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183-衆-経済産業委員会内閣委員会財務金融委員会消費者問題に関する特別委員会連合審査会-1号 平成25年05月16日

吉川委員長

次に、伊佐進一君。

伊佐委員

おはようございます。公明党の伊佐進一でございます。本日は、このような機会をいただきましてありがとうございます。

今回のこの法案につきましては、各委員会で委員の皆様に御議論いただきまして、また参考人質疑もさせていただいて、その中でも多くの論点がもう既に議論されております。
本日は、非常に限られた時間でありますので、では、実際に現場で具体的にどういうことが起こっていくのかという具体例を考えながら、この法案の実効性について論証させていただきたいと思っております。

例えば、今、ある商店で、一個百円でまんじゅうを売っています。一個百円で売っているということは、総額表示されているのが百円。つまり、本体価格は九十五円です。このまんじゅうが、例えば八%になった、そのときには総額表示で百三円になります。今までは一個百円、二個二百円、三個三百円、こういう値段で売っていたものが、これからは一個百三円、二個二百六円、こういうような値段になる。

このときに、お店の方が実際にどういう対応をしていくのかということですが、その中で、この法案の第十条第一項、これは何かと申しますと、増税後の一定期間については必ずしも総額表示をしなくてもよい、つまり、百三円と書かなくてもよいということが認められております。

では、そうなった場合に、このお店の方は具体的にどういう値段を表示しようとするのかということです。つまり、この十条一項で想定している表示は何になるかということなんです。本体価格の九十五円というものが表示されるであろうと想定しているのか、あるいは、もともとの百円という数字が果たして出ていいのかどうかというのが一点です。

もう一点の質問は、一定期間の特例措置と申し上げました。この一定期間というのは、この第二項には、できるだけ速やかに最終的な税込み価格というものに変えていきなさいと、努力義務というのがあります。つまり、この特例が許されている期間というものは、できるだけ速やかにというような時間の制限がかかっております。

そこで、この時間というのは一体どれぐらいを想定しているのか、この点について質問させていただければと思います。

太田政府参考人

お答えをさせていただきます。

今般の法案では、法案の施行から平成二十九年三月末までの間におきまして、消費税の円滑な転嫁の確保、事業者による値札の張りかえなどの事務負担への配慮という観点から、消費者に誤認されないための対策を講じておりますれば、税込み価格を表示しなくてもよいということにいたしますとともに、消費者にも配慮する観点から、事業者は、できるだけ速やかに、税込み価格を表示するよう努めるというふうにさせていただいているところでございます。

そこで、御質問いただきました具体例として、現在、総額で一個百円、本体価格、税抜き価格九十五円という御質問でいただきましたが、その商品につきまして、税率引き上げ後も本体価格九十五円というものをそのまま維持される場合において、値札やチラシ等々におきまして、来年四月になります前から、九十五円括弧税抜き、九十五円括弧本体価格、あるいは九十五円プラス税といった表示を行いますというやり方なり、あるいは、値札には本体価格、税抜き価格の九十五円とだけ表示した上で、商品の陳列棚や店内の目のつきやすい場所に明瞭に、表示価格は税抜きです、消費税八%は別途いただきますといった掲示を行う方法につきましても、総額表示の特例として認められることになるというふうに考えてございます。

また、もう一点承った、期間の件でございますけれども、本法案の第十条第二項におきましては、平成二十九年三月末までの間におきましても、できるだけ速やかに、税込み価格を表示するよう努めなければならないというふうにしております。

これは、事業者の方々が、例えば、通常の商品の入れかえのタイミングに合わせて値札の張りかえを行うということや、あるいは事務負担の状況に応じて計画的に値札の張りかえを行うことができますように柔軟な規定ぶりとしているところでございまして、それぞれの事業者の実情に応じまして、可能な範囲で速やかに税込み価格表示を行っていただくということを想定しているところでございます。

伊佐委員

ありがとうございます。

今の御答弁をお伺いしますと、まず一つあり得るのが九十五円、つまり税抜き価格というものを表示する可能性もある。また、百円という数字もあり得る。百円括弧さらに追加で三%いただきます括弧閉じという表示があり得る。当然、総額表示であります百三円という表示もあり得るということだったかと思います。今の話で申し上げると、消費者にとってはちょっとわかりにくい表示になる可能性もあります。

