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183-衆-予算委員会第八分科会-1号 平成25年04月12日

石田主査

これにて大西英男君の質疑は終了いたしました。
次に、伊佐進一君。

伊佐分科員

公明党の伊佐進一でございます。
本日は、大臣、副大臣、政務官、お忙しい中で御出席をいただきまして、このように質問の機会をいただきましたこと、まず心より御礼申し上げたいと思います。本日は、大臣初め、皆様方の胸をおかりするつもりで伸び伸びと質問させていただきたいと思っております。

まず最初の質問ですが、取り上げたいのは、建設業の社会保険未加入問題について質問させていただきます。

今この建設業の就業者の方々、どのような状況にあるかということですが、建設業に対する投資、このピークは平成四年でした。それが平成二十三年になって半分になっています。また、建設業の就業者の数は、そのピークであった平成四年、六百十九万人です。それが平成二十三年には四百九十七万人になったんですが、ここで投資額がピークの時代から半分になった。にもかかわらず、就業者は実は二割しか減っていないんです。
これはどういう意味かというと、その分のしわ寄せが就業者一人一人に行っているということじゃないかと私は思います。この一番立場の弱い方々のところにしわ寄せが行っている、その一つの社会現象としてあらわれているのが、今回私が取り上げている社会保険の未加入問題であると思っております。

年金と医療と雇用保険、この三つの社会保険、これを三つともきちんと対応されている企業、これは当然企業の義務ですが、三つとも加入している企業というのは、労働者別でいいますと、まず元請で七八%です。一次請になると五五%になる。二次請以下になると四四%まで低下するんです。つまり、半分が義務を守れていない状況というのが現状であります。

この厳しい経済状況の中で、また民主党政権のもとで、コンクリートから人へというような政策のもとでどんどんどんどん状況が厳しくなっている。社会保険に必要な法定福利費と言われるもの、この企業の義務すら履行できない、払えなくなってしまっている、これは末端に行くほど状況がシビアになっているということでございます。

この請負契約において、建設業法で実は一つの規定がありまして、不当に低い請負代金で契約すること、つまり社会保険に充てる法定福利費すら払えないほどの低いお金で契約をする、これは建設業法第十九条の三によって禁じられているということでございます。

そこで、まずお伺いをしたいのは、不当に低い請負代金を禁じるために、この十九条の三を積極的に運用していくべきだと私は思いますが、国交省の見解を伺いたいと思います。

佐々木政府参考人

お答えいたします。

ただいまお話のありました建設業法の第十九条の三でございますけれども、これは、元請企業などがその地位を利用いたしまして、下請企業などに不当に低い請負代金を強いることを禁止したものでございます。この規定に違反した場合には、建設業法第四十二条に基づきまして、国土交通省がまずは公正取引委員会に対しまして請求を行いまして、それを受けまして、公正取引委員会が独禁法に基づく勧告または排除措置命令を行う、こういう仕組みになっております。

しかしながら、この仕組みを発動するに際しましては、規定違反となる行為が、例えば、一下請企業のみならず多数の下請企業に対して行われ、市場を極めて大きくゆがめている、こういったことで公正取引委員会が判断した場合でないとなかなか適用されない、こういうこともございまして、この仕組みが今まで発動されたことはございません。

伊佐分科員

ありがとうございます。
こうした本当に厳しい状況の中でも、先ほど参考人から御意見をいただいたとおり、実は発動されたことはないというのが現状でございます。

こういった状況の中でこれから何が起こってくるかということですが、平成二十九年度から、保険加入が確認できない企業であったりあるいは作業員の方々は、現場から排除されるということになります。今の状況のままであれば、先ほど申し上げた三つに加入しているのが四四%という二次請以下の企業の方々にとっては、こういう一番厳しい環境に置かれている方々を締めつけるだけの結果になってしまう可能性があると思います。何らかの措置が必要だと思います。
こうした問題を解決するためには、まず、元請企業がしっかりと法定福利費というものを見積もりの中に明示するということが大事じゃないかと思います。

国交省においても、さまざまこれまで御努力をされてきたと伺っております。例えば、ガイドラインをつくって、いろいろとこの普及啓発をやるというようなことをされておりました。

ところが、このガイドラインを見てみましても、何が書かれているかというと、例えば、下請である専門工事業者の方から法定福利費が内訳明示された見積書が提示された場合、これを尊重すると。あくまで尊重するだけなんです。またあるいは発注者に対して、法定福利費が着実に確保されるよう見積もり・契約等の際に配慮すると。これも配慮なんです。えらく弱いんです。

