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186-衆-予算委員会第五分科会-1号 平成26年02月26日

関主査代理

これにて高木宏壽君の質疑は終了いたしました。
次に、伊佐進一君。

伊佐分科員

公明党の伊佐進一です。

十二時間近くにわたりまして本当に長い長い分科会ですが、やっと最後のバッターになりました。もう最後ですから、三役の皆さんお疲れのところで、ゆっくりとリラックスした気持ちで聞いていただきたいと申し上げたいところなんですが、私のきょうの質問は、本当に地域の皆さんの深刻な声、悲痛な声、そこからさまざま質問させていただきますので、申しわけありませんが、もう少しの間おつき合いいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

まず最初に質問させていただきたいのは、障害者の就労の話です。

障害者就労施設、A型、B型、さまざまありますが、例えばB型で就労されている障害者の方々は、今、十七万六千人。毎年二、三万人のペースでふえ続けています。どんどんふえています。では、これに合わせて工賃が上がっていますかということなんですが、給料が上がっているかといえば、微増です。この五年間でふえたのは一割だけ。しかも、この五年間は、工賃倍増計画ということで国が一生懸命取り組んだ、取り組んだ結果としてやっと一割上がったというのが今の現状です。

今、全国の平均月収が一万三千五百円で、特に私の地元の大阪はひどくて、佐藤副大臣もそうですが、九千円台、一万円を切っているという状況で、これは本当に、働きに行って、交通費を出してお弁当代を出せばもう足が出るというような状況です。

そこで、まず政府に、事務方にお伺いしたいのは、今の障害者就労に対する厚労省の支援、充実させるべきだと思いますが、現在の取り組みについてお伺いしたいと思います。

蒲原政府参考人

お答え申し上げます。

委員御指摘のとおり、障害者の方々が地域で暮らすというためには就労支援が極めて大事だというふうに認識をいたしております。
このため、障害者の総合支援法におきましては、一つは、一般就労を希望する方に、きちっと一般就労に届くように就労移行支援ということで一定の事業を行うほか、一般就労が難しい方々に対しましては、先ほど話がございましたように、就労継続支援事業ということで、雇用型のA型、あるいは非雇用型のB型、こういった事業を実施しているところでございます。

こうした取り組みによりまして、一般就労への移行の状況ですけれども、二十三年度の実績で五千六百七十五人ということで、平成十五年と比較して四・四倍。一方で、A型、B型を合わせた就労継続事業の利用者、先ほど話がございましたけれども、一年間で約一割増ということで、数はふえてきている、こういう状況でございます。

お話がございましたとおり、工賃についてまだまだ伸びが十分ではないという点はありますけれども、ここについても、例えば事業者の経営力を向上させるだとか、あるいは、各事業者が自分だけの窓口を持つのではなくて、共同の窓口を持つことによっていろいろな受注が進むといったこともありますので、そうしたことを支援すること。さらに言えば、障害者の優先調達推進法ができましたので、こうしたことに基づく支援というのをやっているところでございます。
こうした支援について、引き続き、就労支援が進むように取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

伊佐分科員

ありがとうございます。

御答弁いただいたとおりで、政府はこれまでさまざま努力はしてきたんです。工賃倍増計画もそうですし、優先調達法もそうでした。でも、結果は残念ながら、工賃という点でいえば、大きな効果が上がったかというと決してそうじゃなかった。

では、この理由は何なのかということなんですが、それはもしかすると、さまざまなやり方というのは、ある意味、市場ルールに合わないような、ちょっと無理をして制度をつくったんじゃないかなと思います。

それはどういうことかというと、例えば、障害者の皆さんの得意分野をどうやって生かしていくのかという観点であったりとか、そしてまたさらに、そういう得意分野が生かせる付加価値の高いような仕事、いわばもうかる仕事をつくればいい。でも、果たしてそんな都合のいい話があるのかということなんですが、ちょっと一例を紹介したいと思うんです。

銅、金属の銅です、銅線のリサイクル。実は、銅資源というのは日本は昔たくさんとれたんですが、この銅資源は今ほとんど、例えば解体現場で出たりとか、あるいはいろいろな工事現場で出たりとかするものを、全部、中国とか東南アジアとか、安いところに持っていっている。そこでリサイクルしています。何でかというと、むくのが大変なんです。

