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186-衆-予算委員会公聴会-1号 平成26年02月25日

二階委員長

次に、伊佐進一君。

伊佐委員

おはようございます。公明党の伊佐進一です。

質問させていただきますが、その前に、四人の公述人の皆様には、本当に御多用の中お越しいただきまして、また、御貴重なお話をいただきましたこと、心より御礼申し上げます。

まず最初に、私、質問させていただきたいのは、増田公述人に、人口減少の話がございました。人口減少と国と地方の関係について少し質問させていただきたいと思います。

今お話しいただいたのは、大都市に対しての人口流入がとまらない。しかも、これは単なる人口じゃなくて、この人口というのは若年層で、先生が使われていたのは人口再生産力という、子供を産む世代がどんどん入っていっている。ところが、流入していく先の大都市は非常に出生率が低いという中で、東京だと一・〇九ですので、そういうような状況の中で、結局、論文の中で増田公述人が書かれていたのは、ブラックホール化している、若い世代がどんどん都市に集まって、しかもそこで子供が産めなくなる、これが人口減少にどんどん拍車をかけているんだというようなお話だったかと思います。

では、これをどうするか、この今の状況をどうやって食いとめて、反転攻勢していくかということです。

中長期的にどういう持続可能性のある発展を目指していくかということになると思いますが、これは、今中央にある権限を地方にどんどん移譲したらいいんだという、単にそういう話でもないと思います。例えば、各地域の行政ブロックの中にどういう経済社会活動の拠点になるようなものを具体的につくっていくのかということが大事じゃないかと思います。

そこで、私、注目してきょう質問させていただきたいのは、地方部局のあり方です。

最近の流れの中で一つ大きな話がありまして、PMDA―WESTという話がありました。これは何かといいますと、医薬品とかあるいは医療機器とか、そういうものの審査をする機関、PMDA、これは東京にありますが、これを関西にも持ってこようということで、PMDA―WESTというものを昨年の十月にオープンいたしました。関西というのは医療機器とかあるいは医薬品産業の集積地ですので、そういう場所でしっかりと審査あるいは相談できるようなものをつくっていこうということで、PMDA―WESTをつくった。

私はかねてから実はずっと申し上げていることがありまして、それは何かといいますと、関西特許庁というものなんです。つまり、特許の申請あるいは相談をするときに、わざわざ東京に行くんじゃなくて、それぞれの地域の行政ブロックでできないかな、知財戦略の一環にもなるんじゃないかな、そう思っております。

これを特許庁の方々に相談すると何と言われるかといいますと、いや、今はもう全部ITなんです、電子申請で全部できるんですと言われます。あるいは、この審査のプロセスの中で面接というのがあるんです。この面接も、今やもうテレビ面接できるんですよと特許庁の方は言われる。

でも、実際、地元を回って中小企業の物づくりの皆さんに話を聞くと何と言われるかというと、いや、そんなの全然だめです、やはり会って、例えば、部品を持っていって、審査官の前で、ここのところを実はもうちょっと削らないといけないんですよとか、あるいは、ここのこのカーブがこういう機能があるんですよ、こういうのを目の前で話をして、顔を見て話をすることによって、やっと物事が前に進むんだというのが中小企業の皆さんの声だと私は思っております。結局は、そういう意味で、中小企業の皆さんも、わざわざ一極集中している東京に足を運んで、そこで特許庁に相談するというのが今の現状です。

ちなみに、海外はどうなっているかといいますと、例えばアメリカの場合、特許商標庁というのがあります。本部はワシントンDCの郊外にあるんですが、例えば支部はダラスにあったりとか、あるいはシリコンバレーにあったりとか、いろいろなところにある。欧州も一緒で、欧州特許庁というのはミュンヘンにあるんですが、ところが、支社がハーグにあったりとかウィーンにあったりとか、さまざまなところに、ベルリンにもあります。中国も、北京に本部があるんですが、広州とかあるいは蘇州とかにある。