私が大事だと思うのは、本当にこういう問題の解決を図ろうと思うのであれば、この法定福利費をきちんと書き分けるということが大事じゃないか、もっと強い形での制度をつくっていく必要があるんじゃないかと思っております。

まず、少なくともできることは何かというと、国が発注する公共事業、この公共事業の内訳くらいには、法定福利費をきちんと別建てで明示するということをすべきじゃないか。まさしく隗より始めよということではないかと私は思っております。この公共事業で書き分ける件についての国土交通省の見解をお伺いしたいと思います。

深澤政府参考人

お答え申し上げます。

国土交通省が発注する工事の予定価格には、法定福利費が含まれております。
具体的に申し上げますと、予定価格を算出する際、事業者が負担すべき法定福利費については現場管理費の中、また、労働者個人が負担するべき額につきましては労務単価に含めております。

一方で、ただいま委員の方から御指摘がありましたように、計上した法定福利費が下請まで適切に支払われていないのではないかというような御指摘もいただいております。このため、入札公告段階において、予定価格に法定福利費がきちっと含まれているという旨を、改めて入札参加者には徹底、周知してまいりたいと考えております。

伊佐分科員

ありがとうございます。本当に国土交通省においてもさまざま御努力をされているというのは、私もそう伺っておりますし、認識もしております。その上で、今の状況をさらに改善していくにはどういったことができるかということについて、ともに知恵を出し合っていければと思っております。

最後になりますが、この保険の未加入問題も含めまして、現在の建設業の就業者の置かれている環境の改善に向けて、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

太田国務大臣

大変大事な問題だというふうに思っておりまして、それは建設業界がある意味で非常に疲弊してきている、急激な削減ということが予算上ありましたものですから、そこによって、これまでいた人が事業から離れていく、また、結構この予算が乱高下しているということがありましたものですから、見通しがきかないという中で、若い人を採用しない、人件費にしわ寄せをせざるを得ないというような状況もありました。

私は、この大事な公共事業、そして国の安全、安心というものを担う業界というものが、適正に、そして魅力ある企業として若い人が入ってくる、そして、なかなか現場の職人さんが育たないということがありますから、そうしたことを育てていくという形にしなくてはいけない。

予算がずっとある、そして誇りがこの業界に戻ってくる、そして若い人が入ってくる、そして職人さんが育っていく。育つには時間がかかりますから、そういう点では、まさにその福利厚生という点、保険加入ということが私は極めて重要なことだというふうに思っているところです。

労務単価を三月の終わりに、全国平均一五%、そして被災地では二一%上げさせていただきました。その中には、今答弁にありましたように、この福利厚生部分というものが明確にございます。ここがしっかり入って、そして働いている人たちが安定して、また見通しがあって働けるようにということを、メッセージとしてそれぞれ周知することに今懸命になっているところでもございますし、さらに、近々、業界団体の代表にお集まりいただいて、私からも直接、そのことについてはぜひとも実行していただきたいという強い要請をしたい、このように思っているところです。

伊佐分科員

大臣の力強いお言葉、本当にありがとうございます。
この建設業の就労問題といいますのは、今、自公政権で進めております防災・減災、安全に強いまちづくりの中でも本当に重要な一つの課題であると思いますので、ぜひ積極的な取り組みをお願いしたいと思います。

次の質問ですが、共生社会の実現に向けたまちづくり、いわゆるバリアフリーについてお伺いしたいと思います。

現在、我が国の高齢化の進展に伴って、高齢者が自立できる町をどうやってつくっていくか、あるいは、高齢者の方々が社会参加できるまちづくりをどうやって行っていくかということが非常に重要である。また、障害のある方も、障害を持っていらっしゃらない方も、ともどもに同じように生活をして、また互いに尊重し合って、支え合って生きていく、こういう共生社会をつくっていくことが今求められていると思っております。

その中で、一定の役割を果たしてまいりましたのがバリアフリー法。平成十八年に現行のバリアフリー法ができました。この中で、市町村が住民の参加を得て作成する基本構想というものがございます。これに基づいてバリアフリーの推進を図るということになりました。

これまでもさまざま取り組みをしていただいているところですが、まず最初の質問は、これまで政府が行ってまいりましたバリアフリーへの対応についてお伺いしたいと思います。

西脇政府参考人

お答え申し上げます。

今先生御指摘のとおり、平成十八年十二月に施行されました高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、これはいわゆるバリアフリー法と呼んでいますが、これに基づいて、高齢者、障害者等のまず円滑な移動と、それから建築物等の施設を円滑に利用する、そういう確保するための施策をやっております。