その上で、あえてこの特例を事業者に対して認めていただいたわけでありますが、では、この実効性がどうかということです。どうしても、今の三つの数字を並べてしまうと、やはり一番値ごろ感のある一個百円というものに最終的には収れんしていく。十条一項があったとしても、やはり、総額表示、最後は百円にしましょうという圧力は相当のものじゃないかと思います。実際に、前回の消費税が値上げされた際には、結局消費税の転嫁はできませんでしたという事業者が全体の五割以上という結果も出ております。

そこで、転嫁できるかどうかにとって大事になってくるのは、法の執行の部分だと思います。つまり、卸の方々が大規模小売業の方々から買いたたかれる行為であったりとか、あるいは、売れ残った部分を不当に、これは残ったから買ってくださいよと言われたりとか、こういった小売業者の優越的地位の濫用というものに対して、いかに公正取引委員会がきちんと勧告をして、公表をして、また罰則を科すことができるかということが大事だと思います。

実は、これまでの審議でこういう数字が出てきております。これは杉本公正取引委員会委員長の御答弁ですが、平成二十年から二十四年までの五年間で、独禁法上の優越的地位の濫用、これによって排除措置命令あるいは課徴金命令を行った事件数というのはたったの十件と伺っております。また、先ほど申し上げた買いたたき、この買いたたきを理由として優越的地位の濫用となった例、これは独禁法で一件だけ、また下請法でも一件だけ、こういう参考人の質疑もございました。

つまり、実際の運用の中で買いたたきと認定する、あるいは優越的地位の濫用というふうに認定するのは、実は非常に難しいんじゃないかという数字じゃないかと思います。
そこで、お伺いしたいのは、この法案においてはきちっと実効性を担保できるのかどうかということについて御答弁いただきたいと思います。

杉本政府特別補佐人

お答えさせていただきたいと思います。

独占禁止法による措置、優越的地位の濫用等につきましては、排除措置命令とか課徴金命令といった重い行政処分を課すものでございますので、その発動要件というのも非常に重畳的になっておりまして、法適用にも時間がかかるというようなことがございます。

下請法につきましても、要件は独禁法よりは緩和されておりますけれども、対象者を限定する等の制約があるところでございます。

したがいまして、本法案では、消費税の引き上げが累次にわたって起こるということを踏まえまして、より迅速かつ効果的に転嫁拒否行為を取り締まるということが必要だと思いますので、法律上の発動要件というものを形式的なものといたしまして、迅速な執行ができるようにする。

それから、公正取引委員会だけではなく、中小企業庁、さらには事業を所管する主務大臣にも調査、指導権限を付与する、さらには、被害者の被害を回復する措置をとることができるようにする、下請取引や売買取引を含め広く取引一般を対象とした制度を設けるということにしてございまして、政府としては、こういった措置を通じまして、一丸となって転嫁拒否行動を迅速かつ効果的に取り締まるということで、全力を尽くしていく必要があると考えているところでございます。

伊佐委員

御答弁ありがとうございます。

慎重な審査が必要なのでこういった状況になっておりますということだったと思います。これは本当に難しい問題だと思います。

といいますのは、一方に強力な優越的な地位がある場合、そのときに、例えばその地位を使って卸の方々に買いたたきをかけた場合、この両者の関係の間で、例えば強い立場の方から弱い立場に対して、これは買いたたきじゃないよね、あるいは自由な交渉の結果ですよねというふうに念を押された場合、弱い立場としては、はい、そうでございますと恐らく言わざるを得ないような状況、これが実態じゃないかと私は思います。そういった点も実は少なからずありまして、具体的な事例になかなか発展していないということもあるんじゃないかと私は思っております。

そういう意味で、もともと弱い立場の方々が、公正取引委員会であるとか、あるいは中小企業庁であるとか担当部局であるとか、ここに、買いたたきがありましたというふうに持っていくというのは、実は最終手段だと私は思います。もうこの力ある会社とのビジネスは御破算になってもいいという覚悟、あるいは、ほかの、例えば小売の方々から白い目で見られても仕方がない、それでもやるんだという覚悟がない限りは、なかなか案件を持って駆け込んでいくことは実は難しいんじゃないかと思います。

そこで、再び杉本委員長に質問させていただきます。
弱い立場にある卸の方々がこの高いハードルを乗り越えていく、この何らかの対処というのがあり得るのかどうかということについてお伺いしたいと思います。