そこで、私の質問は、こういう地方部局のあり方について、今、行革の流れの中で、行革というと、とにかく地方部局を全部潰していけば、なくしていけば行革なんだというような発想で物事が進みかねないような状況にあると思います。やはりこういう地方部局については、しっかりと戦略的に、どういうところを残して、どういうところをつくって、あるいは拡大させていくのかという議論が必要だと思いますが、この地方部局の考え方について、増田公述人に質問したいと思います。

増田公述人

お答えを申し上げます。

人口減少全体の問題は、出生率の低下の問題、これは地方でもいろいろ努力できる。しかし、もう一つ大きな我が国の特徴は、東京に全部集まってしまうという、こちらの問題で、これは世界的にも例がなく、日本特有の問題で、地方で幾らやっても限界があって、地方も努力するんですが、やはり大きな国策として、そういうことをどう考えるかという問題だと思います。

その大きな枠組みの中で、今お話がございました地方支分部局のあり方も考える項目の一つであろうとお話を聞いておりました。
さらに言いますと、それぞれの地域でいろいろなことを完結してやれるような仕組みづくりをしていくということが、恐らく地域の雇用にもつながると思います。

確かに、特許などは、ITを使って中枢でいろいろな審査自体はできるかもしれませんが、正式な審査の過程と同時に、今お話ございましたような、実際にはその間にさまざまなやりとりが行われることが多いであろう。そうしたやりとりを通じて、その地域地域のいわば知的リソースがどんどん拡大していくような効果などもやはり期待できると思います。

私は、どういう手続が中央で、どういう手続を地方に残すかというのは、個別に見ないとわからないので今この場でなかなか即答はできかねますが、やはり全体として、地域でさまざまな審査体制をしたり、さまざまな手続を行うのがふさわしいものは、きちんとやはり地域に置いてそうしたものを行うということが、表面的な審査の過程のみならず、全体としての地域の循環経済をつくっていく上で資するのではないかというふうに思います。
ありがとうございます。

伊佐委員

非常に有益な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。

もう一つ、ちょっと全く角度を変えまして、国と地方の関係で、あるいは大都市と周辺地域、地方との関係で一つ大きなテーマになりますのが、原発のごみの話、高レベル放射性廃棄物、この処分地をどうしていくかという話なんです。

日本は、これまで長い間手挙げ方式で、地方のどなたか引き取ってくれますか、ところが、住民投票をすると全部ひっくり返るというような状況になっていました。今我々が進めようとしているのは、国が一歩前に進みまして、そこで客観的に、科学的な見地から候補地を探していく、その上で、地方の皆さん、自治体の皆さん、あるいは周辺住民の皆さんと議論を進めていこうというようなやり方を進めていこう。

当然、ごみの問題、もう世界じゅうが悩んでいますので、人類史的な課題だと言われています。フィンランドのオンカロというのが有名になりましたけれども、あれも結局原発二基分しかごみが捨てられませんので。脱原発ということでドイツもかじを切りましたけれども、ドイツでも二〇二二年までに原発ゼロにすると言っておりますが、結局、彼らも悩んでいるのは、高レベル放射性廃棄物、これをどうするか。

私、ドイツに昨年行ってきたときに、もともとゴアレーベンという場所に捨てようと決めていた、この方向で話が進んでいた。ところが、やはり最後、決め切れなくて、昨年の四月、全部ひっくり返して、白紙撤回しました。

では、今、ドイツは何をしようとしているかというと、国だけじゃなくて、地方自治体も全部入れて、予断なく、ゼロベースでもう一回議論し始めましょうと。すばらしいのは、そこに科学者も入れて、実は、さらに広く、例えば哲学者を入れて、宗教者も入れて、芸術家も入れて、国民各層からいろいろな参加を得てここで議論していきましょう、そういう取り組みを行っている。二十年かけて結論を出そうというようなことを行っているそうです。

では、翻って、日本はどうするかということですが、国が一歩前に出ますということで進めようとしています。でも、最終的には、当然、受け入れてくださる自治体とか、あるいは周辺自治体とか、周辺住民の皆さん、意見調整しなきゃいけない、御理解を得なきゃいけないというような状況で、たとえ受け入れてくださるところがあったとしても、恐らく周辺地域の反発というのは相当あるでしょう。そうなったときに、その自治体と周りの自治体との調整をどうするかとなると、当然、広域行政自治体といいますか、今でいえば都道府県が大事な役割を担っていくということになると思います。