具体的に申し上げますと、まず、法に基づく基本方針で整備目標を設定した上で、そういう公共施設とか建築物等のバリアフリー化を推進することと、それから、今御指摘がございました、市町村が作成する基本構想に基づきまして、重点整備地区内において重点的かつ一体的なバリアフリー事業を推進すること、さらには心のバリアフリーというふうなことも推進しているところでございます。

平成二十三年の三月には基本方針を改正いたしまして、対象の鉄道駅を一日五千人以上から三千人以上へ拡大するというふうなことで、平成三十二年度までの新しい目標を設定したところでございます。

それから、法施行後五年が経過したということで、関係の団体とか有識者の方から、検討会をつくっていただきまして、今後の取り組みの方向性をまとめていただいておりますので、可能なものから順次具体化を図っていくということとしております。

いずれにしても、高齢者、障害者等の御意見を十分聞きながら、バリアフリー化というものを着実に推進してまいりたいというふうに考えております。

伊佐分科員

ありがとうございます。
本当にさまざまな形、さまざまな方向からバリアフリーを進めていただいているところでございますが、ところが、実際はまだまだ手が届いていないところがある。もちろん、予算の制約もあると思います。

そこで、一つ例を挙げさせていただきたいのは、私の地元の守口市に大日駅の交差点というのがあります。この大日駅の交差点、これは交通の結節点と言われるぐらいの大きな交差点なんですが、例えばまず鉄道でありますと、この交差点のところに地下鉄谷町線の駅があります。大阪モノレールの駅もあります。この交差点は、旧国道一号線と近畿自動車道、そして大阪中央環状線、これがクロスしているところなんです。物すごい大きな交差点なんですが、ところが、この交差点には、余りにも大きい交差点であるために、横断歩道がまずない、陸橋もないんです。どうなっているかというと、地下に潜ってそれぞれ移動をして、また地下から階段で上がってくるというような構造になっています。

この交差点の四つの隅、物すごい大きい四つの隅の二つにはエレベーターがついているんです。ところが、残り二つにはついていないんです。実は、ついていないところに病院があるんです。高齢者の方とかあるいは体に障害を持たれている方は、わざわざこのエレベーターのあるところから上がって、数百メートルずっと歩いて横断歩道があるところまで行って、そこでやっと渡って、また数百メートル戻ってくる。真夏の中でも、こうやって移動されていらっしゃるんですね。

この残りのエレベーターの設置について、平成二十三年度、国交省の近畿地方整備局そしてまた事業者の参画を得まして、守口市が先ほど申し上げた基本構想というのを策定しました。受理もされているんです。この中で重点事項として位置づけられています。先ほど局長の方から、交差点、基本構想のハードルとして三千人とおっしゃっていただきました。この交差点は一日に三万人利用しているんです。ところが、重点項目になったにもかかわらず、まだ着工すらされていないというような状況です。

質問としてお伺いしたいのは、こうした、せめて基本構想を受理しているようなところについては、できるだけ前向きに、積極的に対応を進めていただきたいと思いますが、こうした対応も含めて、国土交通省の御決意をお伺いしたいと思います。

赤澤大臣政務官

委員の問題意識、全くごもっともだと思います。
御案内のとおり、バリアフリー法に基づく基本構想は、高齢者、障害者等が生活上利用する施設が所在する一定の地区において、公共交通機関、建築物、道路などのバリアフリー化を重点的かつ一体的に推進するために市町村が作成をする構想ということで、この構想に事業が位置づけられた公共交通事業者、道路管理者等の施設設置管理者はバリアフリー化を進める事業計画をつくり、事業を実施することが求められているということでございます。

御指摘の、国道一号大日地下道におけるエレベーターの整備については、これも委員御指摘のとおり四基のうち二基設置しており、利用状況を踏まえ、残る二基の設置を検討しているところでありますが、委員の本日の御開陳されました大変な御熱意もしっかりと受けとめて、できる限り前向きに取り組ませていただきたいと思います。

国土交通省としては、バリアフリー基本構想に位置づけられた事業については、この大日地下道に限らず、支援措置の実施などを通じて、施設設置管理者の積極的な取り組みを今後とも促してまいりたいと思います。

伊佐分科員

前向きな御答弁、本当にありがとうございます。ぜひ、共生社会の実現に向けて、積極的なお取り組みをお願いしたいと思います。

次の質問ですが、次は河川公園の整備計画について伺いたいと思います。

現在、一級水系と言われますものは全国で百九あります。その河川整備というのは、まず国土交通大臣が河川整備についての基本方針というのを定めます。その後で、これに基づいて河川整備計画というものを、それぞれの管理者が定めることになっています。管理者というのは、例えば近畿地方整備局とか、こういう管理者が定める。この計画で、具体的な整備計画において個別の事業をどうするか、具体的な河川の整備をどうするかというものを規定していくということになっております。

