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183-衆-消費者問題に関する特別委員会-6号 平成25年05月21日

吉川委員長

これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊佐進一君。

伊佐委員

おはようございます。公明党の伊佐進一でございます。
本日は、大臣、副大臣御出席のもとで、このように質問の機会をいただきましたこと、心より御礼申し上げます。
本日は、一番最後に大臣に御決意をお伺いしたいと思いますが、その前にいろいろとさまざまな内容についてお伺いしたいと思います。

まず一点目は、食の安全、安心とTPP、この交渉についてのお伺いをさせていただきたいと思います。

四月の十二日、日米の間で書簡が交換されました。この書簡の交換をもって日米協議というものが合意に至った。この書簡の中で、TPP交渉と並行して日米の間で議論するという分野が指定されております。その分野の一つ、衛生植物検疫措置、これが明示されております。これはまさしく食の安全と安心にかかわるところであって、今後、恐らく食品添加物、この規制緩和を含めてさまざまな議論がされるのではないかというような報道がなされております。

この日米の書簡の交換の後に、甘利大臣、記者会見でこうおっしゃっております。食の安全、安心に関する基準、これはしっかり守るんだと強調していただいております。改めまして、この食の安全、安心はTPP交渉においてもしっかり守るという政府の御決意を聞かせていただければと思います。

石井政府参考人

お答え申し上げます。

先生の方から御指摘がございましたとおり、日米間の合意が成り立ちましたが、まず現時点の状況でございますが、日本政府の方は米国の国内通知の九十日を待っているという状況で、現在のところはまだ交渉に現実的には参加をしておりません。

そういう中で、私どもが間接的に得た情報でございますが、TPP交渉本体の中では、今回の法律の関係でいきますと、遺伝子組み換え食品の表示等の問題、これは二十一分野の中のTBT、テクニカル・バリア・ツー・トレード、貿易の技術的障害というところの分野になるわけでございますが、この中では、遺伝子組み換え食品のラベリング、表示についての提案はない。また、検疫等、SPSについても、個別の食品安全基準の緩和というものは議論をされておりません。

こういうような状況の中で、政府を代表しまして、総理は、国会での御議論の際に、「食品の安全、消費者の健康、これはまさに最大の国益でありますから、もう既に交渉当事者に対してこの点については絶対に譲ることはできないということについて厳命はいたしております。」というふうに答弁させていただいております。

このような交渉の中で、必ず守らなければならないものということで、私どもは今後、正式に交渉に参加した段階におきましては、我が国は世界第三位の経済力を有しております、交渉力を駆使し、新たなルールづくりをリードしていくとともに、特に食品につきまして、守るべきものは守り、あるいは攻めるべきところは攻めていくことで、国益にかなう最善の道を追求していきたい、かように存じております。

伊佐委員

力強いお言葉をありがとうございます。

まさしく交渉はこれからだということなんだと思います。その中で、先ほど総理の強い発言も御紹介いただきました。この食の安全、安心というのは、外交交渉の例えば譲歩とか妥協とかそういうもので決められていくものではなくて、あくまで科学的な根拠に基づいて決められるべきだと思います。ぜひしっかりと交渉いただければと思います。

次に、食品表示法の内容、特に、執行の部分についてお伺いしたいと思います。

これまで、食品表示、根拠法がばらばらでした。当然、執行体制もそれぞればらばらに行っていた状況でした。まず、品質に関する部分というのは根拠法はJAS法で、その担当に当たっていたのが農水省の食品Gメン、食品表示Gメンと言われる方々でした。また、安全性に関する部分というのは根拠法は食品衛生法で、これは食品衛生監視員という方々が執行に当たっていらっしゃいました。酒類、お酒については国税局。それぞれがそれぞれの根拠法に基づいて執行を行っていた。