では、中国、東南アジアへ持っていって何をするか。細かい銅線はむけないので、結局、野焼きをするんです。そうすると、そのまま土壌汚染が広がっていく、こういうような実態。日本は銅が足らないのに、銅資源をどんどん出している状況なんですね。

実は、これに目をつけたある物づくりの中小企業さんがありまして、ある機械をつくったんです。これは何かというと、銅線、いろいろな雑廃線を太さに合わせて機械に差し込むと、するっとむけるというのをつくったんです。本当に細い、野焼きしなきゃいけないほどの直径五ミリ以下の銅線でも、きれいにむけるというものなんです。これを障害者施設へ持っていったんです。

障害者の方々というのは、根気が非常にあったりとか、集中力が非常にあったりとか、この雑廃線としていろいろな太さのものがごちゃごちゃっと来るのを、全部太さをきれいにより分けて、こつこつされるんです。それを太さに合わせて全部きれいに入れて、するっとむいていく、こういうような作業をされていらっしゃる。実際、その施設に私も行って、障害者の方に話を聞くと、非常にきれいにむけるし、この仕事が楽しい、好きだということを言っていただいている。

この銅のリサイクルで、リサイクルされる銅線の量は一時間当たり五千円なんです。それぐらいの、工賃アップに効果があるような取り組みをしていらっしゃる。そういう、工賃も改善されるし、資源のリサイクルにもなるし、環境にも優しいという取り組みをされていらっしゃいます。

では、これをほかでもやったらいいじゃないかということなんですが、そういう提案でほかのB型施設を私も訪ねていろいろ話したんですが、実はそう簡単じゃないと。なぜかというと、多くの就労施設というのは本当にかつかつの中で経営されているわけですね。これは機械一台数十万ぐらいなんです。それでもその数十万が出せないわけですよ。
就労B型の施設でよくあるのは、例えば、施設全体で内職をして、いろいろな作業をして、もらえるお金が施設全体で月五千円なんです。自分たちの持ち出しで今経営を何とかしている。月五千円しか収入がないのに、数十万のそんな設備投資はできないという状況なんですね。

先ほど、いろいろ支援を言っていただきました。支援のメニューの中で、厚労省の今の支援で、確かに社会福祉施設整備費補助金というのがあります。これは百八十億円あります。ところが、実態は、平成二十四年度でいえば、B型施設に投じられているのは十億円です。しかも、実はこの使い方が非常に厳しくて、これは、新しく新設する、今から立ち上げますよという人にはお金を出しましょうと。だから、先ほど申し上げた、かつかつの経営の中で何とか業種転換して新しいことをちょっとの後押しでできる人に対してはお金が出せない、こういう状況です。

しかも、例えば施設設備整備といっても、これまた使い勝手が悪いのは、地面に固定できる機械じゃないとだめなんです。先ほど申し上げた、ああいうするっとむける機械、これは本当にちょっとした投資です。さまざまなちょっとした機械の投資が実は対象外。固定されるものじゃないとだめだというルールがあるんですね。

こういうような、本当にちょっとした後押しをすれば高付加価値の仕事ができる、そういうネタはあるんですね。こういうところにちょっとしたお金をつけるような、そういうサポートができないかという提案をさせていただきたいんですが、厚労省の御所見をお伺いしたいと思います。

佐藤副大臣

今、伊佐委員の方から、現実にごらんになられた銅線のリサイクル、一時間に五千円の工賃という、すばらしいコストパフォーマンスの話を伺いました。

今、質問の中でも言われましたように、障害者の日中活動の場等の基盤整備を推進するために、現在、社会福祉施設等施設整備費国庫補助金によりまして、社会福祉法人等が整備する施設の建設費等の一部について財政支援を行っているところであります。この名前のとおり、施設の建設費等の一部について国が二分の一財政支援しましょう、こういうところなんですね。平成二十五年度補正予算で百四十八億、平成二十六年度の予算案で三十億円、そういう予算をつけているところなんです。

ただ、当該補助金は、新設のところだけではなくて既存の事業所についても、経済情勢の変動等によりまして、例えば受注量の減少等に対応して、事業品目の転換、要するに事業の業種を変更しますよ、そういうことを図るために必要な機械設備の整備を行われるとか、あるいは、技術革新等に伴う既存設備の更新、要するに古いものを更新しましょう、こういうものを行う場合について、条件は、施設と一体的に整備され、かつ施設に固定される設備等の購入費及び工事費等を補助対象としている。