杉本政府特別補佐人

消費税率の引き上げに当たりましては、委員がおっしゃいますように、立場の弱い中小企業者が消費税の転嫁を拒否されるなどによって被害を受けたとしても、みずからその事実を申し出ていただくことが期待しにくいという実態があると考えております。

このため、転嫁拒否等の被害者からの情報提供を受け身的に待つだけではなく、書面調査を実施いたしまして政府一丸として情報収集に努めるだけではなく、先ほど申しましたように、公正取引委員会だけではなく、中小企業庁、それから主務大臣にも調査の権限を付与することとしているところでございます。

さらには、本法案におきましては、申告者の保護に万全の措置を講ずることとしておりまして、実際に調査を行う際には、申告者が特定されないように注意して調査を行うほか、情報管理を徹底するなどして、弱い立場にある申告者の保護に万全を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。

伊佐委員

ありがとうございます。
受け身で座して待つのではなくて、ぜひこちらの側から積極的に前に出ていくというような姿勢で取り組んでいただければと思っております。

再び価格表示の話に戻ります。
まず、総額表示の経緯についてですが、これはもう皆さん御案内のとおりですが、消費税導入時には内税でも外税でもどちらでもよかった、つまり、総額表示は義務化されておりませんでした。もともとこの消費税というのはフランスが本家本元で、フランス、本家本元では総額表示が義務づけられ、また、欧州、ヨーロッパ各国全て総額表示が義務づけられております。

ところが、日本の場合は、消費税というものを導入した、ところが総額表示というものは当時導入しませんでした。それはなぜかというと、これが果たして日本の今のビジネスの商慣習に合うのかどうかという議論があった。つまり、なかなか消費税を価格に転嫁していくのは難しいんじゃないか、こういう不安が多かったわけです。そこで、結局、内税でも外税でもどちらでもいいという形に持っていかれました。

ところが、平成十六年には総額表示というものが義務づけされました。ちょっと通告から一問飛ばさせていただきます。結局、その際に議論したのは、消費者の利便性というものを重視した。つまり、棚から物をとって、幾ら幾らと書いてある、ところが、レジに持っていったら財布のお金が足らなかった、こういうことがあるんじゃないかという、こうした消費者の利便性に配慮したというふうに言われております。

それから十年たちました。ところが、いまだ大多数の事業者の方々というのは、依然として、やはり外税方式にしてほしいという思い、望みというのが強いと思います。やはり、なかなか価格転嫁させる自信がないんですというのが十年前と変わっていないところだと思います。

もちろん、今回、消費者の意識という観点からしましても、外税方式になったら、納税者として幾ら払っているかというのが目に見えるわけです。しっかりと上乗せされて自分が払うわけです。そういう意味では、納税意識も高まる、そう言う方もいらっしゃいます。

もちろん、各事業あるいは業態によって違うと思います。例えば、コインパーキングであったりとか、あるいは自動販売機であったりとか、ここは総額表示をせざるを得ないと思います。あるいは旅行業についてもそうです。

そこで、こういうことをおっしゃる方がいます。最も効果的な転嫁対策は、原則は外税方式にしてしまいます、例外として、業種、業態ごとに総額表示にしましょう、こういう柔軟な対応をしてはどうか、こういう声も実はいただいておりますが、これに対してどのようにお考えか、竹内政務官にお伺いしたいと思います。

竹内大臣政務官

お答えいたします。

平成十六年四月から実施されております総額表示の義務づけは、委員御指摘のとおり、消費者の利便性の観点から導入されたものでございますが、当時は、民間事業者の方々、日本経済団体連合会、全国法人会総連合、また全国間税会総連合会などの御提言や政府税調の答申などにおきましても、総額表示方式の導入を検討すべきとの指摘がなされていたものでございます。

価格表示のあり方を検討するに当たりましては、消費者からの視点と事業者からの視点の両面からの検討が必要と考えております。
税率の引き上げ時におきましては、総額表示義務を厳格に適用することは、事業者にとって、値札の張りかえなどに多大なコストがかかり、ひいては円滑な転嫁の確保も困難になることが考えられます。

このため、本法案では、消費税率引き上げ前後の期間に限って、消費者に誤認されないための対策を講じていれば、税込み価格を表示しなくてもよいとするとともに、消費者にも配慮する観点から、できるだけ速やかに、税込み価格を表示するよう努めなければならないとする特例措置を設けたところでございます。