今回は、食品表示法において根拠法が一元化されました。では、果たして執行機関がどうなるか。執行機関の一元化はこれまでずっと長い間議論をされていたと伺っておりますが、私の理解では、今回の法案をもっても現行制度ではそれほど大きな違いがない。つまり、一元化は実際的には難しかった、そう認識をしております。

一元化をする際に、大きな壁は何かというと、まず一番の問題は、そもそも消費者庁は地方分局を持たないということが挙げられると思います。
例えば、では食品Gメンの方々に全部お任せしようかとなったとしても、食品Gメンの方々、彼らは食品偽装のプロです。これまで安全について、例えば細菌検査であったりとかあるいは化学検査をしたりとかということに決してなれていらっしゃるわけじゃない。こういうところを身につけなきゃいけない。
あるいは、では食品衛生監視員の方々に全部任せましょうとなったとしても、では、偽装表示のところまで全部カバーできる、それぐらいのスキルが果たしてあるのかという問題もあると思います。

つまり、これから執行体制をどのように充実して強化していくかということが一つの大きな課題であろうと思っております。これに対しての政府の御見解をお伺いしたいと思います。

伊達副大臣

お答えをいたします。

今の先生の執行体制の実効性をどうしているのかという御質問でございますが、執行体制を一元化すべきとの考え方については、消費者庁は組織規模が非常に小さくて、まだできて四年足らずでございますので、地方組織を有していないため、引き続き、地方出先機関を有し、監視業務についてのノウハウ等を有する行政機関や都道府県、保健所と連携して効果的、効率的な執行に努めてまいりたいと思っております。

いずれにせよ、執行体制については取り締まりの実効性、維持強化を図っていくことが重要だと考えていることから、こうした観点から、本法案に係る執行体制については、今後とも必要に応じてあり方を検討してまいりたいと思っております。

伊佐委員

ありがとうございます。
執行の体制の話と、もう一つ執行で御質問させていただきたいのは罰則の話なんです。

これは、偽装表示あるいは表示が誤っていた場合というものも含めまして、これまでのJAS法、そもそものJAS法の目的は誤った表示を正しくさせるということが目的でした。つまり、たとえ意図的に誤った表示をしていたとしても、そこでその是正命令が下って、わかりましたと言ってすぐに変えてしまえば、特に、刑事罰を含めた罰則規定というのが適用されなかった。

こうした、特に悪質な、消費者をだまそうとしたものであったとしても、JAS法がどこまで適用されていたかというと少し疑問なところがございます。
例えば、これまでさまざまな事件がありました。ミンチに内臓の肉をまぜたというようなミートホープ事件、あるいは、中国産のウナギを国産のウナギと称した魚秀の事件、また、船場吉兆の偽装事件もありました。こうしたさまざまなこれまでの偽装表示の事件というのは、実は、そのいずれもJAS法では取り締まっていないんです。あるいは食品衛生法でも取り締まっていない。

では何で取り締まっているかというと、不正競争防止法です。つまり、これまで、食品表示の偽装、結局、検察が使えたカードというのはこの不競法だけだったんです。

今回の食品表示法において、こうした本当に悪質な偽装表示についてしっかりと実効性を持って取り締まれるような体制あるいは制度とすべきだと考えますが、政府の御見解をお伺いしたいと思います。

伊達副大臣

お答えをいたします。

今、取り締まりとその罰則についてでございますが、産地偽装等の事案について、罰則を適用して厳正に対処することは重要である、こう思っております。消費者庁としては、不適正な表示を事業者に迅速に改めさせるとともに、その旨を消費者に対して広く伝達する必要があると考えております。

食品表示法案については、現行のJAS法と同様、産地や原材料など一定の事項の表示を義務づけるものでありますから、これに違反して不適正な表示を行った場合、表示基準を厳守するような表示の是正を行うこととしており、引き続き、産地偽装の不適正な表示に対して迅速かつ厳正に執行してまいりたい、このように思っております。