ですから、今、具体的に私も見ていないのでそれがどうなのかわからないんですけれども、例えばクリーニングの機械であるとか印刷の機械というような、施設と一体となっているようなものについては当然認められる。しかし、施設と一体的に整備されない設備、小型の機械等、今は余りないかもわかりませんが、例としてはミシンなどの、そういう小さい機械等については補助の対象外。

そういうことになっているのが今現状でございますが、しかし、今後とも、今そういうお話をるるいただきましたので、就労支援事業所等の基盤整備を着実に推進していくことは、しっかりと厚労省としても努力をし、検討してまいりたい、そのように考えております。

伊佐分科員

ありがとうございます。

副大臣おっしゃっていただいたとおりで、業種転換するとしても、結局、建てかえなんですね。建てかえをして初めてできる。大型のものなら認められるけれども、ちょっとした背中を押す小型のものは認められないというような現状ですので、ぜひ御検討いただきたいなと思うんです。

先ほどたまたま私は電線の話を例にとりましたが、今いろいろな取り組みがあって、例えば水耕栽培、ちょっとした農業を小さい場所でやろうとか、あるいは福祉と農業の融合、いろいろな取り組みがあって、そういう後押しで何かできることが、もしかするといろいろな今の状況を救うことになるかもしれませんので、ぜひ積極的な御検討をお願いしたいと思います。

では、次の質問に行かせていただきます。

次は、一人親家庭への支援。

母子家庭あるいは父子家庭の皆さん、今、一人親家庭の置かれている環境というのは大変な状況でして、平均所得は一般子育て世帯の四割と言われております。一人親の、お母さんの非正規雇用率は約半分。子供の貧困率というのを見ますと、大体、全国平均で子供の貧困率は一五・七%です。ところが、一人親世帯では五〇・八%。つまり、半分以上の子供が一人親世帯では貧困ラインを下回っているというような状況です。

この一人親家庭への支援として大事な視点は何かというと、いかに自立できる環境をつくっていくかということだと思います。生活ができる仕事をまず見つけられて、しかも、その仕事と子育てをしっかり両立することができてという、この自立の環境をいかにつくれるかということが大事だと思うんです。

これまで、政府の就労に対する支援策をいろいろ勉強させていただくと、例えば、まずあるのが高等職業訓練促進給付金。これは、職業の訓練中に、あるいは研修中に、研修を促進する、その間にさまざまな補助金を出すというプログラムなんですが、これはあくまで、高等職業と書かれていますように、看護師さんとか一定の職業に限られるわけですね。つまり、高等じゃない職業は対象になっていないというのが今の現状です。

あともう一つありましたのは、在宅就業支援事業というものです。在宅就業という、つまり内職ですね、内職の仕事で、そのための訓練とかあるいは業務開拓とか、こういうものに対して支援をしてというもの。ところが、これは今年度でなくなったということです。(発言する者あり)

関主査代理

ちょっと速記をとめてください。

〔速記中止〕

関主査代理

速記を起こしてください。伊佐君。

伊佐分科員

先ほどの話の続きですが、今、一人親家庭への支援というのは、先ほど申し上げたように高等職業訓練というものがありますが、これは当然、一部の職業に限られていますねという話。もう一つは、在宅就業支援事業。これは内職で、内職の方々の訓練とか業務開拓とかをしようということですが、今回これはなくなったんですが、内職といいましても、内職で得られる月収なんて五千円ぐらい、平均五千円だということを伺っております。当然そんなのじゃ生活もできないし、子供を育てることもできないという中で、この事業は打ち切りになりました。

では、かわりに何をやるのかということなんですが、一人親家庭への就労支援という観点で、当然、我々公明党もずっと支援の拡充というのを求めてまいったんですが、厚労省はどのように一人親家庭への就労支援について取り組んでいくのかについてお伺いしたいと思います。

高鳥大臣政務官

伊佐委員におかれましては、文科に引き続いての質問、大変御苦労さまでございます。

委員おっしゃるとおり、一人親家庭が経済的に自立するためには、安定した就業が極めて重要でございます。このため、母子家庭等向けの就業支援や講習会の実施、資格取得を支援するための給付金等の支給、母子家庭の母を含む子育て中の人を対象としたハローワークでの相談支援、これはマザーズハローワーク等でございますが、就業支援に取り組んでいるところでございます。