本特例措置によりまして、価格転嫁の観点から、外税方式で価格表示を行いたい事業者は、消費者に誤認されないための対策を講じていれば外税表示も可能となるということでございます。

なお、恐らく委員の御質問の本質は、商慣行の問題と密接に絡んでいるものと思われます。

先ほどから御議論がありますように、買い手の業者がその強い立場を利用して、売り手、下請などに価格面での圧力を加えるケースがあると伺っております。これは、場合によっては、先ほどからありましたように下請法などで対処することになるわけでございますけれども、また、この商慣行の問題は社会全体の課題であるとも考えられるわけでございまして、そういう意味で、この転嫁の問題は、表示方式の変更だけでは解決がなかなか困難なのではないかというふうに私は考えておるところでございます。

伊佐委員

ありがとうございました。
時間もなくなってまいりましたので、最後に、せっかく今中小企業庁の次長に来ていただいておりますので一問と、あと、大臣に最後、御決意をお伺いしたいと思います。

経産省、中小企業庁にお伺いしたいのは、消費税が今回段階的に上がるということになった際に、事務作業がどれぐらい発生するかということです。

パソコンとか、あるいはPOSレジと言われているようなレジを持っている方々、ここは数字をいじるだけです。五%を八%に入力し直す、あるいは一〇%に入力をし直すということで事足りるわけです。ところが、問題は小規模事業者の方々です。この方々、小規模になればなるほど、こんなレジは入っていない。つまり、自分たちの手計算で消費税の計算をされているという方々です。こうした小規模の方々の事務負担、これは、八%に上がって一〇%に上がるとなれば、非常に大きな負担になると思います。
こうした事務負担に対して、政府として何か支援策のようなものがあるかということについて一点お伺いをしたい。

最後は、大臣に御決意をお伺いしたいのは、今回一番大きな争点になりましたのが、市場の原理を優先するのか、自由な価格競争を優先するのか、あるいは、そうじゃなくて、消費税の価格への転嫁をしっかりと保護するために規制をかけるのか、このはざまの線引きの問題だったと思います。そこで非常にまだ曖昧なところもありまして、ガイドラインをできるだけ早期に策定してほしいというさまざまな委員の要望もあったと思います。

このガイドラインの早期の策定も含めまして、今後の取り組みについて、大臣の御決意をあわせて伺いたいと思います。

富田政府参考人

お答えを申し上げます。

委員の御指摘をいただきました消費税引き上げに伴います小規模事業者の事務負担の軽減、これは大変重要な課題だと思っております。
私どもといたしましては、こういった観点から、これまでハード、ソフトにわたる税制上の措置を手当てさせていただいたところでございます。

具体的には、平成二十五年度の税制改正におきまして、新たに商業・サービス業・農林水産業活性化税制というものを創設させていただきました。この税制におきましては、これらの業種を営む中小企業、なかんずく小規模事業者の方々がパソコン、レジスターなどの器具、備品あるいは建物附属装置などを導入された場合に、取得価格の三〇%の特別償却、または七%の税額控除をお受けになれる、こういう制度でございます。

他方、ちょっと時間が前後いたしますけれども、平成二十四年度の税制改正におきまして、中小企業投資促進税制の適用期限を平成二十五年度まで延長させていただいております。この税制におきましては、中小企業、小規模事業者の方々が会計ソフトあるいはPOSシステムなどのソフトウエアを導入された場合に、同じように取得価格の三〇%の特別償却、または七%の税額控除がお受けになれるという措置がございます。

他方、本法案に当たりましては、公明党から、円滑な転嫁対策を進めるため、税制上の支援措置等についても検討し、事務負担の軽減を図ることという御提言をいただいているところでございまして、私どもといたしまして、今後、中小企業、小規模事業者の事務負担の軽減について、さらに、どのような対応が可能かというようなことも含めて検討してまいりたい、このように考えてございます。

稲田国務大臣

公正で自由な競争が尊重されるべき社会においても、きちんと消費税を国民が支払い、そして中小事業者が消費税を転嫁できるようにするということは、社会正義の実現に資するものだと考えております。
その上で、委員が御指摘の、この法の執行に当たっての実効性の確保、三条、八条、十条、十二条のガイドラインについては早急に策定してまいりたいと思っております。

伊佐委員

以上です。

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