こういう議論さえあったというふうに伺っております。

こうした積み残しの課題について、今後、防衛省はどういうようなスケジュールで進めるかについてお伺いしたいと思います。

黒江政府参考人

防衛省改革の進め方のスケジュールという点についての御質問でございます。

先生御指摘のとおり、我々、昨年の八月に「防衛省改革の方向性」という考え方をまとめて、現在、これに基づいて改革を実施しておるわけでございますが、この改革の方向性の中で、各事項につきまして、短期、中期、長期といったようなタイムスケジュールの分け方をしてございます。これは、防衛省改革そのものが、組織の改革であると同時に、自衛官、事務官を問わず、職員の意識の改革ということもございますので、段階的に着実にやっていこう、そういう考え方に基づくものでございます。

その上で、先ほど御指摘ございました部隊運用の一元化の問題、それから、防衛力整備の効率化という中で防衛装備庁の設置も視野に入れる、そういう問題でございますが、これにつきましては、中長期で取り組む事項ということで我々としては区分をいたしておりまして、具体的には、早ければ平成二十七年度の概算要求、すなわちことしの夏に政府として取りまとめさせていただく概算要求の中に計上できるように、現在、防衛副大臣を委員長とする改革の検討委員会で検討を進めておる、そういう状況でございます。

伊佐委員

これまでの防衛省設置法の審議の中でもう一つ大きな課題になったのが、先ほど武藤先生からもお話のありました防衛審議官、この新設に伴って、何をスクラップ財源にするか。スクラップ・アンド・ビルドの中で、新しいポジションをつくるために、では何を総務省に差し出すかというような議論の中で、前回までは防衛監察本部の副監察監。しかし、これは、これまでの改革の流れから逆行するということで、反対の討論の理由にもなったと伺っております。

では、今回は何をスクラップ財源として差し出すのか。中身を見ておりますと、例えば、大きなものでいいますと地方協力局の次長。これは、地方協力局というのは、全国の基地とか駐屯地とか、そういった地元対策を行うところだというふうに伺っております。現在お二人いらっしゃるので、ここを一人削って一人にしましょうというスクラップ財源だというふうに伺っております。

今、特に私が質問させていただきたいのは、沖縄の地元対策、沖縄の方々との意思疎通の問題です。今、沖縄は非常に重要なときでして、地元からは五年以内に運用停止というようなことを求められていて、我々政府としても、これをいかに加速化させていくかという議論をしているところだ、そう認識しております。あるいはグアムへの移転というのもあって、この重要な時期の中で地方協力局次長というのがカットされるということになります。

ぜひ、私は、この地方協力局次長がたとえ減るようなことになったとしても、決して、沖縄の地元の皆さんとの意思疎通を、別におざなりにする、そういう意図じゃないんだと、ある意味、もしかすると、ここは全省的な対応として沖縄の皆さんとしっかり話を進めさせていただきたい、こういうような決意を、改めてこの場で聞かせていただければと思います。

若宮大臣政務官

お答え申し上げます。

今、伊佐委員から御指摘の防衛審議官の新設ということに関しまして、法律に設置を規定いたします高位職でございますものですから、特に、行政の肥大化を防止するという観点から、相応のスクラップ財源をやはり出さざるを得ない、こういった実情がございます。そういったところで査定当局との調整をした結果が、最終的に、御指摘の地方協力次長を、それからまた課長級ポストを三つ、スクラップ財源ということとさせていただいております。

特に、沖縄との調整を含みます地方協力局の所轄業務につきましては、今までもそうですし、それから現在も、そして御指摘のとおり、これから先も大変重要な任務であり仕事であると思っているところでございます。複数おります大臣官房審議官の活用など、委員からも御指摘、御指導をいただきましたとおり、業務に支障がないことはもちろん、御地元の皆様方の御意見、御意向もしっかりと踏まえて、引き続き、十分な注意力を持って対応させていただきたい、このように思っているところでございます。