ここで難しいのは、バランスをどう保つかということです。つまり、一つ大きな課題として、例えば、河川を住民に開かれた場所として地域住民の方々に使っていただく、利用させてくださいという声が一つあります。またあるのは、環境保全という観点からできるだけ自然のままに河川を置いておく、こういう観点もあります。ここをどういうふうにバランスをとっていくかということが大事であると思います。

そこで、まずお伺いしたいのは、一級河川の河川整備計画、一般的にどういう点を考慮して策定されるのかということについて伺いたいと思います。

足立政府参考人

お答えを申し上げます。

御指摘のありました河川整備計画でございますけれども、委員御指摘のとおり、水系の長期的な整備の基本方針と計画高水流量など、河川整備の基本となるべき事項について、水系ごとに国土交通大臣が定めた河川整備基本方針というものがございまして、それに基づきまして、地方整備局長、淀川の場合ですと、先ほど御指摘のとおり近畿地方整備局長でございますけれども、洪水、高潮等による災害の防止または軽減、河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持、河川環境の整備と保全、こうしたことを総合的に考慮して定めることとしております。

その策定に当たりましては、学識経験を有する方々、関係住民、関係府県知事、関係市町村の意見、こうしたものをお伺いすることとしておりまして、その際には、治水、利水のみならず、自然環境、景観、河川敷利用、水辺の活用、スポーツや環境教育の場としての利用、地域の歴史、文化、伝統行事など、幅広く御意見をお伺いし、委員御指摘のとおり、そういった御要望に対しては、バランスが必要ではございますけれども、総合的に考慮しまして、河川整備計画を策定するということとさせていただいております。
以上です。

伊佐分科員

さまざまな考慮する観点があるというのを理解させていただきました。

少し、ちょっと一例を挙げさせていただきますと、大阪の淀川というのがあります。この淀川、平成二十年の三月に河川整備計画というものが改定されました。この改定の方向性が、自然環境の保全とか保護、どちらかといえば、こちらに重点を置いた改定内容になっております。そこで実は書かれたことが何かといいますと、グラウンド等のスポーツ施設、これらは地域と川とのかかわりを踏まえながら縮小していくというような書きぶりがございます。この計画、あるいはこの計画に基づいた河川整備に対して、地元の方々からたくさんの心配の声というのを伺っております。

どういうことかというと、例えば、今、子供たちが外で遊べる場所というのはどんどんどんどん減ってきていると思います。キャッチボールできる場所がなくなっているんですね。私が小さいころであると、キャッチボールはいろいろなところでできたと思います。でも、今、学校の中でも時間制限があって、公園の中でも、この公園の中ではボール遊び禁止というのがほとんどなんですね。限られたこの河川敷というオープンスペースの中で、子供たちは遊べれば、遊ぶような場所があればいいんですが、こういう場所についても、こうしてどんどん制限をされていく方向にあるんじゃないかと思っております。

そういう意味で、確かに、自然環境を保全するという観点はもちろん大事なんです。大事ですが、だから、こういった、例えばアシが生えるのをそのまま自然のままで置いておく、これも大事です。でも逆に、そのままに放置して、自然のままに放置して、例えばアシがぼうぼうに生えてしまっているというような状況になるのであれば、これは都会の死角になるわけです。夕方になると危なくて歩けないというような状況になっていくわけですね。これであれば、全く逆じゃないかと私は思います。

これは、実は河川によって計画が違うんです。例えば東京の江戸川、この基本計画に類する管理計画というのを見てみますと、河川空間というのを三つのゾーンに分けています。このゾーンの一つの整備ゾーンというのはどう規定されているかといいますと、広場、公園、あるいは階段護岸などの整備を行い、各種レクリエーションやスポーツ活動に利用する、非常に前向きな書きぶりになっているんですね。つまり、同じ一級河川であるにもかかわらず、河川によって全く重視する観点、方向性が違っているという状況です。

もちろん、先ほど局長がおっしゃっていただいたとおり、地域の実情に合わせて策定されているというのも理解しております。しかし、いずれにしても、地域住民に慕われる河川というものを目指していただきたいと思っております。

そこで、大臣にお伺いさせていただきます。
この一級河川の整備、環境の保全も図りながら、住民が利用しやすい河川、親しみの持てる河川を整備していただきたいと思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