そこで、お伺いしたいのは、原発の高レベル放射性廃棄物もそうですが、こうした課題について、国と地方がどういうような役割分担、どういうような連携をして進めていくべきかという御所見をお伺いしたいと思います。

増田公述人

お答え申し上げます。

私も、今、経産省の高レベル放射性廃棄物処分問題のワーキンググループの委員長をやっております。

その中での議論も大分積み重ねてきておりますけれども、私、きょうの公述人の立場で考えを申し上げますと、やはりこういった高レベル放射性廃棄物の問題というのは、いわゆる行政学上も、NIMBY問題、ノット・イン・マイ・バック・ヤード、うちの裏庭にだけは置いてほしくないんですが国全体としては必要な問題という、大変難しい問題で、この問題の解決の鍵は、やはり当事者間できちんとした信頼感あるいは安心感といったものが醸成されること、それが必要だ。したがって、各国とも、長い年月をかけて、そうした信頼感がお互いにでき上がることを醸成するような仕組みをつくってきているというふうに思います。

個々に選定のプロセスを変えることも必要だと思いますが、やはりそういう大きな信頼感をつくる枠組みとして、これはフィンランドも決めましたが、あとスウェーデンも場所を決めております。スウェーデンを調査しましたところ、それぞれの地域にLKOという、知的向上委員会と訳すようですが、関係者みんなが入って、長く議論できるような場づくりをきちんと原発ごとにしている。

あるいは、フランスも間もなく、ビュールというところが候補地に挙がっているようですが、いろいろ選定が大詰めに来ていると言っていますが、CLISと呼んでいる、そういう地域での議論ができる、関係者みんなが入った場がありまして、そこに国も自治体も、関係者、事業者はもちろんですが、入って、原子力発電の問題を当初から忌憚なくいろいろ議論していく、そういう積み重ねが長くあるようでございます。

したがって、今までは、とかく事業者と自治体が話し合う場はございましたが、まだまだそういった場への関係者の参加が十分でなかったのではないかというふうにも思っておりますので、こうした、今委員がお話ありましたような国と自治体、それから多くの関係者、県と市町村もまた立場が違いますし、それから事業者、そしてさまざまな地域の団体がございますが、そういった人たちがこの問題を議論できるような場づくりをどう設定していくのかというのが、これから大変大事なポイントになるのではないかというふうに思っております。

伊佐委員

ありがとうございました。

もう一つ伺いたいことは、実は、社会保障のあり方、ちょっと時間が恐らくないでしょう、言いっ放しで終わらせていただきたいと思います。

社会保障のあり方として、これから、今、地域包括ケアシステムというものをどうやって進めていくかという議論を行っているわけですが、その中で、当然、その意味というのは、地域地域の特色に合わせて、あるいはニーズに合わせて、どういったそれぞれに合ったモデルをつくっていけるかというのが大きな議論になっているわけですが、その中で、どうしても避けて通ることのできない、議論が必要だと思うことが、診療報酬のあり方だと思います。

今、診療報酬というのは全国一律で決められてしまっております。ところが実際は、当然、都市部もあれば、過疎地もあれば、山間部もあれば、それぞれによっていろいろな医療の状況が違う、あるいは、どういう病気になっていくか、疾病の状況も違うという中で、増田公述人もどこかで診療報酬について少し触れられていたことがあったんじゃないかと思いますが、地方と都市という関係性を考えるときに、こうした社会保障の分野においてもまたさまざまな形を変えていくことが必要なんじゃないか、診療報酬のウエートについても考え直していく必要があるんじゃないかなということを、増田公述人もおっしゃっておりましたので、一言述べさせていただきます。

本当は、もう一つ、実質賃金について神津公述人にお伺いしたかったところなんですが、今、政労使の会議もやっていただきまして、実質賃金について、しっかり政府・与党としても、これを上げていくんだという決意だけ申し述べさせていただきまして、私の質問とさせていただきます。
ありがとうございました。

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