またさらに、就業支援を強化するため、資格取得を支援するための給付金等を法定化し、非課税とすることなどを内容といたしました、一人親家庭支援の充実を盛り込んだ法律案を国会に提出いたしました。また、平成二十六年度予算案には、母子自立支援員に加え、新たに就業支援専門員の配置による総合的な相談窓口の整備、転職やキャリアアップのための就業支援や子供への支援の充実強化を盛り込んだところでございます。

こういった取り組みによりまして、引き続き、父子家庭も含めました一人親家庭への支援充実に努めてまいりたいと考えております。

伊佐分科員

ありがとうございます。

さまざまな取り組みをしていただいているところだと思うんですが、ただ、今いただいたさまざまな話は、どちらかといえばソフト面の話、例えばコンサルティング機能をどうやって拡充していくかというような話じゃなかったかと思います。

ソフトだけじゃなくてハードの部分といいますか、例えば先ほど申し上げた高等職業訓練促進給付金では、研修とか訓練を受けている間に一定の給付金が出るわけですね。こういうような、高等じゃない仕事の方々にもぜひ、職業訓練とか研修を受けていらっしゃるシングルマザーの方とか父子家庭の方には、一定額の補助金をお渡しするということもあるんじゃないかなと思っております。

今、四月に消費税も上がって、物価もこうやって今上がってきているという状況の中で、本当に一番苦労されている方々のところにさらにしわ寄せが来ることのないように、ぜひ積極的な取り組みをお願いしたいと思います。

次の質問は、歯科技工士の質問をさせていただきたいと思います。

健康寿命をいかに延ばすかというのが、今の社会保障の中の一つの大きなテーマだと思います。その中で、言わずもがなですが、歯の役割というのは非常に重要で、歯が健康であればおいしく食べられて、内臓も強くなって、健康寿命を延ばすことにつながっていくということだと思いますが、歯の健康、歯科の中で、その土台を支えていらっしゃる技術者集団というのが歯科技工士の皆さんであるわけです。入れ歯とか差し歯とかを、日本人特有の本当の手先の器用さで、こういうものを患者さんに合わせて細かくつくっていただく。

ところが、今、歯科技工士さんの置かれた環境というのは非常に厳しいものがありまして、診療報酬もなかなか大きく上がらないという中で、小さなパイを歯科医師の方々と分け合っているというような状況。

歯科技工士さんの離職率は今何と八割、つまり、一年以内に十人のうち八人が仕事をやめるというような状況です。これは、よく介護業界の方々が、介護士さんは本当に離職率が高いですという話になりますが、介護業界の方でも二三%ですから、いかに歯科技工士の皆さんの離職率が高いかということがわかると思います。せっかく学校で学んで、また修練を積んで、技術を身につけて、そして仕事をされるわけですが、その多くの方々がやめられて、日本の得意分野であるような歯科技工士の技術というものがなかなか維持できない。非常に切迫した状況になっているというのが今の状況です。

こうして歯科技工士さんの環境が悪くなっていく中で、では何が起こっているかというと、例えば、義歯なりいろいろな歯をどんどん諸外国にアウトソーシングしていくというような状況が起こっています。

さまざまな外国、少し安いところにお願いをして、多少材料が悪かったとしても、あるいは材質が悪かったとしても、技術が落ちたとしても、とにかく何とか安くつくってくれるところにお願いをする。安かろう悪かろうと言ってはあれですが、そういった歯がもしどんどんどんどん広まってしまうと、結局、そういう歯はすぐ悪くなってしまいますので、時には、もしかすると患者さんの健康にも影響を及ぼしていくかもしれないというのが今の状況だと認識しております。

こうした今の歯科技工士さんの置かれた環境をどうやって改善していくのかというのは、喫緊の課題であると思うんです。どうやってこの技工士さんの技術を守って、質を向上して、希望を持てるような環境をつくっていくかということです。

幾つか、さまざまな動きはあると伺っております。幾つか提案もございます。例えば、この資格試験、国家試験については全国統一試験にして、質の向上を図っていきましょうというような提案があったりとか、あるいは、歯科技工所の中でも無届けの技工所の方もいらっしゃって、この無届けのところにはしっかり取り締まりを強化していこう、あるいは識別番号を付与するというような提案もあると聞いております。

こうしたさまざまな取り組みがあると思うんですが、今の離職率八割という中で、なかなか若い人たちが集まってこないようなこの職場、歯科技工士さんの置かれた環境をどうやって改善するか、質の向上を図っていくかという点について、積極的な取り組みをお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