伊佐委員

ありがとうございます。
いかにこの執行の実効性というものをしっかりと充実強化させていくか、これは非常に重要な課題であると思いますので、ぜひよろしくお取り組みをお願いしたいと思います。

一問飛ばさせていただきまして、原産地表示についてお伺いしたいと思います。
今回の食品表示法において、結局結論に至らなかったさまざまな課題というのがございます。そのうちの一つが、加工食品の原料原産地の表示、これをどうしていくかという議論でした。

消費者庁が行ったアンケートを見ておりますと、商品を選ぶ際に原料原産地表示をチェックすると言った方々が七割いらっしゃいました。この七割の方々というのは、原産地によってちょっとでも品質のいいものを選ぼう、こういう意識というよりも、どちらかといえば、今の海外産の食品に対する不安感といいますか、こういうものが多分あって、この原産地、一体どこでできたものなんだろうというところをしっかりとチェックしているんじゃないかと思います。

この加工食品の原産地表示、今現状をどのように把握していらっしゃるか、消費者庁の見解を伺いたいと思います。

菅久政府参考人

お答えいたします。

加工食品の原料原産地の表示につきましては、現在、JAS法に基づきます加工食品品質表示基準で定められている表示基準の一つでございまして、消費者基本計画におきまして、加工食品の原料原産地表示の義務づけを着実に拡大するということにされております。

この消費者基本計画に基づきまして、消費者庁におきましては、平成二十三年三月に、加工食品品質表示基準を改正いたしまして、黒糖及び黒糖加工品、それから昆布巻き、こうしたものを新たに義務対象品目として追加するなど、原料原産地表示の拡充に努めているところでございます。

この加工食品の原料原産地表示につきましては、現行では、品質に関する適正な表示を目的としていますJAS法の表示基準の一つということで定められておりますので、品質の差異ということに着目いたしまして、義務表示対象となる品目を定めております。したがいまして、加工度の低い加工食品に対象が限られているという現状でございます。

一方、食品表示法案におきましては、一般消費者の商品選択上の判断に影響を及ぼす情報でありますれば、表示の基準を策定できるということになっておりますので、品質に関するものか否かにかかわらず、表示対象品目の選定を行うことが可能という仕組みになっております。

したがいまして、食品表示法案の成立後におきましては、消費者や事業者の方々などの意見を幅広く聞きながら、現行の要件にとらわれず、消費者の自主的かつ合理的な食品選択の機会が確保されるよう、原料原産地表示のあり方について、義務範囲の拡大も含めまして検討していきたいと考えております。

伊佐委員

ありがとうございます。
今の御答弁によりますと、加工の度合い、これが一つのキーワードになるのかなと思います。

現場で実際に何が起こっているかといいますと、例えば加工の度合い、鳥を蒸してつくった蒸し鳥は、実は加工の度合いが低いということで原産地表示の義務があります。ところが、ちょっとここにしょうゆ味をつけると、実は義務がなくなるんです。こういう現状。あるいは、例えばあんこです。生あんは、そのものですから、食品表示、原産地表示の義務というものがあります。ところが、ちょっと砂糖を加えて練ってしまう、つまり練りあんになると、義務がなくなってしまうという状況です。これは製造者の方にとっても事業者の方にとっても少し混乱するところもありますので、今後、こういった、よりきめ細やかな対応というものをぜひよろしくお願いしたいと思います。

次に質問をさせていただきたいのは、アレルギー表示についてです。これも一つの残された課題ということになっております。

これまで、アレルギー対策については、我々公明党は、特に力を入れてまいりました。
先週の十七日に、自公両党で、アレルギー疾患対策基本法案を衆議院に提出させていただきました。この法案は、もともと、二〇一〇年に公明党が提出をし、残念ながら廃案になりました。また、二〇一一年には今度は自公で提案をさせていただいて、これも選挙の関係で廃案になった。こういう経緯がありまして、いよいよ三度目の挑戦ということで、諦めずに、今回、三度目のアレルギー対策の法案を提出させていただきました。