太田国務大臣

よく理解します。

それで、私たち政治家は、野球のグラウンドも河川敷ということで多く使っていたり、サッカーとかいろいろなことがありまして、場所をとってくれというような要望もいっぱいあるわけですね。それで、地元でありますと、花火大会とか、そういうことで、水辺空間を生かしてというような営みが盛んに出てきたりということもあるんですね。

そこのところは、地元とよく、それぞれの河川には事務所が国交省としては設置されていて、荒川では荒川上流と荒川下流ということがあります。そういうことを全体的に、今度は国交省としては、河川をその場所その場所と区切って見るのではなくて、何といっても治水ということと利水。特に治水というのは、何が何でも国交省がきちっと守っていかなくちゃいけない任務ともいうべきものを担っている。

だから、こうした大変豪雨が多いというようなことの中から、それをコントロールするためには、日本の河川工学の伝統は、川をコントロールするとか制御するというんじゃなくて、川をなだめるという思想性のもとで来ていて、自然とかそういうものとの共生という概念が実は国交省の中の伝統であり、河川局の伝統であり、河川法は、そういう川をなだめるという観点から成っています。

川幅を広げるか、堤防を上げるか、そして遊水地をつくるか、そしてまたダムを適正に配置して治水をするか、あるいは新しい放水路をつくるのか、さまざまなものを組み合わせて、その中の一環にダムというものがあって、水系全体を我々としてはコントロールするということについては、これは変わりがないわけで、地元といっても、その地元の場所が欲しいというだけの観点ではありませんが、しかし、そうしたことの、先ほど水管理・国土保全局長が言いました、水辺の利用、スポーツ、レジャー、イベント、環境教育、舟運、地域の歴史、文化、それを総合的に常に考えながら、地元の人たちと水辺で共生するということについては配慮を一層していかなくてはいけないときに来ている、私はそのように認識をしています。

伊佐分科員

前向きな御答弁、ありがとうございます。
ちょっと、もう時間がなくなってまいりましたので、最後の質問にさせていただきたいと思います。

最後に取り上げたかったのは、トラック業界の課題について御質問させていただきたいと思います。

現在、トラックの輸送というのは、まさしく日本経済の再生に向けて非常に重要な役割を果たす。ところが、今、非常に厳しい状況に置かれておりまして、トラック業界の事業者の九九%が中小企業なんです。ずっと赤字が続いている。その状況の中で、一つは原油価格の高どまりであったりとか、あるいは円安であったりとか、一番この弱り目にたたり目でありますのが、高速道路料金の先行きです。

高速道路料金についても、本来であれば平成二十九年度まで適用されていた割引料金だったんですが、これは民主党政権のもとでの大盤振る舞いで、結局前倒しして全部財源を使っちゃいまして、今年度でその割引料金が終わってしまうというような状況になっております。

こうした高速道路料金についても何らかの配慮をお願いしたいという点と、また、もう一つは、特に小規模事業者のトラックの企業の方々です。この方々は、荷主から下請に行って、二次請に行って、三次請に行ってと落ちていくに従って、どんどんどんどん抜かれていっているわけです、賃金が下がっていくわけです。

このいわゆる多層構造の弊害というものが長らく指摘されてきたわけですが、こうした弊害解消のために大事なことは何かといいますと、一番末端の実運送と言われている方々、この方々がきちんとした料金をもらえるように、実態に合った料金をもらえるように、適正な料金をもらえるようにすることが大事です。

そこで、最初のステップとしては、契約を口約束にするんじゃなくて、きちんと書面に残すということだと思います。書面を義務化して、高速道路料金をしっかりその中に明示するとか、燃料サーチャージを明記するとかということだと思います。こうした義務化も含めまして、今後の小規模なトラック事業者の方々に対しての環境改善に向けた御決意を最後にお伺いしたいと思います。

鶴保副大臣

前半部分、高速道路料金の割引のことにつきましては、今後の料金制度のあり方等につきまして、現在、国土幹線道路部会で、全日本トラック協会などの関連団体からのヒアリングも行いながら、幅広く検討を進めさせていただいております。

また、後半部分、多層構造に向けての御懸念でございますけれども、確かにこういった懸念が多いことも承知をしておりますので、トラック事業者、有識者、荷主団体等から構成される検討会を設置いたしまして、御指摘の、多層構造の弊害の解消等に向けた具体的措置を速やかに実施すべく議論を行っております。

具体的には、この議論を踏まえつつ、適正取引の観点から、年度内施行を目指しまして、運送契約に係る書面化の義務づけを図ろうということを目指しております。また、それを実効的に担保するためにもガイドラインをつくりまして、企業者及び各事業者に対して、その双方の協力要請を図りたいと考えております。
以上です。

伊佐分科員

終わります。ありがとうございました。

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