原(徳)政府参考人

お答えいたします。

歯科技工物につきましては、御質問にもございましたけれども、義歯などもございますが、最近は、インプラントなどの高度な技術を必要とするものが増加してきております。このため、歯科技工士の資質の向上が望まれているところでございます。

従来、歯科技工士の国家試験そのものは、実技試験の実施の面から、歯科技工士の養成施設の所在地の都道府県知事が実施をしていただいております。地域によっては、このような高度な技術に係る試験問題を作成することが、あるいは出題することが困難な状況になってきていると聞いております。

このため、国家試験を全国統一試験とすることにつきまして、今回、歯科技工士法の改正についてお諮りをお願いしているところでございます。また、これによりまして、試験問題、合否判定のレベルの均一化を図ることによりまして、歯科技工士の資質の向上、ひいては安全で安心な歯科技工物の提供ができると考えております。

また、先ほどの無届けの技工所の問題でございますけれども、これにつきましては、技工物を注文する歯科医師側がしっかり確認していただくことも大事でございますけれども、届け出をしているかどうかの確認をどうやってするのか、こういう問題もございますので、都道府県等におきまして、届け出があった場合の証明書等の発行をしていただくようにお願いしておりますし、また、都道府県においてもそのような管理をしっかりしていただくということを依頼しているところでございます。

伊佐分科員

ありがとうございます。

歯科技工士の皆さんの環境をいかに改善していくかということが、恐らく、また結果として国民の健康寿命を延伸していくということにつながっていくと私は確信しておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。

次の質問ですが、死体検案、というのは、亡くなった方々の原因特定とか身元の確定とかの話です。

これは、特に災害対応として非常に重要でして、今も三十年以内にマグニチュード八から九の地震が来ると言われている中で、例えば、こうした災害で不幸にも被災された方々が亡くなって、その亡くなられた方々の身元確認とかあるいは原因の特定とか、これをして、御遺族のもとに一刻も早くお返ししてさしあげるという、この体制をどうやって整備していくかというのが重要だと思っております。

死体検案書というのがありまして、これは、何が原因で亡くなったかというのを調べて助言する、そのための紙なんですが、この死体検案書というのを書けるのは今医師だけです。お医者さんだけ。それで、この検案書を作成する過程の中で、もし解剖する必要がある場合、この場合は、死体解剖資格というのを持った方々が解剖するということになっています。

ところが、この体制が日本では非常に不十分だと長らく言われておりまして、本来解剖を行うべき御遺体で、実際に解剖されているのは約一割と言われています。これは北欧諸国は大体八から九割と言われていますので、相当差がある。今後どうやって日本のこの検案体制を充実させていくか、特に都市部では本当に喫緊の課題になっています。

こうした危機感を持っていただいて、政府の中でもさまざまな報告が取りまとめられてはいるんですが、昨年六月に、死因究明に関する推進計画というのを取りまとめていただきました。ところが、そこにどう書いてあるのかというと、死体の検案及び解剖の実施体制の充実について、「今後、検討会において更に議論を深めていくこととする。」、議論を深めますということが書いてあるだけなんですね。

今まさしく議論していただいていると思うんですが、そこで、どうやって充実させていくかの中での一つのアイデアとして、例えば歯科医師の方々、死体解剖資格というのは歯科医師も取れますので、この解剖資格を持った歯科医師の皆さんでも検案書を作成できるようにしたらいいんじゃないかという考え方もあります。

先ほど申し上げたとおり、死体解剖というのは最後に死体検案書を作成するために行うわけなんですが、この解剖資格は医師だけじゃなくて歯科医師も取得できる。つまり、この資格さえ持っていれば、解剖は医師と同じようにできる知見が歯科医師の皆さんもあるわけです。ところが、そうやって歯科医師の皆さんが、死体解剖資格を持った者が死因を特定したとしても、そこを解剖したとしても、最終的には、その検案書を書けるのは歯科医師じゃだめで医師になっている。もしこれが歯科医師でも書けるようになれば、より迅速な対応ができるんじゃないかなという考え方もあります。