この中で、今回の食品表示法案と大きく関連するところというのが、アレルギーの食品表示の部分になります。とりわけ、大きな問題になっていますのが、取り組むべき課題となっていますのが、まず外食、外で食べる場合のアレルギーの成分表示をどうするかという問題と、もう一つは、中食、いわゆるお総菜です、でき合いのおかずが売っているお総菜。このアレルギー成分の食品表示義務をどうするかというところで、現在は、中食、外食とも食品表示義務というものが課されていないという状況です。

これまでは義務が課されていないんですが、どんどんどんどん時代の状況というのが変わってきているわけです。つまり、ひとり暮らしの方というのが多くなっている。今、ひとり暮らし世帯、過去二十五年間で倍増と言われています。六十五歳以上のおひとり暮らしの方々が四倍にふえたと言われている状況。こういう状況の中で、中食とか外食とか、こういったものが本当に我々の生活の中でなじみの深いものにどんどんなってきている状況です。

食物アレルギーを引き起こすような物質というのは、もしこの表示がなければ、当然、お総菜を買う際に、あるいは外食でメニューを選ぶ際にも、どうしても消費者の選択の自由が阻まれるというところもあると思います。最悪の場合には命を落としかねないというような状況になっております。
こうした、外食とか中食に対するアレルギー表示、今後どのように取り組みをするかについてお伺いしたいと思います。

菅久政府参考人

お答えいたします。

現在、中食、外食についてアレルギー表示の義務はないわけでございますけれども、アレルギー表示を行っていくためには、その食品にアレルギー物質が入っているかどうか、または入っていないかということを正確に把握した上で表示を行うことが不可欠というふうに考えております。

例えば、中食、外食の店で調理をする際、調理器具などから意図せず混入する。つまり、原材料そのものには入っていないんだけれども、意図せず混入するということも想定されます。こういう意図しない混入についても十分考える必要がございまして、そうでないと、誤った表示によって、かえってアレルギー発症を誘発してしまうというおそれもございます。

こういう、アレルギー物質の意図せぬ混入防止対策を十分にとることができるかどうかは、大きな課題だと考えております。

この中食、外食のアレルギー表示につきましては、食品表示一元化検討会の中でも検討をされましたけれども、その報告書におきまして、アレルギーに関する学識経験者や患者団体、外食等に関係する事業者団体等から成る専門的な検討の場を別途設けて検討を行うことが適当というふうにされております。

消費者庁といたしましては、この検討会報告書の趣旨を踏まえまして、今後、中食、外食へのアレルギー表示についてしっかりと検討してまいりたいと考えております。

伊佐委員

ありがとうございます。

最後に、大臣の御決意をお伺いしたいんですが、こうして、今回の食品表示法、さらに残したさまざまな課題、加工食品の原料原産地表示であるとか、あるいは遺伝子組み換え、これもまだ残された課題になっております。

そして、先ほど審議官より御答弁をいただきましたアレルギーの食品の表示、こうしたものを、それぞれ、先ほど検討会を立ち上げてということをおっしゃっていただきましたので、ぜひ、この法案成立後、速やかに検討会を立ち上げていただいて、そして、しっかりと、いついつまでに検討しますというスケジュール感を持って、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。大臣の御決意を最後にお伺いいたします。

森国務大臣

食品表示法案においては、食品を摂取する際の安全性及び自主的かつ合理的な食品選択の機会の確保を目的としており、この目的にふさわしい表示内容になるように、御指摘の今後の積み残された課題についても、なるべく早く検討会等を設置し、そして、消費者や事業者の方々などの意見を幅広く聞きながら、消費者にとって必要な情報が的確に伝えられる、わかりやすい表示制度としていくように取り組んでまいります。

伊佐委員

以上、終わります。ありがとうございました。

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