伊佐委員

ありがとうございます。

次の質問ですが、航空戦術教導団、これを新しく今回の法改正で組織として新設するということを伺っておりますが、この航空戦術教導団というものが一体どういう趣旨で、何を行う組織として新設されるかということを御説明願えますか。

徳地政府参考人

お答え申し上げます。

航空自衛隊の航空戦術教導団、これは我が国の防空能力の相対的な低下を回避して、航空優勢を確実に維持できるように、高度な戦術技量の一層効果的な向上を図ることを目的といたしまして、これまでの訓練支援機能を統合するものでございます。飛行教導隊それから高射教導隊、基地警備教導隊、これらは今でも航空総隊のもとにありますが、これに加えまして、さらに電子戦の関連の組織、こうしたものを部隊として統合する、こういうものでございます。

具体的には、航空戦術教導団として、例えばF15といったような戦闘機、それからペトリオットといったようなミサイル、こうした機能の異なる複数の部隊を組織横断的に用いた部隊の運用方法である戦術を継続的に調査研究をする、それから、電子戦機能も含めた各種の機能を連携させた教導訓練を行うというようなことを主たる目的とするものでございます。

伊佐委員

つまり、今までばらばらになっていた教授陣の方々をまず一本化して一緒のところに集めましょうという話であったりとか、あるいは、航空部隊の戦術研究、それぞれにやっていたものを一つの場所で統合的に戦術の研究をやっていきましょう、そういう意図だと。つまり、何か新たなミッションが与えられているわけではないということでよろしいでしょうか。

というのは、一部、またこれも報道でありましたのは、今回、この新しい航空戦術教導団をつくるということによって、策源地攻撃、敵基地攻撃の研究に着手というような報道がありました。

これは、防衛大綱の中でも、「弾道ミサイル発射手段等に対する対応能力の在り方についても検討の上、必要な措置を講ずる。」つまり、敵基地攻撃、策源地攻撃については検討して必要な措置を講ずるというふうに書かれているわけですが、この検討とか必要な措置がまだなされていないままに戦術面の研究だけ始まってしまうということじゃないんだろうなということ、ここだけ確認させていただければと思います。

徳地政府参考人

お答えいたします。

先ほど申し上げましたように、機能の異なる複数の部隊を組織横断的に用いた戦術を継続的に調査研究する、それから電子戦機能を含めた各種機能を連携させた教導訓練によりまして部隊運用能力を向上させる、それから実効的な対処を目指す、こういうものでございまして、先生御指摘の、防衛計画の大綱にありますいわゆる対応能力の検討というものとは全く関係のないものでございます。

伊佐委員

最後にお伺いをさせていただきたいのは、サイバー攻撃への対応ということについて質問させていただきたいと思います。

言わずもがなですが、サイバー攻撃の脅威というのが今ますます高まっておりまして、各国、いろいろな例があります。エストニアでサイバー攻撃を受けて政府の機能あるいは金融ネットワークが打撃を受けたであるとか、あるいはイスラエルでシリアの核開発施設を爆撃したときにも防空システムを無力化したとか、いろいろな例があります。

我が国においても、先月、三月末にサイバー防衛隊というものを立ち上げたと伺っております。現在九十名ということですが、これは、今定員が、先ほど申し上げたように、二十四万七千百六十人、ところが、今、九十人がサイバー防衛隊と。本当に九十人で大丈夫なんだろうかという課題があると思います。

アメリカでは、今回、ヘーゲル国防長官が来られる前に、米国のサイバー防衛隊についてこう発言されています、二年間で七倍にする、六千人程度にすると。

アメリカは、どんどん国防予算が減っていて、そしてまた陸軍もどんどん縮小している中で、これぐらい、サイバーについては七倍にふやすんだというような意気込みで取り組んでおりますが、最後に質問させていただきたいのは、我が国の今九十人ということに対して、今後どういうふうに充実強化していくのかについてお伺いしたいと思います。

小野寺国務大臣

御指摘のサイバー防衛隊、これは発足したばかりであります。これから日米で、これは協力関係を今結んでおりますので、しっかりと充実した形にしていきたいと思っています。

伊佐委員

以上で終わります。ありがとうございました。

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