そこで、こうした提案を含めて、この検案体制の充実という点、しっかり充実させていく必要があると思いますが、どう厚労省として考えられますでしょうか。

原(徳)政府参考人

死体検案の体制の問題でございますけれども、現在、死因究明等推進計画検討会において、最終報告書の取りまとめに向けた検討が進められていると聞いております。
厚生労働省としましては、死因究明体制の充実を図るため、平成二十六年度予算案におきまして、総額約一億五千万円の計上をしているところでございます。

具体的には、検案体制の充実を図るために、国立保健医療科学院で実施してきました死体検案講習会を、もう少し幅広くしやすくするために、来年度から日本医師会に委託して、講習会の回数をふやすなどを考えているところでございます。
引き続き、死因究明体制の充実に向けて努力するとともに、死因究明等推進計画の取りまとめに向けて、内閣府など関係省庁と連携してまいりたいと考えております。

伊佐分科員

ありがとうございました。

もう一つ、この死体解剖資格の認定手続が実はかなり複雑でして、ここを簡素化していただきたいということもあわせてお願いしたいと思います。

最後に、三分延長していただけるそうなので、介護のやりがいについての話を質問させていただきたいと思います。

介護職員、今百五十万人ですが、二〇二五年には一・五倍以上、二百五十万人近くが必要になると言われています。これは先ほど申し上げたように、介護業界の離職率は二三・七%です。実態調査をして、何でやめたのかというのをやめた方々に調査をして聞くと、その結果として多いのが、まず、収入が少なかった、もう一つが、自分の将来の見込みが立たなかったということをおっしゃいます。

まさしく今、どんどん超高齢化社会の中で、介護職員の環境をどうやってつくっていくのか、これもまた喫緊な課題なわけですが、どうやって、やりがいのある、これはいい仕事、夢を持てる仕事だなというのを持っていただくか。

それで、実は、事業者の皆さんが独自に努力していただいている例もありまして、千事業所ぐらいが応募して、そこでまず書類選考する、その中で、あるいは介護事業所間で投票して、五つの事業所を選んで、この五つの事業所が最後に決勝戦ということで、東京でやるんですが、プレゼンをやるわけですね。そのプレゼンは、例えば、介護を通じてこういうやりがいを感じていますとか、あるいはこういうような感動のエピソードがありましたというプレゼンテーションをする。最後は、その中で、日本一として、この人が今回ナンバーワンですよというのを決めていく。そういう取り組みの中で、介護に対するやりがいを高めていこうという取り組みをされていらっしゃる方々もいらっしゃいます。

そういう方々のお話を聞くと、介護を憧れの仕事にしたいんだという思いがある、こういう思いでいろいろな取り組みをされていらっしゃるということです。こうした取り組みについて、いろいろな御意見はあると思うんですが、ただ、一石を投じるという意味では、意味のある活動をされていらっしゃるんじゃないかなと私は思っております。

そこで、最後に質問ですが、この介護業界、やりがいある仕事として、若者が集まってくるような仕事として、どういうふうに介護業界を盛り上げていくかということは重要な取り組みだと思いますが、処遇の改善も含めて、厚労省として応援をぜひいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

原(勝)政府参考人

お答え申し上げます。

介護に従事されている方々がやりがいを持って仕事をしていただくということは大変重要なことだと思っておりまして、そのためには、まず事業主、事業者みずから、あるいは事業者団体に取り組んでいただくということがやはり大事じゃないか。先ほど議員が御指摘になりました取り組みも、これは事業者団体が自主的に取り組んでおられるということでございまして、そういうことではないか。

その上で、国としても、そうした事業主の取り組みを支援しつつ、介護人材を確保するという観点から、例えば、介護技術の向上に積極的に取り組めるようにキャリアパスを確立していく、あるいは、事業主が研修受講を支援するなどのキャリアアップ支援による資質の向上、これを支援していく、さらには、介護職員の処遇改善あるいは労働条件等の環境改善等を一体的に行っていくということが重要ではないかと考えておりまして、今後とも国としても努力をしていきたいと思っています。

介護は価値ある仕事であるという意識が国民の間に共有されることが重要であると考えておりまして、介護職員の専門性に対する社会的認知度のアップなど、介護に従事する方のやりがいにつながるように私どもも努力をしてまいりたいと思います。

伊佐分科員

本当に大変な介護業界だからこそ、その介護の世界から日本を変えていくんだ、元気にしていくんだという思いで頑張っている方々もいらっしゃいますので、ぜひ積極的な御支援をよろしくお願いします。
以上、終わります。ありがとうございました。

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